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クラスでぼっちの俺が生徒会長とギャルをクズ男から救ったら何故か惚れられてしまい毎日言い寄られるようになり、それを知った義姉が俺を取られまいと結婚を申し込んだせいで三つ巴の戦争が始まった。  作者: この山田は無鉛プレミアムガソリン専用仕様となっています。レギュラーガソリンの使用は故障の原因となるため絶対にお止めください。レギュラーガソリンの使用によって生じたいかなる損害も当社は責任を負いません。
5章 文化祭と夏祭りと海水浴と
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5-4-2  俺はトリプルブッキングの対処に苦慮する

8月中旬の昼下がり。

もうすぐ残暑だと言うのに未だ夏本番という暑さで家にいるだけでダレてしまいそうになる。

そんな中俺は課題が全部終わって時間が有り余っていたのでボートの免許を取りに行った。


それも昨日免許の交付が終わり練習走行もない今日、スポットクーラーを全開にして倉庫でバイク整備に勤しんでいた。


バイク整備もひと段落ついて工具を片付けて自分の部屋に戻った刹那スマホが鳴る。

電話の主は栗栖だ。



「もしもし」

「もしもし、今ヒマ?」



栗栖が食い気味に暇か訊いてくるので正直に答える。



「ちょうど今ヒマになったところ」

「マジ?じゃあさ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「おう、どうした?」



俺がどうしたのか訊くと少し間をおいて栗栖は今週末の予定を聞いてくる。



「今週末に祭り、あるじゃん?そこにさ、アタシと一緒に行かない?」

「え、祭り?あったっけ」

「あるよ!?知らないの!?」

「すまん、俺そういうの全く興味ないから」



俺の答えを聞いて栗栖は自身が行きたい祭りについて説明し始める。



「毎年この時期にね、街中にある神社でね、祭りをやってるんだよ。

そこに行かないかって聞いてるの」



ふむ。近くの神社である祭りね・・・・・・・。

ほとんど言ったことないし、いい機会だから栗栖と行ってみるか。



「わかった。行こう」

「え、いいの?やった」

「どこで待ち合わせする?」



俺が待ち合わせについて訊くと栗栖はすぐさま待ち合わせ場所と時間を指定してくる。



「じゃあ、駅前に午後5時に来て!」

「ん。わかった」

「絶対来てよ。じゃ」

「じゃぁな」



俺は栗栖と祭りに約束をして電話を切る。

するとすぐにまたスマホが震える。

かけてきた相手は綾瀬先輩だった。



「もしもし」

「もしもし。綾瀬です」

「あ、はい。何でしょうか」

「実はね、私と一緒に夏祭りに行ってほしいの」



綾瀬先輩、まさか。

そう思い夏祭りについて訊く。



「もしかして今週末にある街中にある神社である祭りですか?」

「そう。そこに一緒に行かないかしら?」



綾瀬先輩がさっき栗栖と行く約束をした祭りに行かないかと誘ってくる。

あの一件以来俺は綾瀬先輩のことが少し苦手になってしまい正直一緒に行きたくないと思っている。

しかも栗栖との約束もあるし、そう思っていると綾瀬先輩は



「健一郎くんは私と一緒に祭りに行ってくれるわよね?

17時に駅前で待ってるから。それじゃ、当日はよろしくね」



どうやって無理やり断るか考えるうちに綾瀬先輩は無理やり約束を取り付けて電話を切った。

なんでこういうときに限って無理やり約束するんだ!

そう思ってももう遅い。

綾瀬先輩はどんな手を使ってでも俺と祭りに行くだろう。


どうするか。

そう考えながら俺は再び倉庫に行き中の整理をして現実逃避をする。


そして時間は過ぎて夜。

もう寝ようかと思い布団に入ろうとした瞬間部屋のドアがノックされる。



「健くん。今いい?」

「え、はい。どうそ」



俺が入ってもいいと言うと姉が俺の部屋に入ってくる。



「健くん。今週末、お祭り行こ?」

「・・・・・・姉さんもですか」

「へ?」



俺は姉に今日栗栖と約束し綾瀬先輩にも無理やり約束を取り付けられたことを話す。

すると姉はあちゃー、と頭を押さえながら言う。



「トリプルブッキングしちゃってるんだね」

「そうです」

「でも、あの子までも約束してるとなると一緒に行かないわけには。

そうだ!被っちゃったなら全員と一緒に行けばいいんだよ!」



姉は悩むような顔をしたかと思ったら突然そんなことを言い出す。



「いや姉さん。それはどうかと」

「でも根本的な解決をするならそれしかないよ?」

「姉さん、栗栖や綾瀬先輩が何のために俺に電話をかけて約束したのかって考えてみてください」

「・・・・・・・・そうか。そうだ、わたしも同じ目的だった」



姉がぼけっとした顔になって答える。



「でも約束を同時に果たすには3人一緒に行くしか」

「それであの2人は絶対納得しないでしょうね」

「なら2人に無理やり納得してもらうしかないね」



姉はどや顔で言うが俺はそんなのは無茶苦茶だと言う。

だが姉が頑として引かない。



「わかった、お姉ちゃんが明日あの2人に話付ける!」

「姉さん、それだけはダメです。

これは俺が解決しなきゃいけないことです」

「いいから。この話はわたしに任せて。

というわけで健くん、一緒に寝よ」



姉はそう言って俺の布団に入ってくる。

俺はもうどうにでもなれと荒んだ気持ちになって布団の中に入る。



「健くん、今週末はわたしたちとのデート、楽しみにしててね。それじゃおやすみ」

「・・・・・・・・お休みなさい、姉さん」



ただただ不安しかない中俺は無理やり眠りについた。

というか姉は何で自然に俺の布団で寝てるんだ。

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