7-3-3 俺は父に事の顛末を話す
6月初旬。
昼休憩どき、俺は学校内の人っ子一人いないところまで来てスマホを取り出し父に電話する。
「もしもし」
「もしもし。健一郎、どうした」
「連休の時に言ってた監視カメラのことだが」
俺は父に事の顛末を説明する。
すると父はやっぱりなとため息をつく。
「そんなこったろうなとは思ってたぜ。
しかし、まさかお前の親父から教え込まれた技術がこんなところで役に立つとはな」
「そうだな。本当に人生何が役に立つかわからないな」
父とそこから実の父とのことで少し思い出話等をする、
それが終わったところで父は再び話題を変える。
「そういやな、例の訴訟のことだがな。
相手側がやっと金を振り込んだよ」
「そうか、やっとか」
「ああ。散々ゴネたが最終的には応じたよ」
「そうか」
俺は父からのその報告に安堵する。
すると次に父は俺と綾瀬先輩の生活について訊いてくる。
「話はまた変わるが、あいつの家での生活はどうだ?」
「今のところ特に問題は起こってない」
「なら安心だ」
「だが今の状態が長く続くとは思えない。
このままだと何かしら俺に対して行動を起こしてくるかもしれない」
「それは間違いない。俺からは現状何もできないのがな・・・」
「これから何か起こったら俺自身の力でどうにかするさ。
心配するな」
「そうか、わかった」
父はそう言ってそれ以上言わない。
それからは少しまた体調とかの話をした後もうすぐ休憩が終わるというところで電話を終える。
「さて、授業に戻るか」
俺はその後普通に授業を受ける。
放課後になり俺は綾瀬先輩に電話をかける。
「お待たせ」
綾瀬先輩の乗る車が来たので俺は車に乗る。
その車中で俺は心の中でぼそっとつぶやく。
外に出たい、と。
というのも連休が終わって帰ってきたくらいから綾瀬先輩がやたら俺が外に出ることに対して口出ししてくるようになった。
俺が敷地内をたまには散歩でもしようかと思って外に出ようとすると
「どこ行くの?」
「本当に敷地から出ない?」
などと聞かれる。
別の日に典史氏から与えられた出かけるためのバイクを使って買い物に行こうとすると
「私と一緒に行けばいいでしょ?どうして私とじゃ嫌なの?」
と言って俺が一人でどこかへ行くのを止めようとする。
いくら説明してもわかってもらえないため仕方なく出かけるときには必ず一緒に出かけることになった。
で、それからは一人でどこかに行くことが事実上できなくなっている。
俺は最近始まったの綾瀬先輩のそれらの束縛に少し憂鬱な気分になりながらも綾瀬先輩と一緒に家へと帰る。
そしてそれからもいつもどおりに俺は綾瀬先輩の家での日々を過ごす。
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