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クラスでぼっちの俺が生徒会長とギャルをクズ男から救ったら何故か惚れられてしまい毎日言い寄られるようになり、それを知った義姉が俺を取られまいと結婚を申し込んだせいで三つ巴の戦争が始まった。  作者: この山田は無鉛プレミアムガソリン専用仕様となっています。レギュラーガソリンの使用は故障の原因となるため絶対にお止めください。レギュラーガソリンの使用によって生じたいかなる損害も当社は責任を負いません。
5章 文化祭と夏祭りと海水浴と
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5-5-3  俺は姉と整備をする

「さてと、まずは電装を調べないと・・・・・・・・・・・あ」



俺はそこで気づく。

トレーラーの電装はヘッドからコネクタを介して電力を供給しないと光らない。

つまりヘッドがない状態の今電装の状態を調べようにも調べることができない。


俺はすぐさまスマホを取り出し電話をかける。



「もしもし」

「もしもし健くん?今もしかしてさっき行った倉庫にいる?」

「はい。今から来れますか?」

「うん、行く!すぐ行くから待ってて!!」



姉は捲し立てるように言って電話を切る。

俺が倉庫内で工具を探していたら車が倉庫の前に一台止まる。



「お待たせ健くん」



キリッとした表情で颯爽と車を降りる姉。

そして俺に何をしてほしいか食い気味に訊いてくる。



「健くん、お姉ちゃんのこと呼んだよね?何をしてほしいの!?」

「え、えっとですね。電装の状態を調べるためにトレーラーを連結してほしいんです」

「わかった!すぐやるね!」



姉は素早く車に戻りトレーラーの後ろに車をつける。

そしてそこから以前とは桁違いの速さでトレーラーと車を連結する。



「それじゃ健くん、順番に点灯させていくね」

「はい、お願いします」



俺は姉に指示を送りながら電装のチェックをしていく。

するとやはり電球が切れていたりするので点灯しない電装をメモしていく。



「ブレーキが両方点かないですね。あと右側のスモールも」

「ならまずは電球を見てみないと」

「そうですね」



俺はトレーラーのコンビランプを両方取り外し電球が切れてるか見てみる。



「ああ、電球が切れてますね」

「電球は倉庫の中にあったりしない?」

「わかりません。探してみましょう」



俺は姉と一緒に替えの電球を探す。

しかしいくら探しても倉庫の中にはない。



「うちに帰らないとないですねこれは」

「そうだね。でも帰るのはPWCの交換する必要がある部品を調べてからだね」

「ええ。あ、姉さん。トレーラーを連結させた状態で前後に動かしてください」

「わかった!」



姉が車に戻りトレーラーを敷地から出ないように前後に動かす。

音を聞く限り足回りはどうやら大丈夫そうだ。

タイヤも一応まだ溝はある。



「えっと、姉さん、次はトレーラーを切り離してください」

「わかった」



姉が素早くトレーラーの連結を解く。

そしてパーキングブレーキを引いて効きを確かめる。

ん、若干効きが甘い。調整・・・・・・・いやもういっそブレーキシューも交換するか。



「トレーラーは一通り見終わったので次はPWCを」

「お姉ちゃんに手伝ってほしいことはある?」

「今は・・・・・・・・ないですね」

「そっか」



姉がしょんぼりした顔をする。

何故だか申し訳ない気持ちになりながらPWCの座席を外して中を見る。



「意外と中はそこまで汚くないな。ガソリンはどうか」



俺はガソリンタンクの中を見る。

中を見るとガソリンが入っていた痕跡がない。



「保管前にガソリンを抜いておいたのか?」



俺は中がそこまで錆びておらずきれいなガソリンタンクを見てそう考える。

でもつまりそれってまずガソリンを給油しないといけないということだ。



「姉さん、家に戻りましょう」

「え、もういいの?」

「ええ。ガソリンが入ってないので持ってこないことにはどうにもなりません」

「なるほど。それじゃ一緒に戻ろう」



俺と姉は車で家に戻り家の倉庫を探して電球・グリスガン・ブレーキシューそして携行缶を車に積む。

ガソリンスタンドで店員に身分証と使用目的を書いて携行缶にガソリンを入れて貰った後倉庫に戻る。



「さて、エンジンかかるか」



俺はPWCにガソリンを入れポンプを動かしてキャブレタまでガソリンを行き渡らせキルスイッチをつける。

セルを回そうとするがうんともすんとも言わない。



「バッテリか」



そう思い倉庫からバイクのバッテリとジャンプスタータを持って戻る。

一応エンジンオイルのタンク残量を見てから再度セルを回す。


キュキュキュ

パパパパパパ



「おお、かかった」



2ストロークエンジン独特の甲高い音が響く。



パーン パーン



スロットルを数回あおってエンジンの回転上昇がスムーズなのを確認してすぐにエンジンを切る。



「とりあえずエンジンはかかりましたね」

「そうだね。でもそれだけ見たら大丈夫なものなの?」

「いえ、やはり水上にいる状態でないとわからないことのほうが圧倒的に多いです、

今はとりあえず陸に揚げても調べられるところを一通り調べます」



俺は姉の質問にそう答えてエンジンの点検をし始める。

見れるところを全て見たが、エアクリーナとプラグ・バッテリ交換するくらいで大丈夫そうだ。

法定装備品も全部必要数あるのと傷み具合も問題ないことは確認した。


俺はPWCの点検をそこで切り上げトレーラーの整備に取り掛かる。



「姉さん、倉庫の中で作業をしますのでバイクと車を奥に移動させましょう」

「うん!」



外があまりに暑いのでこれ以上は危険だと思い日陰で作業を続けるためにそう言う。

姉と一緒にバイクと車を奥に詰めてトレーラーを再び車と連結してバックで倉庫内に入れる。

そしてPWCをどうやってトレーラーから下すか考えていると姉が待ってましたと言う感じで俺に困ってるのか訊いてくる。



「健くん、お困りかな?」

「はい」

「ならお姉ちゃんにお任せ!」



そう言って姉は車に戻りまた少しバックさせる。

そして車を降りてすぐ壁に掛けてあるコントローラらしきものを持つ。

姉がそれを操作すると上からフックが降りてくる。



「健くん、ワイヤがあそこにあるから取ってきて」



姉が指さして言うのでその方向を見る。

そしてその先にあったワイヤを持ってくると姉がPWCの船体に引っかけてフックに輪になっている部分をかける。

姉が再びコントローラを操作するとPWCが持ち上がる。

PWCを横に移動させ船底が地面に触れるくらいのところで姉は降ろすのをやめる。



「どう?すごいでしょ」



姉がドヤ顔で俺に言う。

素直にすごいと俺が褒めると姉がうれしそうにする。



「健くん、もっとほめてほめて~」



姉にねだられ俺は姉のことをもっとほめる。



「ふふ、ありがと」

「それにしてもクレーンの講習を受けてたなんて知りませんでした」

「お父さんにね、昔受けてこいって無理やり行かされて。まさかこうして役に立つなんて思ってなかったよ」



姉はしみじみとした感じで言う。



「それじゃ、トレーラーの整備を終わらせちゃお?」

「はい」



俺は姉の一言をきっかけに整備を始める。



+++++++++++++



「すっかり夜に」

「始めたの結局夕方差し掛かるころだったし、しょうがないよ」



あれから姉と協力してトレーラーを整備して、気づけば夜になっていた。



「お母さんからも帰って来いってメールも来てるからもう帰ろう」

「そうですね。今日はここで終わりにします。



俺は作業を終え工具を元に戻して姉の運転する車の後ろについてバイクで家に帰る。


シャワーを浴び夕食を食べ終え部屋に戻る途中姉に呼び止められる。



「健くん」

「何ですか?」

「今日はわたしのことを頼ってくれてありがとう」

「?」



俺は姉の言葉に首をかしげる。

あれは頼るというほどのことではなかったような。

そう思った矢先姉は首を横に振る。



「ううん。健くんが言いたいことはわかってる。

ただ適材適所だっただけだって言いたいんだよね。

それでも、健くんがわたしのことを頼ってくれたことがわたしはうれしいんだよ。

今まで健くん、わたしを全く頼ってこなかったから」



その言葉でこの前姉に言われたことを思い出す。

あれは姉が本心で言っていたんだな。

俺は姉にもう少し頼ってもいいかなとその時思った。



「だからね、これからもわたしに頼ってきてほしいな。

わたしはこれからももっと健くんの力になりたいの。だから」

「・・・・・・・・その時はお願いします」



俺は姉にそう答えると姉はうん!とうれしそうに言う。



「ねぇ健くん。突然だけどお姉ちゃんキスしたくなっちゃった。してもいい?」



姉が俺の返事に喜んですぐそんなことを聞いてくる。

俺もどうしてか姉とキスしたいとその時思ったのでいいですよ、と答える。

俺の返事を聞いて姉は俺の唇に軽くキスをする。



「ありがとう。それじゃ、お休みなさい」

「はい、お休みなさい」



姉が俺とキスをした後はにかみながらそう言って部屋に入る。

俺はその後自分の部屋に戻ってすぐ布団に入って目を閉じた。

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[一言] トレーラーのブレーキシューって何万するんだろう
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