第6話[イケメン転校生現る]
保健室までたどり着いた直江。
ふと、友人の守の言葉を思い出していた。
この学校の学食、世界的に有名な料理人が作っているらしいよ。
確かに美味かった。
隣にいる妖精のリリアも大絶賛していた。
流石、世界的に有名な料理人だ。
てことは、保健医も世界的に有名な人なのだろうか?
直江は期待して扉を開けた。
「何よ。」
こちらを睨む少女。
直江の少女を無視してベッドに恭子を寝かせた。
「ちょっとどうしたのよこれ。」
恭子を見るなり少女が騒ぎだす。
まあ、子供には刺激が強すぎるかも知れないな。
直江は少女の背の高さまで膝を曲げお母さんは何処かと尋ねる。
すると…。
ビンタされた。
ものすごい力で。
直江の頬に手形がつく。
「今から手当てするから、達子と蛇乃を呼んできて。」
そう言う佐渡に直江が言う。
「コラ、これは遊びじゃないんだよ。勝手な事してないで、早くお母さんを呼んできて。」
佐渡は直江を睨む。
直江は小さい悲鳴をあげ、ビンタされた頬を抑えた。
「うるさい。保健医は私だ。わかったらさっさと行け。」
少女とは思えない迫力に直江は、はいと返事をして保健室を出た。
隣にいる妖精のリリアに愚痴を零しながら達子と蛇乃を捜す。
「ちょっと待ってよ直江、直江は二人の事を知ってるの?」
立ち止まり、知らないと答え頭を抱えた。
だが待てよ。
蛇乃という名前は聞いたことがある。
「そうだ、世界最強の女子高生。」
そう叫ぶと、直江は走りだした。
そんな直江をリリアが止める。
「その世界最強の女子高生の顔は知ってるの?」
再び立ち止まる直江。
いや、知らない。
だが、どんな人物なのかは想像できる。
目の前でふわふわと浮かぶリリアに、直江は蛇乃の人物像を話した。
「いいか、よく聞けよ。世界最強の女子高生と言われるくらい何だから二メートルは身長があるはずだ。後、筋肉もすごい。ムキムキだ。その人物を捜せばいい。」
そう言うと直江は再び走りだした。
呆れながらも直江について行くリリア。
直江が言っていた特徴、最強少女魔七ちゃんって漫画の主人公と特徴一致してたわ。
ため息を吐きながらも、もしかしたらと思いながらリリアも直江と一緒に蛇乃を捜す。
途中、蛇乃とすれ違った事も分からずに。
授業が終わり達子に帰ろうと声をかけたが断られてしまった蛇乃は恭子を捜し回っていた。
一度、下駄箱を見て見たが靴は無かったので道場かなと思い向かってみたが居なかった。
もう帰ろうと思った蛇乃だったが、玄関に恭子の靴があったので校内を捜す事にしたのだが…。
見つからない。
「あの靴、恭子のじゃないのかしら?達子が怪しい行動してるから恭子と作戦会議しようと思っていたのに。」
そう呟くと、蛇乃は自動販売機が置いてある所へ向かう。
お茶を買い、落ち着いて達子の事を考える。
今日は何故、一緒に帰ってくれなかったのか。
今まで、用事があるって断られた事はある。
だが、その時と今じゃ様子が違った。
つまり嘘をついている。
私の誕生日はまだまだ先だし、友達記念日でも無い。
男かと考えたがそういう浮ついた話し、私が気づかない訳が無い。
第一、達子は付き合っても無いのに二人きりでデートする子じゃない。
考えられるのはあいつ関連か。
鬼頭達也。
あの忌々しいゴキヤが達子を買い物か何かに誘ったんじゃ無いだろうか?
それなら納得できる。
くっ、早くあのゴキヤを駆除しなくては…。
そんな事を考えている時だった。
放送で自分の名前が呼ばれる。
「蛇乃さん、好きです。放送室で待っているので返事を下さい。直江より。」
蛇乃の表情が歪む。
今まで異性に告白された事は多々あったが、こんな告白をされたのは初めてだ。
ましてや校内中に流れている。
いい迷惑だ。
このまま帰った事にしよう。
そう思った蛇乃だったが…。
「馬鹿直江。告白してどうすんのよ。」
「こうでもしないと貸してくれなかったんだよ。」
何やら放送内で揉めている。
「だからって告白しないでよ。てか、直江のタイプって筋肉ムキムキの二メートル越えの子なの?」
「馬鹿野郎。俺は見た目で判断しない。性格重視だ。」
蛇乃はゆっくりと立ち上がり、ペットボトルのお茶を飲み干した。
「性格悪いかも知れないじゃん。それに見た目で判断しないって言うけど、おっさんみたいな顔してたらどうするのよ?」
「おっさんって、そんな奴いないだろ。いや、世界最強だからあり得るのか…。うむむ、それでも好きになったら愛してみせる。」
空になったペットボトルを潰し、蛇乃は放送室へ向かう。
二人を殺しに。




