6-1-3 俺と綾瀬先輩は意見を違える
朝。
いつもよりかなり早く出て学校に行く。
そして俺は自分の下駄箱・机そしてロッカーにカメラを設置する。
「さて、これなら誰もカメラがあるとは気づかないだろう。
最悪知らない誰かの手に渡ってもいいように改造してるし」
偽装工作もきちんとしたうえで仕掛けた後自販機へコーヒーを買いに行く。
「人生は苦いからせめてコーヒーくらいは甘くていい、なんて言葉もどこかで聞いたことがあるが・・・・・・・・・」
そんな一言をぽつりと言いながら缶コーヒーを飲む。
「っていうかまさか高校にもなってアレを使うことになるとは思いもしなかったな。
高校生にもなってムカついたからものを隠すとか恥ずかしくないのかよ」
俺は言ったところでどうしようもない愚痴を言いながらちびちびコーヒーを飲んでいく。
コーヒーを飲み終わりゴミ箱に捨てた後少し校内を散歩してから教室へと入る。
そしていつも通り授業を受け昼休み。
俺は久しぶりに食堂で昼メシ食うかと思いそこを目指しているとバッタリ綾瀬先輩と出くわす。
「あら」
「あ、綾瀬先輩。今日は食堂にも行くんですか?」
「いいえ。あなたを探してたの」
綾瀬先輩の言葉に俺は疑問を浮かべる。
なぜに俺をわざわざ探していたのかと。
すると綾瀬先輩は俺のその疑問に
「生徒会室で少しお話をしたいのだけれど。いいかしら?」
「何もしませんよね?」
「何もしないわ。信じて」
「・・・・・・・・わかりました。行きます」
「そう。ならついてきて頂戴」
俺は警戒しながら綾瀬先輩についていく。
そして生徒会室に一緒に入るとどこでもいいから座ってと言うので適当な場所に座る。
すると生徒会長は二つ、一つは小さい、もう一つは結構大きい、弁当箱を持って俺の前の席に座る。
「これ、お弁当よ」
「はぁ」
「食べてみてくれるかしら?」
「毒は」
「入ってないわよ!いくらなんでもそれは傷つくわよ」
「すみません、失礼なことを言いました。
それではありがたくいただきます」
「ええ」
俺は綾瀬先輩から受け取った弁当を食べる。
あ、うまい。
そう思いながら俺はあっという間に綾瀬先輩からの弁当を食べ終わる。
「おいしかったかしら」
「はい、おいしかったです」
「よかったわ。それじゃ昼休憩終わるまでお話ししましょう」
綾瀬先輩が話したいを言うので俺はうなずく。
「健一郎くん、あと1か月したら修学旅行だけれど楽しみにはしてるかしら?」
「修学旅行?ああ、そういえばそんなものもありますね。
すっかり忘れてました」
「人生における一大イベントと言っていいものを忘れてるというのはどうかと思うわよ・・・・・・」
「正直俺にとってはあんなのどうでもいいです」
俺が綾瀬先輩の言葉に反論めいたことを言うと綾瀬先輩は少し怒ったような顔で俺にその意味を言ってくる。
「健一郎くん。
修学旅行というのはみんなとの思い出を残す最大のチャンスなのよ。
それをそんなもので切り捨ててはだめよ」
綾瀬先輩のその言葉に少し俺はカチンときながらもそれを言葉に出さないように気を付けながら返す。
「俺には思い出なんて必要ありません。
俺にとって記憶とか思い出とか、そんなものはクソくらえです。不要なものです。
俺に本当に必要なのは・・・・・・・・・・・いえ、これ以上の議論は意味ありません。
この話はやめましょう」
俺が話を切り上げようとするが綾瀬先輩はやめようとしない。
「ダメよ。
健一郎くん、あなたには思い出を作ることの意味を知ってほしいのよ。
思い出と言うのはこれから人生を歩んでいったときにあんないいこともあったと、そうやって自分を励ましたり勇気づけたりするためにあるのよ。
だから健一郎くんには思い出をそんなもので切り捨ててないでほしいわ」
俺は綾瀬先輩のその言葉に虫唾が走った。
俺は綾瀬先輩のその後も続く言葉を聞き流しながら昼休憩を生徒会室で過ごす。
「あら、予鈴が鳴ってしまったわ」
「そうですね。俺はこれで失礼します」
「ええ、また」
俺は綾瀬先輩に挨拶をして生徒会室を出る。
そして教室に帰り次鵜の授業の教科書を出そうとしたら教科書がなくなっていた。
「・・・・・・・・・・・・・」
俺は心の中でノートに何もされてないだけましだな、とうんざりしながらつぶやき午後の授業を受けた。
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