別れ
「世話になったな」
清々しい表情でセンバティは 一家にお礼を言った
一週間の居候生活が なんだかんだで1カ月もの延長滞在になった
ここの家族は優しくてあんなに怖がっていた子供には妙になつかれて
モパとも楽しく一カ月過ごしてきた
力のリミットの加減で センバティは名残惜しいが この生活を終える決心をした
「さみしくなるわね・・・・またちょくちょく顔を見せてね
春には 出ていくことはしばらく黙っているから」
ユイは 小声で言った
「春 すごくなついてるからな・・・・・いなくなったら泣くかもしれないな」
「いつでも遊びにおいでね」
次々と優しい言葉をかけてもらって 感極まってセンバティは泣きそうになった
「すぐ近くに居るから また お邪魔します ありがとうございました」
ペコっとお辞儀をして 早々に 家を離れた
モパは 目が合うと 後を追いかけた
少し先を歩いてるセンバティは 振り向かず黙って歩いている
「泣いてるのか?」
モパが声をかけると
「これっきりというわけじゃないんだ 泣いてないよ」
と センバティは振り返ってそう言った
泣くのをこらえたようだ
公園につくと ベンチで一息ついて 2人は腰掛けた
「あっという間だったな パワー的にはまだ余裕があるんじゃないか?
どうして・・・・・・」
モパが訊ねると
「まだ この場所に居たいんだ
春達にも会いたいし このくらいの余裕あったほうがいいだろう?
長くいると 別れづらくなるし」
モパは自分が 去る時のことを考え 頷いた
「モパの余力は計り知れないな・・・・・・
パワーを発散させてるからと言っても 次元が違うようだ」
センバティは一緒に過ごすことで モパの凄さを身をもって 感じた
毎晩 意識を集中させ いなくなった彼女の波動を捜索していることも・・・・・・
「肝心なことには 何の役にも立っていない・・・・・
そんな大したことでもないよ」
目線をまた 丘の上に移すと 黙り込んでしまった
真冬だというのに 子供たちは 走り回って 公園ではしゃいでいる
子連れの姿も何人か見える
「・・・・・・彼女のことさ・・・・・
情報を得るのに リュウに相談したらどうかな?
彼女 この辺りに詳しいし、 何か掴めるかもしれないぜ
おれ、 近いうちに 訊ねてみるよ」
お世話になったお礼に 何かしたかったのだ
手掛かりがつかめるかどうかは 分からないが
センバティの申し出に モパは嬉しくなった
「ありがとう」
人懐っこい笑顔を見て センバティもつられて笑顔になった
「だから ミクには手を出すなよ」
ニッと笑うと
「そういうことか・・・・・」
と モパも苦笑しながら ほほ笑んだ




