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クラスでぼっちの俺が生徒会長とギャルをクズ男から救ったら何故か惚れられてしまい毎日言い寄られるようになり、それを知った義姉が俺を取られまいと結婚を申し込んだせいで三つ巴の戦争が始まった。  作者: この山田は無鉛プレミアムガソリン専用仕様となっています。レギュラーガソリンの使用は故障の原因となるため絶対にお止めください。レギュラーガソリンの使用によって生じたいかなる損害も当社は責任を負いません。
5章 文化祭と夏祭りと海水浴と
110/214

5-3-10  私は彼とベッドを共にする

夜。



私たちは入浴を終えて部屋に戻った。

夜にはなったけど寝るにはまだ早い時間。

なのでもう少し勉強しようと健一郎くんに提案する。



「まだ寝るには早い時間だし、もう少し課題を進めましょう」



私が提案した瞬間に健一郎くんは勉強机に課題を出して一心不乱にやり始める。

それも何かにとりつかれたように。



「健一郎くん、わからないところは」

「ありません」



健一郎くんは私に何も質問することなく黙々と進めていく。

昼間とは全く違う様子に私は激しい戸惑いを感じる。


一体どうして数時間でここまで彼は変化したの?

私は理由がわからないままその様子を見ながら課題を進めていく。



「ん、もう時間も時間だしそろそろ寝ましょう?健一郎くん」

「わかりました」



私の一言で健一郎くんはスパッとやめる。

そして私たちは手早く寝るための準備を済ませる。



「健一郎くん。私のベッドの中へいらっしゃい」



部屋に戻り私が先にベッドに入った後で自分のベッドに健一郎くんを呼び寄せる。



「いえ、俺は床でもいいです」



健一郎くんは部屋の真ん中に立ったまま私の呼びかけにそう言って応じてくれない。

なので私はベッドから起き上がり彼の手を取ってベッドへと連れていく。



「遠慮しないでいいのよ。ほら、ベッドで寝ましょう?」



私は健一郎くんをベッドのそばまで連れていき私のベッドで寝るように促す。

すると彼は促されるがまま私のベッドで横になる。



「それじゃ、寝ましょうか」



彼の隣に行き私はそう言って電気を消す。



「お休みなさい、健一郎くん」

「お休みなさい」



健一郎くんはそう言って眠りにつく。

私も寝ようと思い目をつむる。


しかしそれから2時間。

彼が隣にいると思うとどうしても意識してしまい私は未だ寝付けない。



「・・・・・・・・・」



ふいに私は彼のほうを見る。

目の前には彼の寝顔がある。

じっくり見るとなかなかにいいわね。

でも私は横目に見るだけでは物足りず彼の寝顔をよく見るために少し体を起こす。



「こんなにもかわいらしい寝顔してるのね」



私はそんな感想を漏らしながら彼の寝顔をじっと見つめる。

そして私は彼の頬をそっとなでる。



「健一郎くん。どうしていつまで経っても私の好意を受け取ってくれないのかしら」



私はふいに本音を漏らす。


私は彼に好かれようと様々なことをしてきた。

肉体的な接触も出来る限りして意識してもらおうとしたし彼の好みを知ろうと色々聞いて服を買ったりもした。

その努力を彼は見てくれて喜んでくれたり褒めてくれたりはしてくれる。

でもその言葉にはどこか社交辞令のような感じが抜けきれない。


いつになったら健一郎くんは本当の意味で私のことを褒めたりしてくれるのか。

そしてどうしたら私のことだけを見てくれるようになるのかしら。

そう思って彼の体に抱き着いたその瞬間彼の腕にものすごい勢いで体をはねのけられる。



「・・・・・・・・!」



健一郎くんは素早く私の上に乗りにらみつけるように私のことを見下ろす。

同時に彼は私の両腕をベッドにめいいっぱい押し付けて私が動けないようにする。



「!?あっ・・・・・す、すみません。綾瀬先輩」



健一郎くんが今私に何をしているのかに気づきすぐに力を緩めて謝罪をする。



「え?あ、私こそごめんなさい。寝込みを襲うような真似をして」



私は彼の謝罪の言葉に自分にも非があると言うと彼は首を横に振る。



「いえ。俺が全面的に悪いです。危うく綾瀬先輩をケガさせるところでした」



健一郎くんはそう言って自分の行動について反省する。

謝ってくれたのはいいのだけどどうしてあんな行動を?

私はそれがわからなかったため彼にどうしてあんなことをしたのか訊いてみる。



「健一郎くん、どうして私にこんなこと」

「・・・・・・・・それは今はまだ言えません」



私の質問にやんわりと答えたくないと拒絶する健一郎くん。

でも察するに彼の過去に何かあったからああいう行動をしたのだろう。

今の状況じゃまだそれを訊くことはできないだろうと思い私はそこで彼へ質問するのをやめる。



「そう、わかったわ。私は少し離れて寝るわね」

「いえ。やっぱり俺は床で」

「ダメよそんなの。私のベッドで寝なさい」



私は彼が床で寝ると再び言い出したのでそれを止める。



「・・・・・・ならどうすれば」

「答えは一つよ。もう一度このまま寝ましょう」

「それでは」「いいわね?」

「・・・・・・・・・はい」



健一郎くんは再び納得してベッドに横になる。

私は彼と少し距離をとり彼が再び寝たことを確認してから目をつむった。

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