第4話[差異恭之助]
カラオケ店に着き恭子のテンションは更に上がる。
初めてのカラオケ店、初めて入る部屋、初めて見るデンモク。
全てが初めてでワクワクが抑えきれない。
「ジュースとってくるよ。」
そう言って達子が恭子に何を飲むか尋ねる。
「あっ、いいよ。私も行くから。」
そう言って恭子はリュックから財布を取り出した。
それを見た達子と蛇乃は顔を見合わせた。
きっと、貴重品だから持って行くんだよ。
そう蛇乃に耳打ちして蛇乃もそれに納得する。
一瞬、二人はドリンクバーを知らないのかと思ってしまったが、部屋に誰も残さずみんなでドリンクバーを取りに行くのなら貴重品を持って行くのも頷ける。
達子と蛇乃も財布を持って、三人でジュースを取りに行く。
「いやー、歌う前に飲み物を買いに行くなんて知らなかったわ。確かに歌ってたら喉渇いちゃうしね。これもカラオケのルールみたいなものなの?」
それを聞いた二人は再び顔を見合わす。
あっ、やっぱりドリンクバー知らないんだと思う二人。
達子が恭子にドリンクバーを説明しようとするが、それを蛇乃が止める。
「別にルールってわけじゃないけど、私達は先にドリンクを取りに行くわ。他の人もそうなんじゃないかしら。」
そう言って蛇乃は恭子に答え、達子に耳打ちをする。
「どうせもうすぐドリンクバーに着くんだし、その時に教えてあげよ。恭子は多分、口より見て説明する方がいいと思うの。」
わかったと言って頷く達子。
少し進んでドリンクバーのある場所に着いた。
だが、ドリンクバーを知らない恭子は通り過ぎようとする。
慌てて恭子を呼び止める二人。
「あんたねぇ、私達が立ち止まってるんだからあんたも立ち止まりなさいよ。」
そう言って恭子を責める蛇乃。
「ごめんごめん、はやくカラオケがしたくて、つい…。でも、先に自販機に行って達子と蛇乃のジュースも買おうと思ってたのよ。カラオケに連れて来てくれたお礼のつもりで。」
そんな恭子に蛇乃はドリンクバーの機械を指差した。
「ジュースはここで取るの。」
蛇乃がそう言うと達子がドリンクバーの使い方を説明した。
驚く恭子。
そんな恭子の背中を蛇乃が押す。
「ほら、次はあんたがやってみなさい。」
グラスを取って、飲みたいドリンクのボタンを押す。
グラスにジュースが溜まっていき、恭子はボタンから手を離す。
「ねぇ、この量だといくらなの?」
達子が受付で飲み放題も付けている事を恭子に説明する。
「えっ、カラオケってジュース飲み放題なの?後から泥棒とか、食い逃げとか言われない?」




