6-4-3 俺は物量戦術で戦意喪失させようとする
「さてと」
家に帰ってすぐ俺は部屋の中にあるふすまを開ける。
そこに俺は全教科の教科書とそれ用のノートが何冊も積まれている。
「補充~補充~♪」
楽しそうにすることではないがあえて俺は楽しそうにしながらカバンに詰めていく
「あいつら、いくらパクったところで無駄なのに懲りずに盗んでるよな~。
あ、ハードディスクはどうかな?容量は・・・・・・・少し余裕があるな。
ま、一応交換しとくか。
俺はハードディスクを空いてるケースに入れてPCに接続する。
次に自作のソフトウェアを使って録画しながら動画の保存先を変更する。
その後接続したハードディスクに録画されていることを確認してハードディスクを抜く。
「よし、これは押し入れの中にっと」
俺は押し入れの中にハードディスクをしまう。
「物量こそが絶対正義だってことを思い知らせないとな。
何物も圧倒的な物量には勝てないんだよ。歴史が証明してる」
俺は独り部屋の中でそんなことをつぶやく。
ちなみに押し入れの中にある教科書は全て正規のルートで仕入れてきたものだ。
「それにしても、いくら補充しても盗むなんてなかなかに執念がすさまじいよな。
だが俺としては諦めるまで補充し続けるだけさ・・・・・・・・・
さ、勉強をするとしよう」
俺は教科書・ノート・ICレコーダーそしてPCを使って授業の復習をしていく。
で、いつものルーティンをこなして今日も眠りにつく。
+++++++
盗られては補充を2週間ほど繰り返した。
体育祭がどうだという時期の中、ついにクラスの連中はいくら盗んだどころで無駄と悟ったらしく教科書やノートを盗むことはなくなった。
ちなみに上履きや靴はカバンに入れていたため盗難されていない。
それもちなみにピッキングも破壊も困難な錠前そしてワイヤを使って柱にそれを括り付けて施錠するという徹底的な対策をしていたのだが。
だが今度は盗んでも意味がないと悟ったヤツらは今度は俺が目を離したすきにそれらに落書き等のイタズラをすることをし始めた。
内容は典型的な死ねやクズとかで全く面白みはないが。
で、俺は落書きされたノートや教科書等の紙類をわざと皆の前でゴム手袋で丁寧に扱って袋に入れてしまう。
ちなみに教科書やノートは盗られなくなってからは一切素手で触ってはいない。
そして俺の行動を見たクラス連中はヒソヒソと喋りだす。
「え、あいつ何?Mなの?」
「あたしたちが落書きした教科書をあそこまで丁寧に扱うとか頭おかしいの?」
俺の行動を見た全員がそう評する。
ふん、俺のこの行動の意味がわかるのはお前らが地獄が生ぬるいと感じる世界に行った後さ。
そう毒づきながら作業を進める。
「ふぅ・・・・・・・」
一息ついて新しい教科書を出すと周りから驚嘆の声が聞こえる。
「ば、馬鹿な一体どこから!?」
「バケモノかよあいつ・・・・・・・・・・・」
「何ちびってんだ!次があるだろう次が」
「次?そうか!」
俺は周囲のその会話を冷めた心で聞く。
あっフーンという、まさにそんな感じだ。
その会話を聞いた数日後何が盗まれ始めたかと言うと、衣服である。
制服、体操服が盗まれていったのである。
だがこれも結局これも物量にものを言わせたらヤツらはあっさりやめた。
もちろん次に落書きや汚されたりしたがそれも教科書と同じようにした。
というかヤツら、金を盗まない辺りは一応悪知恵働かせてるにしては頭は回ってるようだな。
なら罠を仕掛けて引っかかってもらうまでよ。
俺はトラッカーとカメラを仕込んだ盗まれてもいいそこそこ金の入った財布を何個か用意した。
そして体育の時間で着替えたときやトイレに行くときなどにわざとそれを見せつけるように制服やカバンのポケットからはみ出るようにして入れおいた。
あからさまに盗んでくださいといわんばりな感じで。
結局体育祭の直前辺りにヤツらはものの見事に俺の罠に引っ掛かりその財布を盗んだ。
「ふふ、これで言い逃れはできないぞ」
俺は財布のトラッキングログとカメラ映像をハードディスクに保存する。
ちなみにマルウェアやウイルス等の対策やファイアーウォールは二重三重にしているのでほぼその心配ない。
仮に破られても自動で対抗策を打つようにプログラムしてあるので大丈夫だぁ。
俺はこうやってちまちまとヤツらの犯す正義の名のもとに行われるイジメという名の数多の犯罪行為の証拠を集めていく。
しかしながら手段が手段なせいで金がすさまじい勢いで減っていくな・・・・・・・・・・・。
俺は金の減る速度を今更になって気にする。
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