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クラスでぼっちの俺が生徒会長とギャルをクズ男から救ったら何故か惚れられてしまい毎日言い寄られるようになり、それを知った義姉が俺を取られまいと結婚を申し込んだせいで三つ巴の戦争が始まった。  作者: この山田は無鉛プレミアムガソリン専用仕様となっています。レギュラーガソリンの使用は故障の原因となるため絶対にお止めください。レギュラーガソリンの使用によって生じたいかなる損害も当社は責任を負いません。
6章 災いは突然に
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6-4-8 俺は姉に登校を止められる

もしかすると書き直すかもしれません。

朝。


起きてるか起きてないかといういわゆるまどろみの中でほどよい重さと暖かさを感じる。

こんな暖かさも悪くないがそろそろ起きないと間に合わない時間のはず。

そう思い目を開ける。



「!?」



すると目の前には姉が俺の上に乗っかっている光景が入ってくる。

何事かと思い体を動かそうとするが動けない。



「健くん、おはよう」



姉が耳元で吐息交じりに話しかけてくる。

俺はそれに構うことなく体を動かすがどうにもうまくいかない。




「動いちゃダメ」

「そういうわけにはいきません。学校に行かないと」

「ダメ」

「どうしてですか」



じたばたしながら姉に訊くと姉はその理由を話す。



「今日学校に行ったらまた健くんが傷つけられちゃう」

「俺はあんなので傷つくほどやわじゃないです。

傷つくというのはもっと精神的にかつ肉体的に追い込まれて」

「健くん!」



姉が突然叫ぶ。

俺はその声にびっくりする。



「気づいてないの?

健くん、目も顔も雰囲気も、何もかもボロボロで今にも壊れそうだよ」



俺は姉にそう指摘されるが俺には全くわからない。

不思議に思っていると姉が更に言葉を続ける。



「健くんは傷付けられることに慣れすぎちゃってもう感じなくなっちゃってるだけなんだよ。

でも慣れてるだけだから結局いつかは壊れちゃう。

今の健くんがその一歩手前の状態なんだよ」



俺が、壊れる?

そんなことは万が一にもありえないのに。

頭の中が疑問符で埋まりそこから言葉が出ない。

すると姉は俺が未だかつて言われたことがない言葉を言う。



「ねぇ健くん。健くんが傷ついたら健くんだけじゃなくてわたしも傷つくしお父さんもお母さんも心を痛めるんだよ?

健くんが傷つく姿を見て悲しむ人がいるんだよ?

そのことに気づいてよ・・・・・・・・・・・・わかってよ」



姉が涙を溜めて言う。

俺が傷つくと悲しむ人がいる。

姉のその言葉に驚きを禁じ得ない。



「もういやだよ。健くんがこれ以上傷ついていく姿なんて見たくないよ。

今日は行かないで。

健くんがこれ以上ボロボロになるのは嫌ぁ・・・・・・・・・・・・・」



姉がボロボロ涙を流す。

本当に俺は何もダメージを受けてなんかないのに。

そう思い起き上がろうとする。



「ダメ!健くん、今日は絶対行っちゃダメ。

行かせない」



すると姉が涙を流しながら全身を使って全体重をかけて俺を起こさせないようにしてくる。

俺は姉のその行動の必死さに観念し起き上がろうとするのをやめる。

すると姉はしばらく泣いた後肘を立てて体を少し起こす。



「・・・・・・・・・・・」

「わたしの気持ちをわかってくれたんだね」



姉が俺と顔の間が数cmという距離で言う。

俺は静かに少しうなずくと姉はそのまま俺の目を見つめながら黙っている。



「ひとつ聞いてもいいですか?」

「何かな?」

「どうして今になって俺が学校に行くのを止めようとしたんですか?」



俺が質問をすると姉はすぐに答えてくれる。



「昨日一緒に寝たでしょ?

その時健くんが先に寝ちゃったから寝顔を見てたの。

したらすごく苦しい、辛い、そういう顔をその時してたんだよ。

だからもうすでに健くんは心も体も限界が来てるんだって思ったの」



俺そんな顔してたのか?

寝顔を見られてしまって恥ずかしいという気持ちの前にそんなことを思い頭に少し衝撃を受ける。



「昨日は何の夢も見てなかったのですが」

「なら余計にだよ。

夢すら見れないくらいに疲弊してたんだよ。

ね、だから今日はもう休もう」

「・・・・・・・・・・そうですね。

どちらにしてももう今からでは間に合いませんし」



俺が時計を見て姉の提案に応じると姉も時計を見てあっ、という顔をする。



「そういえば学校に連絡しないと」

「そう、ですね・・・・・・しかし今からでは」

「とにかく言ってみるよ。

健くん、まだベッドから出ちゃだめだからね」



姉が念押しをして部屋を出ていく。

俺は姉の言いつけ通りベッドで待っていると数分して姉が戻ってくる。



「大丈夫だったよ。

今度からは早めにお願いしますって言われちゃったけど」

「大丈夫だったんですね。

そこまで厳しくなくてよかったです」

「そうだね。

そういうことだから健くん、今日はわたしの部屋でゆっくり休んでね。

わたしは今日は午前中に講義があって9時くらいに家を出るから。

家から出ちゃダメだよ?」



俺は姉の念押しにわかっていますと答えると姉は再度ベッドに入ってくる。



「?どうしたんですか?」

「ん?時間まで健くんと添い寝をって思って」

「はぁ」



姉が望むならと思い俺は姉と添い寝をする。

そして時間になると姉は講義に出るために家を出て行った。

その後俺は何も考えず姉のベッドで再度眠りについた。

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