第4話[差異恭之助]
「やだ、行きたい。」
そう呟き目に涙を浮かべる恭子。
「でも辛そうな顔してたし…。私達に気を使わなくていいんだよ。」
そう言って恭子をなだめる達子。
その隣で面倒くさい事になりそうだと思う蛇乃。
案の定、恭子は泣き出してしまった。
「やだ、行きたい行きたい行きたい。」
泣きながら駄々をこねる恭子にそれを見て驚く達子。
そして蛇乃は引いていた。
「恭子ちゃん、どうしたの?わかったから、ちゃんと行くから落ち着いて、ねっ。」
恭子をなだめる達子にため息を吐く蛇乃。
恭子が辛そうな表情を浮かべいた訳は大方見当がつく。
中学の時友達がいなかった事を思い出していたのだろう。
それを気づかないフリして達子に話しを合わせてみたが、まさか泣き出すだなんて…。
仕方がないので蛇乃は達子にその事を話した。
「何で早く教えてくれないの。もう、意地悪ばかりして、そうなの恭子ちゃん?」
うんと呟き恭子は先程思い出していた話しを二人にした。
その話しを聞いた達子が怒りだす。
「酷いよ。恭子ちゃんがかわいそうだよ。ああ、恭子ちゃんが私達と同じ中学だったらよかったのに。」
そう言って恭子を抱きしめる達子。
いつもなら嫉妬する蛇乃だが、流石に今回は何も言う気が起きない。
よくありそうな話しだけど、何だか恭子が言うと一段とかわいそうに思えてくるわ。
恐らく普段明るいからなんだろうけど…。
うーん、修学旅行の班決めとからどうしていたのだろうか?
気になった蛇乃は恭子に気を使いながら聞いてみる事にした。
「ちなみにだけど…。修学旅行の班決めとかは…。あっ、嫌なら無理して言わなくていいからね。」
少し落ち着きを取り戻した恭子は鼻をスンスンと鳴らし答えた。
「余ったけど…。黒板の前まで連れて行かれて先生に誰か恭子を班に入れてやれって、だけど誰も手をあげてくれなくて…。恥ずかしくて…。」
二人は固まった。
空気が重い。
蛇乃の目からうっすら涙が浮かぶ。
達子は泣いていた。
「あはは、ごめん。嫌な事聞いちゃって。ほら達子、カラオケに行こうか。」
うんと元気なく返事を返す達子。
そんな中、憧れのカラオケで恭子はテンションを上げ元気になっていた。




