5-4-4 私は/アタシは決意する
アタシは伊良湖のお姉さんからの電話を切った後アタシはベッドに倒れこみ沈んだ気持ちになる。
「伊良湖と二人きりで夏祭りに行きたかったのに・・・・・・・・」
まさかアタシが約束した後お姉さんや生徒会長も伊良湖と夏祭りに誘ってたなんて。
しかも同時に。
でも伊良湖には2人からの誘いは断ってほしかったなって本音では思ってる。
「でも生徒会長は結構強引なところがあるし、お姉さんも姉と言う立場を利用して押して押して結局OKを取り付けるだろうから結果としては変わらないか」
それでも・・・・・・・・・それでも。
アタシは伊良湖ともっといっぱい二人きりでデートしたいしイチャイチャもしたい。
最近は特に伊良湖と会う機会も少なくなってきてるから余計にそう思う。
「どうしたら伊良湖と2人きりになれるかな?」
アタシはベッドのなかでふとそんな考えが浮かび考えてみる。
バイクで2人乗りして日帰りか1泊ツーリング?
悪くないわね。走ってる間ずっと密着してるから伊良湖をドキドキさせられるし。
混浴温泉に入ってしっぽりと過ごして・・・・・・。
でも目的地に向かう途中でお姉さんが別のバイクで後ろからものすごいスピードで追いかけてきそう。
なら電車でもっと遠くの遊園地?
でもそれだと生徒会長が車で先回りしそう。
山でキャンプ?
アタシキャンプ道具持ってないしそもそもうちからだと山が遠すぎる。
そして二人が車でキャンプ地点の目の前まで来そう。
・・・・・・・・・・どうしよう。
どうしても他の2人が来るという予測しかできない。
そんなことを思ってたらドアからノックする音が聞こえる。
「どうぞ」
アタシがそう言うとお母さんが部屋の中に入ってくる。
「どうしたの?ベッドに潜って」
「いや、ちょっと落ち込んでて」
「もしかして健一郎くんに振られた?」
「違う」
「ならどうしたの?」
アタシは夏祭りに伊良湖を誘ったことやその後に他の人から約束が来て結局全員に行くことになったことを話した。
するとお母さんは驚いた顔をする。
「彼、そんなにモテるの?」
「伊良湖は学校じゃ全然モテないよ。学校ではぼっちだよ」
「そうなの?意外ね」
「だからアタシが伊良湖を好きになった時ライバルはいないと思ってた」
アタシの考えにお母さんは甘いという。
「麻衣、どんな人でもその人のことを好く人は絶対に2人・3人はいるものよ。
麻衣の場合はそれがたまたますぐ近くにそういう人がいたってだけのこと」
「それじゃアタシどうしたら」
「簡単さね。基本的なことだ。
その人、麻衣の場合は健一郎くんが誰と一緒にいたとしてもまだ付き合ってないうちはそれを許容すること。
その上で好きな人のことをとことん知り尽くして攻略して、そして誰といても自分のことしか考えないようになるまで惚れさせることさ。
麻衣ならできるよ」
アタシはお母さんのアドバイスに少し光明が見えた。
「お、麻衣いい目してる。
もうアタシの励ましは要らないみたいだね。
じゃあ夏祭りの日は楽しんできなよ。
あ、まだ付き合ってないんだから他の女とくっついてても嫉妬したらダメだぞ」
そう言ってお母さんは部屋から出ていく。
そうだ。
どんなことがあっても伊良湖のことを惚れさせる。
アタシは決意を新たにして夏祭り当日までの日を過ごした。
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