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クラスでぼっちの俺が生徒会長とギャルをクズ男から救ったら何故か惚れられてしまい毎日言い寄られるようになり、それを知った義姉が俺を取られまいと結婚を申し込んだせいで三つ巴の戦争が始まった。  作者: この山田は無鉛プレミアムガソリン専用仕様となっています。レギュラーガソリンの使用は故障の原因となるため絶対にお止めください。レギュラーガソリンの使用によって生じたいかなる損害も当社は責任を負いません。
6章 災いは突然に
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6-1-7  俺と栗栖は課題を協力して片付けていく

本鈴が鳴って1時間。

俺と栗栖は黙々と課題を片付けていく。

ちなみに俺は自分の席で座ってしているが栗栖は俺の席の隣で課題をしている。

すると栗栖が俺に問題の解き方について訊いてくる。



「伊良湖、この問題の解き方がわかんない」

「栗栖にわからない問題があるのか?」

「アタシにだってわからない問題はあるよ。この問題なんだけど」

「ん?」



俺は栗栖が指さした問題を見る。

この問題は、英語か・・・・・・・・・・これはよくある引っかけの構文問題だな。



「これは実はこの構文になってて・・・・・・・」

「ああ、そういうこと。ありがと」

「俺で役に立てて何よりだ



俺は栗栖がわからない問題の解き方を栗栖に教えるのと同時に栗栖にも俺が分からない問題を教えてもらう。

本来なら2時限目が終わるくらいの時間になり疲れてきたため少し休む。



「ん?伊良湖、休むの?」

「ああ。少し疲れたから」

「そっか。じゃあアタシも休も」



俺が休もうと思ったところで栗栖も休むと言う。

栗栖は筆記用具を置いた瞬間椅子を動かして体をくっつけてくる。



「いーらーこ」

「お、おい栗栖、ここは学校だぞ」

「知らなーい」



俺の制止に構うことなく栗栖は更に体をくっつけてくる。

肩が触れ合うとかそういうレベルじゃなくべったりと。

すると栗栖はべったり体をくっつけたまま俺に甘えるように俺の名前を呼ぶ。



「伊良湖」

「どうした?」

「なんでもない」

「?」



俺は栗栖に名前を呼ばれ何かあったのかと聞くがなんでもないと言う。

何で名前を呼んだのかと思ったらまた栗栖に名前を呼ばれる。



「伊良湖」

「ん?」

「すき」



俺が栗栖の呼びかけに反応した瞬間栗栖が上目遣いをして不意打ちで言う。

す、好きって、こんなところで。



「ねぇ伊良湖。伊良湖はアタシのこと、好き?」

「・・・・・・・・す」

「す?」

「んんっ。好きだよ」

「それは女の子として?」



俺が栗栖の問いかけに答えた瞬間栗栖が間髪入れずに訊いてくる。

俺は一拍置いて栗栖のその問いに答える。



「人間として好きだ。

女性として好きかは・・・・・・・・すまん、正直まだわからない」

「むぅ」



栗栖が不満げな顔で俺の答えを聞く。

俺の答えに栗栖は納得がいってないようだ。



「これだけ告白しても伊良湖はまだアタシが伊良湖のことを好きじゃない可能性を疑ってるんだ?」

「そ、それは」

「そっか。わかった、ならもっとアタシの気持ちを信じてもらわないと。

伊良湖、ほら、こっち来て」



栗栖はそう言って俺の頭を掴むと自分の膝に俺の顔を押し付ける。

俺は咄嗟に離れようとするが栗栖にがっちりホールドされて離れることができない。



「どう?アタシのふとももの感触」

「そんなのいきなり求められてもだな」

「いいから答えて。どうなのアタシの膝枕?」

「・・・・・・すごく気持ちいい」



感想を言うと栗栖はうれしそうにする。

すると栗栖は突然俺の頭をなで始める。



「伊良湖、よしよし」

「同級生によしよしされるというのもなんか違和感が」

「アタシからされるの、嫌?」



俺の言葉に栗栖は少し暗い表情をする。

栗栖のその表情を見て慌てて俺は先ほど言ったことを取り消す。



「いや、そうは言ってない。

気分を悪くしたならすまない」

「なら本当は?」

「すごくいい」

「そっか」



俺が再度感想を言うと栗栖はうきうきと言った感じで俺の頭をなでる。

すると栗栖がクラス連中が俺にしていることについて謝罪をしてくる。



「伊良湖、イジメをなかなか止められなくてゴメン。

やめてとは言ってるんだけどどうしても止めてくれなくて」

「栗栖が謝ることじゃない。気にするな」

「でも伊良湖、つらいでしょ?みんなからあんな扱いされて」

「別に。前にも言ったと思うがああいうのは慣れてる」



俺が率直な言葉を口にすると栗栖は申し訳なさそうな表情をする。

しかし栗栖は俺の目をじっと見ると今度は不思議そうな顔をする。



「・・・・・・・・・・本当につらくないの?」

「最初からそう言ってるだろ」

「ああ、うん。そう、なの?」

「そうだ」



栗栖が無理やりという感じで納得する。



「・・・・・・・・決めた。

伊良湖、アタシ修学旅行からクラスのみんなが帰ったら言おうと思う」

「何を?」

「アタシは何があっても伊良湖の味方だって。

ちょっと気に入らないからってすぐにいじめをして、いくらやめろと言ってもやめようとしないあなたたちのような人間にはつきあえないって」

「おま、それは」

「アタシは決めたの。誰にも文句は言わせない。

例えそれを言っていじめのターゲットに加わったとしてもアタシはずっと伊良湖の味方でいるって、そう決めたんだ」



栗栖の強い意志のこもった目に俺はそれ以上何も言わない。



「伊良湖。アタシはアンタと一緒に行動するから、お互い辛いと思ったら言い合ったりしよう。ね?」

「あ、ああ」



俺が栗栖の言葉に返事し終わった瞬間教室のドアから教師が入ってくる。



「課題の進み具合は・・・・・・・・お前ら」

「あ」



教師と俺たちの視線がバッチリ合う。

数秒互いを無言で見た後教師が先に話し始める。



「お前らな、やるなとは言わないがやるならもう少し人目につかないとこでやれ。

で、課題はどのくらい進んだ?」



俺は即座に起き上がり栗栖は素早く元いた位置に戻って課題を教師に見せる。



「ふむ、もう半分近く進んだのか。さすがは定期試験上位の常連、というところか」

「?なぜそれを知っいるのですか?」

「だって掲示板に順位表が堂々と張り出されてるだろ。

嫌でも目に付くから名前だけは覚えてしまっていたのさ。

で、今日修学旅行に来ないやつがその順位表に名を連ねてる人間だとわかればおのずと、さ」



ああなるほど、と俺は教師のその説明に頷く。

教師は俺と栗栖の課題の進捗を詳細に見た後すぐに教室の出口へと向かう。



「ま、そのペースなら昼頃には終わるだろうな。

課題渡した先生も言った通り、それが終わって提出したら帰っていいから昼休憩までに終わるように頑張れよ」



そう言って教師は教室を去っていく。



「それじゃ、続きしよっか」

「ああ」



俺と栗栖はそう言って再び課題をやり始める。

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