3、突き抜けたキャラって敵でもファンがつくよね
シャルロッテ・フリーレンは“ラスボス令嬢”とファンの間で呼ばれるに相応しい悪女だった。主人公編入時には既に、第一王子の婚約者であり侯爵令嬢という立場を最大限に活用して学園を支配していた女王様。第一王子に対して愛はなく、欲しいのは王妃という立場だけ。素直で実直な第一王子は彼女の掌で踊らされているという。
あれ? このゲームってRPGだっけ? と思わせるレベルのラスボスっぷりであり、故にファンも意外といた。この手のキャラクターはコアなファンが付く。
どのルートを選ぼうが、シャルロッテの企みを阻止しなくてはならないので、必ず主人公とシャルロッテは対峙する。裏を返せばシャルロッテはバッドエンドでなければ必ず失墜するのだ。
(そうそう、ジュリアンをクリアしないと隠し要素出ないからプレイしたけど、苦労したんだよなー)
メインストーリーであるはずのジュリアンルートは難易度が初期メンバーの中で最も高い。理由は簡単。ラスボス令嬢ことシャルロッテが本気で邪魔をしてくるからだ。選択肢を間違えると死に直結することさえあった。
しかし、そんなシャルロッテになった今としては、そんな大それたことしたくはない。前世で満足に生きられなかったのだ。今世では幸せな最期を迎えたい。
「現段階でジュリアンさまとは婚約済みか……」
あの馬鹿……もとい素直過ぎる王子と一緒になるのはなかなか心労も絶えなそうである。
ここまで散々に言っているが、シャルロッテも彼の魅力を重々承知している。外見は言わずもがな、まっすぐで正義を重んずる彼は民から見れば眩しい存在だろう。実際御年11にして積極的に政を学ぶ姿は未来の聖王と持て囃されているらしい。
だが彼はまっすぐすぎる。王という立場は他者を信じるだけでは駄目なのだ。むしろ疑って生きるぐらいでなければならない。賢王と呼ばれる現王が安泰な内は問題ないだろうが彼の目が届かなくなったらどうなることか。
実際、ゲームでは王の目の届きにくい学園でシャルロッテに操られてしまっていたのだ。シャルロッテが悪巧みを辞めたとしてもいいカモであることに変わりはない。
「元々前の記憶でも好みじゃないのがなぁ」
とはいえあくまで侯爵令嬢に過ぎないシャルロッテでは婚約をどうにかする方法はない。むしろゲームでいう主人公に簒奪して欲しいくらいである。それはそれで婚約破棄をされたという傷が残るが。
「とりあえず、当面は学園入学まで勉強することと……我儘言わずに大人しくすることだな」
対外的には今回の襲撃事件で深く反省したことにしよう。そうシャルロッテは決めて、やっとベッドへ潜り込んだのだった。
ちょっと短めですが区切れが良いので




