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クラスでぼっちの俺が生徒会長とギャルをクズ男から救ったら何故か惚れられてしまい毎日言い寄られるようになり、それを知った義姉が俺を取られまいと結婚を申し込んだせいで三つ巴の戦争が始まった。  作者: この山田は無鉛プレミアムガソリン専用仕様となっています。レギュラーガソリンの使用は故障の原因となるため絶対にお止めください。レギュラーガソリンの使用によって生じたいかなる損害も当社は責任を負いません。
5章 文化祭と夏祭りと海水浴と
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5-4-6  俺は栗栖と綾瀬先輩に浴衣姿の感想を求められる。

「なるほど、クッションですか」

「そう、お母さんがね、クッションを使って乗ればある程度は運転しやすくなるからって」



そう言いながら3ペダルの車を浴衣を着て運転する姉である。

車のゴツさとの対比がすさまじい。

そして帯をよく見てみると結び目が変な位置になっている。



「帯の結び目位置ももしかして」

「そう。運転するときは帯の結び目をずらしておくといいってお母さんが」

「ですがそれ、降りたあとで直せるんですか?」

「直し方もちゃんと教えてもらったよ」



それなら問題ないな。

予定通りに駅近くの駐車場に姉が車を止め降りる。

乗るときもそうだったが車高が高いから降りるのも結構苦心している。



「ふぅ、降りれた」

「大変ですね・・・・・・・」

「うん、ここまで大変だとは思ってなかった。

ところで健くん、帯直すのを手伝ってくれない?」

「へ?あ、はい」



俺は姉に頼まれ帯を直すのを手伝う。



「ありがとう健くん」

「いえ」

「それじゃ、行こうか」



姉の帯を直し終え俺と姉は駅前へと向かう。



「まだ来てないみたいだね」

「そうですね」



なんだかんだで約束の時間の10分前くらいに俺と姉は約束の場所に着いた。

だが2人の姿はない。

まだ時間まで少しある始末かと思ったその時声を掛けられる。



「待った?」



駅入り口の方を振り向くと栗栖がいた。



「いや、今来たところ」

「そっか、よかった」



栗栖は俺の言葉にほっと胸をなでおろす。



「伊良湖は甚平なんだ?」

「ああ。姉さんが用意してくれたんだ」

「へぇ、結構似合ってるじゃん」

「お、おう。ありがとう」



俺は栗栖に着物姿を褒められ、素直に礼を言う。



「ふふ。ねぇ、伊良湖。アタシの浴衣姿、どう?」



すると栗栖は俺に浴衣姿の感想を求めてくる。

青っぽい色を基本とした派手な浴衣を着た栗栖の全身を見る。

金髪とのコントラストと服の色と柄がすごくマッチしていて素直にいい。



「栗栖らしくてかわいい」

「か、かわ・・・・・・・・・へへ、ありがと」



俺が率直に感想を言うと栗栖は照れた顔をする。



「栗栖さんにも言ったのなら当然私の浴衣姿にも感想を言ってくれるわよね?」



栗栖が照れてるところを見ていると突然綾瀬先輩が話しかけてくる。



「アイエッ!?」



俺はそれに驚き少し後ずさりする。



「健一郎くん、私の浴衣姿について感想を言ってほしいわ」



綾瀬先輩は突然現れたかと思ったらいきなり俺に感想を求めてくる。

俺はこの前のことを思い出し少しダークな気持ちになりながら綾瀬先輩の質問に答える。


綾瀬先輩の浴衣は黒ベースで控えめに柄がついた浴衣だ。

髪や肌の色と相まって美しさがより強調されるような格好だ。



「す、すごくきれいです」

「ありがとう、うれしいわ」



俺がなんとか短く感想を言うとニコッと笑って返す。


だがその瞬間殺気を感じ瞬間姉のほうを見ると目から光が消えている。

怖っ!



「ヒッ」



栗栖も殺気を感じたのか姉がいる方向を見る。

そして姉の目を見た瞬間、栗栖は恐怖に満ちた顔になる。



「い、伊良湖!お姉さんどうしてあんな目に」

「・・・・・・・・・・訊かないでくれ」

「わ、わかった」



栗栖が俺に姉の目から光が消えた理由を聞く。

だが俺がそう言った瞬間に察したのかそれ以上は聞いてこない。

そして俺が見てるのに気づいた姉は目の光を取り戻す。



「みんな揃ったし、お祭りの会場に行こうよ」

「はい」

「わかりました」



姉の掛け声に栗栖と綾瀬先輩が返事する。



「それじゃ、まずは市電に乗って近くまで行きましょう」



俺がそう言って路面電車の電停の方向に行くのに合わせて3人がついてくる。

そして俺達と目的地が同じであろう浴衣姿の女性と甚平姿が混じった列の後ろに並ぶ。

それから目的地最寄りの電停まで行く路面電車に全員整然と乗る。


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