第80章 - 決戦
※本話には激しい戦闘描写が含まれます。苦手な方はご注意ください。
「ヴォルフクラウ、攻撃開始!」とクレントが叫んだ。声が埃と咳と黒い霧の毒々しい囁きを切った。「全力で!」
言葉がためらいの瞬間から広場を引き裂いた。
スマラグドは周囲ですべてが再編されるのを感じた。穏やかにではなく。綺麗にでもなく。だが決然と。後ろで土壁の向こうにまだ人間が咳いていた。上で天使スライムが治癒の雨を保っていた。目の前に悪魔スライムが剣を掲げて立っていた。次に誰を壊すか考えているかのように。
クレントが両親指で双剣のルーンに触れた。
鋭い電気的な爆ぜが鋼と手首を走った。
そしてほとんどいなくなった。
消えたのではない。ただあまりに速くて、一瞬人間よりも稲妻に見えた。白青の線が石畳を走り、破片と板と裂けた布を跳び越えて悪魔に直射した。
悪魔が一歩踏んだ。
たった一歩。
鮮やかなピンクの水たまりのど真ん中に。
水たまりがぶくぶく言った。
小さく、悪意のある馴染みの音。
ピンクのぬるぬるから声が飛び上がった。憤慨と好戦が同時に。
「一万影分身の術!」
水たまりが跳ね上がった。
形のない塊としてではなく。スライムとして。忍者スライムとして。鮮やかなピンクで、体格に対してあまりに誇らしげで、今は目に見えて怒っていた。水たまりから這い出る間にもう悪魔の周囲に分身がちらつき始めた。
十ではなく。
二十でもなく。
至る所。
屋根の縁に、窓の桟に、壁の出っ張りに、崩れた屋台の残骸に、傾いた板にさえ半壊した梁にさえ、突然小さな忍者スライムが同じ集中した姿勢で座っていた。小さな腕。小さな暗い覆面。小さな命がけの真剣さ。
雹が始まった。
手裏剣があらゆる方向から走った。
短剣が埃と霧の中で銀色に閃いた。
煙玉が石畳で弾け、密な灰色の雲を巻き上げた。悪魔のヴェールと混じって視界を切り裂いた。屋根の縁の間をピンクの影が走り回った。悪魔が一方向を捕えたと思うたびに次の攻撃が別の方向から来た。
本物の忍者スライムが浅い弧を描いて上に跳び、空中で一回転して叫んだ。
「雷風玉の術!」
小さな手の間に振動する球が凝縮した。風がその周りに集まり、埃と飛んだ破片を巻き上げ、螺旋にして空気を叩いた。中で青い稲妻が暴れていた。瓶の中の獣のようにきつく閉じ込められて。
忍者スライムがこの球を悪魔の顔に直接押し込んだ。
衝撃が黒い姿の頭を後ろに弾いた。
風が爆発した。
稲妻が赤い目を、黒い額を、口と頬を形成する質量を走った。
一拍の間、悪魔がすべてとの視線の繋がりを失った。
まさにこの一拍をクレントが取った。
もうそこにいた。
悪魔スライムを突き抜けた。あまりに速くて、人間よりも世界を走る稲妻の斬撃のようだった。通った跡の縁で火花が弾けた。双剣が二本の対角線の切れ目を黒い質量に引き、光をその中に入れてまた出した。
通り過ぎざま、かろうじて聞こえるほど低く、だからこそ致死的に呟いた。
「ライトニングストライク」
悪魔が痙攣した。
大きくはなく。
だが本物。
クレントが背後に着地し、同じ呼吸で踵で回り、双剣を掲げた。雷の脈が刃を駆け上がった。
「雷撃・初代戦士」
傍の光から分身が現れた。柔らかくなく。幽霊のようにでもなく。もっと、雷に鋳込まれた戦争の古い記憶のように。一瞬だけ完全にそこにいた。同じ構え。同じ衝撃。クレントとともにまた突進した。
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スマラグドが視線を追う暇もなく、ディアマントがもう反対側にいた。
手袋のルーンに触れた。
深い緑の輝きが拳を跳び、腕を上がって広がり、周囲の空気を一瞬揺らめかせた。歩みの下の地面が軋んだ。今日はもう誰にも譲らないと決めたかのように。
最初の一撃が悪魔の肋骨に当たった。
「ファースト・パンチ」
鈍い轟音。
黒い質量が横に飛んだ。
二撃目が腹に。
「セカンド・パンチ」
三撃目が肩と首に。
「サード・パンチ」
一撃ごとにディアマントの硬さがもっとはっきりした。鎧のように目に見えてではなく。ますます肉ではなく不動の石のように感じられて。手の緑の光がもっと明るく脈打ち、同時に温かな反響が周囲を走った。
スマラグドは前腕で感じた。
震えが小さくなった。
アリッサにも感じたらしい。離れていてもスマラグドには見えた。肩の持ち方が少し違った。さっきほど崩壊寸前ではなく。
ディアマントは四撃目をただ通さなかった。
展開した。
「ヘクサ・パンチ」
拳が一瞬緑の明るさにぼやけた。当たった時、広場に波が走った。破壊としてではなく。衝撃として。六つの硬い打撃が一つの拳に入っているかのようだった。悪魔が半ば凹み、黒い質量がまた形に戻った。前より遅く。だがまだ速すぎた。
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ヴァレリアが隙を使った。
弓のルーンにはとうに触れていた。ルーン鋼の枠に沿って銀の線が灯り、一度息をつき - 撃った。
斉射ではなく。
精密。
冷たく技術的で容赦のない精密。
すべての矢が同じ場所に当たった。
左脚。
適当にではなく。何度も何度も同じ点に。火、風、雷、土。見せるためではなく、体系的な悪意として。
一本目が大腿に食い込み、黒い質量を引き裂いた。
二本目がすぐ下に当たった。
三本目が一瞬脚を後ろに傾かせた。
四本目が再生をまさに同じ場所に強制的に戻した。
ヴァレリアの目が細まった。
完全に壊すのではなく。ただ邪魔する。ただ遅くする。
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ルビンが同じ時間に赤い液体を両手斧の刃に注いだ。
油のようには流れなかった。もっと、ただの液体であるには生き生きしすぎる何かのように。金属を這い、ルーンと刃に赤い線を引いた。ルビンが親指で柄のルーンを叩いた。
即座にタリアの声が湧き上がった。
頭の中にではなく。
密かにでもなく。
大きく。
貫いて。
憎しみに満ちて。
「燃エロ、オゾマシイ生キ物! オマエノ不浄ナマナヲ喰ラッテヤル! 燃エロ! 永遠ノ深淵ガ待ッテイル!」
緋色の炎が斧を舐め上がったが、ルビンは盲目には突進しなかった。
弧を走った。硬く。速く。制御して。悪魔スライムの後ろに立ち、斧を上げて肩を落とした。まだ打たなかった。だがクレントとディアマントの圧から後ろに逃げようとすれば、タリアに突っ込むことになる。
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アリッサが同じ時間に両手剣に向かった。
慌てずに。
遅くもなく。
意識的に。
まだ太い柱に刺さっていた。計画が違った時に投げ込んだまま。翠緑の炎がぴったり寄り添っていた。血にまみれた顔に光を投げた。力なく垂れた左腕に。脚の切り傷に。一歩ごとに痛んだ。見て分かった。足をつくたびに表情に何かが走った。
「ん......」と低く唸った。
だが歩き続けた。
元気だからではなく。
他の方向がなかったから。
スマラグドがこの瞬間にしたことは、クレントとヴァレリアですら - あの渦中でどれほど見えていたにせよ - 驚かせたに違いない。
アリッサの傍に留まらなかった。
退かなかった。
前に出た。
金の槍を手に、光の翼をまだ半開きに、悪魔を追った。歩みは優雅ではなかった。槍の訓練を積んだ者ではなかった。だが動きは直接で、本物で、最も醜い形の恐れ知らずだった。恐怖がないからではなく、とうに通り抜けたから。
突いた。
一度脇腹に。
金が黒い質量を喰った。
悪魔が嘶いた。
もう一度肩に。
また細い金色の切り目。他の傷のようには閉じようとしない。
三度目に背中に。クレントの雷の分身がちょうど圧をかけている場所に。
今度は悪魔が本当に叫んだ。
嘲りではなく。
芝居でもなく。
本物の痛み。
叫びが切れた金属線のように霧を走った。黒い痙攣がもっと制御を失った。腕が後ろに鞭打った。スマラグドを捕えようとして。だが彼女はもう半歩ずれていた。槍を両手で保って。他のことをしたことがないかのように。
分裂したメタルスライムがまさにこの瞬間に突っ込んだ。
悪魔の横に体当たりした。刃のようにではなく。重さのように。質量のように。鏡の表面が黒い身体を流れた。胸に、背中に、肩に張りついた。守るためではなく妨げるために。誰にも着たくない鎧のように。
悪魔が重くなった。
目に見えて。
膝が少し崩れた。
ほんの少し。
だがディアマントの次の一撃がさらに下に追い込み、ヴァレリアの矢が左脚をまたバランスから引くだけ十分に。
クレントがまた来た。
稲妻と鋼。呼吸と怒り。
通り過ぎざまに刃が首の付け根にもう一筋の切れ目を裂き、雷の分身が反対側から打った。忍者スライムがまだ至る所にいた。屋根の縁でちらつく鮮やかなピンクの妨害。手裏剣を投げ、煙を焚き、悪魔が取り戻そうとするあらゆる方位感覚を切り裂いていた。
赤い英雄スライムすらただ土壁にいるだけではなかった。
保っていた。だが何度も一瞬位置を離れて盾で地面を打ち、霧や飛んでくる瓦礫が新しい弱点を見つけるたびに土を押し上げた。二度は小さな身体を咳く市民の前に投げ出した。「タンク」の役を侮辱された真剣さで守るかのように。
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一瞬、悪魔が本当に押されているように見えた。
倒されてはいない。
だが追い詰められて。過負荷にされて。あらゆる方向から同時に反応を強いられて。
暴れ始めた。
痙攣から始まった。
黒い質量の震え。
首を振り上げて叫んだ。
大きいだけではなく。
荒く。
重りのように張りついていたメタルスライムが残忍な外向きの動きで半ば弾き飛ばされた。黒い腕が振り回された。クレントの分身が最初の反撃で雷の破片に砕けた。ディアマントが横からの質量の波を腕に受けて後退した。破片の上を滑ったがすぐに持ち直した。スマラグドは翼をかすめそうになった鞭のような剣の残りを槍で逸らさなければならなかった。
クレントが跳び退いた。
ルビンが脚を張り斧を上げた。
ヴァレリアが突き出す黒い腕に当たらないよう弓を横に弾いた。
忍者スライムが散った。悪魔が屋根に黒い波を叩きつけて複数の分身が同時に弾けた。煙玉が砕けた。手裏剣が弾かれた。だが本物の忍者スライムが身をかわし、憤慨して「ぽこ!」と叫び、家の壁を駆け上がって即座に次の刃を送った。
悪魔が立ち上がった。
完全に。
まだ半分メタルスライムに重くされて、引き裂かれた金色の焼け跡と痛めた左脚のまま。だが直立して。怒って。叫んで。黒い質量が肩から揺れた。自分自身を追い越そうとするかのように。
乱暴に振り回した。
全員が退いた。
本能的に。
クレントが先に。閃いて次の角度を探して。ディアマントが拳を上げて。緑に光って。だが盲目にではなく。スマラグドが槍を身体の前に横にして。翼を張って。ルビンがタリアを半円に後ろに保って。ヴァレリアが即座に弓をまた左脚に合わせて。
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アリッサがこの瞬間にようやく剣に届いた。
右手で柄を掴み、引いた。柱が軋んでから刃が抜けた。翠緑の炎が前より密に寄り添っていた。覚醒して静かに。
目の前で人間とスライムと光と稲妻と緋色の憎悪からなる不釣り合いな群れが、まだ倒れる気のない敵の周りで荒れ狂っていた。
決戦はまだまるきり終わっていなかった。
※更新についてのお知らせ
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