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クラスでぼっちの俺が生徒会長とギャルをクズ男から救ったら何故か惚れられてしまい毎日言い寄られるようになり、それを知った義姉が俺を取られまいと結婚を申し込んだせいで三つ巴の戦争が始まった。  作者: この山田は無鉛プレミアムガソリン専用仕様となっています。レギュラーガソリンの使用は故障の原因となるため絶対にお止めください。レギュラーガソリンの使用によって生じたいかなる損害も当社は責任を負いません。
6章 災いは突然に
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6-5-7 わたしは健くんから書類を託される

「それでは今日の講義はここまで」



夜の6時。

今日の最後の講義が終わってすぐに立ち上がる。



「静~、これからどっか」

「ごめん湊ちゃん、行かなきゃいけないところがあるから」

「うぇ?そ、そう」



わたしは講義が終わった直後にかけられる湊ちゃんからの誘いの言葉をすぐに断って大学内の駐車場へと急いだ。

車に乗り込んでエンジンをかけ、健くんが入院してる病院へと急ぐ。


渋滞に巻き込まれながら1時間ほどして病院の駐車場に車を停めて入り口に入り階段を上がって健くんが入院してる病室へと入る。

ベッドにいる健くんの顔を見た瞬間わたしは驚いた。

健くんが少なくともわたしは今まで見たことがないとてつもなく暗い顔をしていたから。



「健、くん?」

「え?ああ、姉さん。戻られたんですね」

「う、うん。健くん、暗い顔してるけど今日何かあったの?」



わたしが健くんに暗い顔をしてる理由を尋ねると健くんは一言その理由をぽつりと話しはじめる。



「今日の昼なんですが・・・・・・・・」



健くんが今日病室で起こったことを全て話してくれた。

わたしは健くんが話すことを黙って全て聞いた。

全て話し終わった後健くんはボソッとわたしに言葉を零した。



「私、栗栖に間接的に"レースの世界で生きてるアンタなんて嫌い"と言わてしまいました。

栗栖が私のことを知ったらすさまじいヘイトの気持ちを向けられると思ってたので正直その程度で済むとは思いませんでしたが。

ですが、遠回しとはいえ『お前のことが嫌いだ』と言われて心が荒んだのは今まで生きてきて初めてです」



健くんが上半身を起こした状態で真っ暗な顔で言葉を吐き出し終わった。

その直後にわたしは健くんの真横まで椅子を健くんの真横のところまで持っていき健くんのことを抱きしめる。



「ね、姉さん?」



健くんがどうしたんですか、という感じでわたしに訊いてくる。

けど何も言わずにわたしは健くんのことを抱きしめ続ける。

すると健くんは右腕をわたしの背中に回してぎゅっとしてくる。



「もっと、ぎゅってしても・・・・・・・・いいですか?」

「うん。もっと強くして」



わたしがねだると健くんは更に強く抱きしめてくる。


しばらくお互いに無言で抱きしめ合っているとドアからノックする音がした。



「体調を聞きにきました」



看護師さんの言葉でわたしたちは抱き合うのをやめる。

どうぞとわたしが言うと看護師さんが病室に入って健くんの体温を測って体調を聞き取る。

一通り終わった後失礼しますと一言言って看護師さんが病室から出て行ったあと健くんの手を握る。



「つらかったね」



わたしが言うと健くんが落ち着いた声で話し始める。



「はい、つらいです。

人に拒絶されるのがこんなにつらいなんて、初めて知りました」

「うん」



わたしは健くんの言葉にただ頷いて頭をなでなでする。

健くんが頭をなで終えてすぐ健くんが一言言う。



「私、もっと人を悲しませないように気を付けようと思います」

「そっか」



わたしは健くんの言葉に肯定の言葉をかける。

そしてわたしは健くんが眠たそうにしたので寝ようと言う。



「今日は心が疲れちゃったみたいだから、もう寝よっか」

「・・・・・・・・そうですね」

「それじゃ、少し早いけどカーテン閉めて電気消すよ」



わたしはそう言ってベッドの角度を水平に戻してカーテンを閉めて電気を消す。



「わたしは着替えて寝る準備するね。お休みなさい、健くん」

「はい、お休みなさい」



お互いにそう言って健くんが寝たのを確認して寝る準備をしてわたしも簡易ベッドに横たわって寝た。



++++++++++++++++



「あ、待ってください、姉さん」



次の日。

起きてすぐ健くんの様子を見た後講義に出ようと支度をドアノブに手をかけたとき健くんに呼び止められる。



「すみませんが、これを代わりに出してください」



健くんがわたしに封筒を差し出してくるので中身を見る。

中に入ってるものを見た後わたしは健くんに問いかける。



「健くん、これを出したら後には引けないよ。いいんだね?」

「はい。それと、この中に書類のデータが入ってますのでそれを印刷してから提出してください」

「わかった。出してくるね」



わたしは健くんに確認を取った後差し出されたUSBメモリを受け取って封筒と一緒にかばんにしまって病室を出た。

そして車の中でエンジンをかける前に封筒の中身を再度確認する。



「告訴状、訴状、委任状・・・・・・・で、このUSBメモリに証拠資料と証拠説明書が恐らく入ってるってことだね。

今日の午前中の講義は単位落しても卒業には関係ないから午前中で書類を提出しよう」



午前中の予定の変更を決めたわたしは車のエンジンをかけて病院を出る。

最初に家に戻ってパソコンを開いてUSBメモリの中を確認する。

中にはそれぞれ証拠資料・証拠説明書・そしてそれらの説明したテキストファイルが入っていた。



「やっぱりそうだ。これをメモ書き通りに印刷すればいいってことね」



わたしはテキストファイルの中を見ながら証拠資料と証拠説明書を印刷する。

印刷し終わって部屋にあったクリアファイルにそれらを入れて車に戻り郵便局へと向かう。



「すみません、収入印紙をこの価格分ください」



わたしは郵便局の人にテキストファイルに書いてあった金額をメモした紙を見せて収入印紙を買った。



「これであとは警察署と裁判所に行けばいいね」



必要なものが全部そろったのでわたしは警察署と裁判所に行ってそれぞれに書類を提出する。



「書類は全部提出し終わった。

受理されたらそこからが本当の闘いになる。

そのときは全力で健くんのことを支えなくちゃ」



わたしは書類を提出し終わった後自分の気持ちを鼓舞して大学へと向かった。

誤字・脱字報告はお気軽にしてください。

確認次第修正を行います。


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