第8話[平和な日常]
「誰を殺せばよいのですか。」
常郷家に産まれた時雨にとって働くという事は人を殺す事。
それを思い出したデタラメ学園の校長は慌て始めた。
人を殺すのでは無く教師として今まで培って来た技術を生徒に教える。
そう説明して、校長は時雨の手をとった。
「君の手は人を殺す為に存在しているのでは無い。守る為に存在しているのだ。」
校長の言葉は時雨には響かなかった。
憎しみ、復讐心。
それらに囚われた時雨には何一つ響かなかった。
校長は時雨の手を離す。
時雨の目を見て何も響いてない事を理解した。
だが、今はそれでいい。
時期に分かる。
デタラメ学園に在籍している教師、通ってくれている生徒達。
全て優しくいい子達ばかりだ。
彼ら、彼女らと接していれば命の大切さも分かる筈だ。
この日、時雨はホテルに泊まる事になる。
校長は翌朝、迎えに来てくれるという。
初めてのテレビに初めてのシャワー。
人通り校長から使い方を教わったが、見慣れない物ばかりで緊張する。
緊張し過ぎたせいかトイレに行きたくなる。
初めて洋式トイレを使用する。
用を出し、レバーを捻り水を流す。
今まで時雨はぼっとんトイレを使用してきた。
洋式トイレみたいに色んなボタンが無い。
そんな時雨の前におしりというボタンがある。
これがどういう物なのか気になって仕方がない。
おしりがどういう形で出てくるのだろうか?
絵の通り、噴水みたいにおしりが出てくるのだろうか。
想像すると面白く。
クスリと笑ってしまう。
そして時雨はおしりのボタンを押した。
ノズルが出てくる。
時雨はワクワクしながらそれを見る。
ビューッと勢いよくノズルから噴射する水。
時雨はその水を被り尻餅をついた。
「何だコレは新手の忍術か。」
時雨はクナイを構え洋式トイレを警戒する。
水がいつまでも噴射し続ける。
時雨はクナイをしまい焦る。
壊してしまった。
顔を真っ青にしてホテルの従業員を捜す。
そして、トイレのおしりボタンの事を話し、時雨は謝った。
今まで変わったお客さんを見てきたベテラン従業員だったが、洋式トイレのウォシュレットに騒ぐお客さんを見たのは初めてで驚いていた。




