曲がったことは 大嫌い
「疑り深い女だこと・・・・・・」
リュウのアジトへやってきていた 老婆に いきなり質問をぶつけた ミクだった
いつものことながら そのまましておく事のできない性格で
直接 聞きにくいことも ズバリと聞ける うらやましい性格の人だった
リュウは 糸目でまったく 表情の変化が見えない
老婆は お茶をすすっているが 意地悪そうな雰囲気以外は 相変わらず 変化ない
ここは 探りを入れるしかないか・・・・・
「火事の一軒・・・・・・ もしかして2人が絡んでる・・・・?」
ミクの 言葉に ギロリと睨むように 老婆が振り向く
「あんた 人をどこまで非情な者だと思ってるの・・・・
お互い 嫌いあってるのは分かってるけど あんまりだよ!」
怒りをあらわにした老婆は 以前と変わらず 迫力のある言い方だった
リュウはふっとため息をついて 老婆とごにょごにょ耳打ちをした
老婆は 耳を傾け 「わかった そうまで言うなら・・・・・・」と 納得したようだった
「いいかい? 私たちは 何もしていないんだ・・・・
これは 非難される筋合いはないよ ツフュールにも言っていない
私達が この土地を預かった時のことだったんだ
あんた 覚えていないか?
力を蓄えるために ツフュールとあんたが この土地をしばらく離れたことがあっただろう?」
リュウが ようやく 事の真相を話しはじめた
老婆は おもしろくなさそうお茶を飲みながら 黙って聞いてる
出来れば2人とも この話は他にするつもりもなかったし 気にも止めていない風だった
「火事が起きた時 幹部の私達はその様子を近くで見ていたのよ」
リュウが言った言葉に 大きな眼を見開いたミクだった
「じゃあ、どうして!?」
「言った通りさ 何もしなかったんだ
子供と妖精が火に巻かれるのを見てたんだ」
老婆は ゆっくりと口をはさむ
「面倒に巻き込まれたくなかったんだよ
何も利益にも損にもならない 出来事だったから」
リラを助ける話を持ちかけてきた 本人なのに この発言には 苛立ちを隠せないミクは
「じゃあ、 どうして今さら??」
と 老婆に向かって 強い口調で言い放つ
「・・・・だから ・・・・
死ぬ前の懺悔っていうか・・・・・・罪滅ぼしのつもりなんだ」
興味なさそうに 上を向きながら 老婆は答える
「火事で 焼け死にそうな子供たちを救うのに 力の限りで守る様子を見ていたんだ
想像つかないかもしれないが とてつもない パワーで 立ち入る隙はなかったよ
あの子じゃなきゃ 防げないほどの火事だったんだ
そして そんな 奴が この地に居ることに 私たちは恐れを持ったんだ
リーダーも不在だし そのまま力尽きるようになっても 誰も 困らなかったしね」
相変わらず 損得勘定と薄情さは 天下一品の老婆の言葉だった
「黙って 力尽きるのを見ていただけ・・・・・?」
ミクは つぶやいた
一番 薄情で 汚くて 大嫌いな事だった
「でさぁ、 まだこれはあの子にも言ってないんだけど
あの時いじめてた子と いじめられてた子
なんで あの二人が つるむようになったか知ってるかい?
」
もう あまり関係ない話に 方向へ向かせるようで 老婆たちの態度にも イラだったミクは
「分からないわ」と短く答えた
リュウと老婆は 顔を見合わせると 老婆が また口を開いた
リュウは やれやれと言った顔で 首を振りながら 2杯めのお茶を注いだ
「サトミって 同じ名前だったんだよ
そして いじめられてた子は 遠くに行ってしまって
あの子のそばに居る サトミはいじめてたリーダー格の女の子なのさ」
意地悪い 老婆がニヤリと 笑って そう言った
ミクの全身が凍りつくような そんな 衝撃の一言だった




