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【連載版】氷の騎士団長からの求婚〜補佐官に溺愛は不要です〜  作者: 漆原 凜


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朝執務室に行くと普段通りの団長がいた。やっぱりからかわれたんだ!と思い、いつも通り仕事をした。


「カレン嬢少しこちらに来てください。」


帰ろうとしたら少し不機嫌な団長に呼びとめられる。美形の不機嫌は怖い。少しずつ朗らかな態度になっていたのに今日の団長は表情筋が仕事をしていない。


「持ち帰った結果どうでした。婚約してくれますか?」


「…からかったのでは?」


「大真面目です。」


「…詐欺?」


「何のですか…」


不機嫌そうに眉をよせ額に手を当てている。わからないが詐欺でもなければ何だというのだ。


「あ、偽装?!」


「違います。好きだと伝えましたよね。」


「え…本当に…」


え?本気なの?本気で言っていると気づいた瞬間顔が赤くなる。赤くなったのを見逃さなかった団長はグイッと近づき手を取った。


「そんな可愛い顔を見せてくれるって事は期待しても良いですよね?」


団長が手を取りながら詰め寄ってくるので私はジリジリと下がってゆく。トンッと壁に当たる。部屋の隅まで来てしまった。逃げ場が無い。


「カレン嬢愛してます。」


さっきまで不機嫌な顔をしていたのに、ニコッと綺麗な顔で微笑みかけてくる。逃げられる気がしない。いや、逃げたい。


「…善処します。」


お願いしますと微笑み解放された。




ーーーーー



善処してみると言ったものの微笑んでくれる団長は素敵なのだが、お兄様としか思えない。どうしよう。


昨日は恥ずかしくて赤くなったが男性に言い寄られるのが初めてで戸惑っただけだと思う。あんな美貌に迫られると全人類照れるよ。


んー断ろう。逃げると決めた。


早い方がいいと思い、やはりお断りします!と朝一で伝えた。空気が氷点下に落ちた。真っ青な顔をしてなんで?とか、え?って言っていた。居た堪れなくてすいませんと頭を下げその場を逃げた。


その日から団長がまた氷帝となった。笑わない喋らない。あんなに微笑んでくれてたのに、初対面の時に戻ってしまった。なんとなく寂しい。


断られた相手がいると団長が嫌かな。部署変えて貰えるよう問い合わせた方がいいのかな…でも会えなくなるのは嫌だな。でも断ったの私だしなとグルグル考えながら歩いていると、あれ?カレン?と声をかけられた。


あ!久しぶり!嬉しくて抱きつく。


その瞬間周りが急に氷点下になる。え?と思い振り向くと、団長がいた。私は手を引っ張られて連れて行かれる。


「団長!どうしたのですか?何か不備でもありましたか?!」


手を引っ張られているため、バタバタと走りながらついて行く。早い。足の長さが違いすぎる。


バタンっと部屋に入る。


「…私の事は断るのに、あの男性には抱きつくの?嫌なところ直すので私にしてください。」


あの、団長…と説明しようとしたのに、好きなんですとギューと抱き締められる。めっちゃ良い匂いがする。何この状況。


「あの!あれ兄です!」


団長の時がとまる。




ーーーーー











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