第11話[ナラクノハナ]
いつからだろう。
蛇乃は過去を思い出す。
小学生だった頃、私はイジメられていた。
まだ幼かった私は、達子さえ居れば良いと思い、クラスの子達と仲良くしようとはしなかった。
遊びに誘われても無視をし、達子を誘おうとすれば睨む。
当然、クラスメイト達からは嫌われ、イジメへと発展してしまう。
それでも私は動じない。
達子さえ居れば他が騒ごうが気にしない。
椅子を隠されれば隣の席の子の椅子を奪い。
教科書に落書きされれば授業中、先生に言う。
靴を隠されたのなら職員室の電話を借りて親を呼ぶ。
両親は私に甘いので、学校側に色々言ってくれた。
だが、この行動が後に達子を苦しめてしまう事となる。
ある日、いつもの様に達子に帰ろうと声を掛ける。
「ごめん。先生に言う事あるから先に帰ってて。」
そう言われ、私は一人下駄箱へ向かう。
達子を驚かせてやろう。
私は身を隠し、達子の用事が終わるのを待つ。
どの位待ったのだろうか。
かなりの時間は経過した筈だ。
夕陽に照らされながら、達子が来るのを待つ。
しばらくして、クラスメイトの三人が達子の悪口を言いながら、靴を履き替え、玄関を出て行く。
そしてその後に、目を赤くし涙を拭う達子が現れた。
私は達子に声を掛ける。
「蛇乃。もう大丈夫だよ。蛇乃をイジメないって約束してくれたから。だから…。」
達子は私に泣きつき謝った。
気づいてあげられなくてごめんと。
辛かったよねと言ってくれた。
私は別にイジメられた事は気にしていなかった。
だけど、達子が私を守ってくれた事が嬉しくて、とても愛おしかった。
だけど、結果的に達子が私の代わりにイジメられる事となる。




