我が家へようこそ
「せんてぃ!せんてぃ!」
夕飯時 春は全速力で家の中を駆け回っている
「春! いい加減にしろーしつこいぞ!!」
センバティがその前を 全速力で逃げている
「モパ!笑ってないで とめろよ! これじゃエネルギー使い果たしちゃうだろ~」
モパと一緒に居候することになって3日目
すっかり 春に気に入られたセンバティは ここ毎日 春と楽しく過ごしている
「いや~ モパとセンティのおかげで 春もご機嫌だよ、ね ママ」
「昼間も ずっと春と遊んでくれて 助かるわ~」
ユイと旦那さんは ビール片手に また酔っぱらっていた
「ちょっと 誰か春を止める奴いないのかよー!!?
今日は 俺の歓迎会なんだろう?」
センバティが必死で抗議しているが ほろ酔いの親たちは ほほ笑みながら頷くだけで
モパも 笑って眺めてるだけだった
・・・・・・・くそ ・・・・・だめだ この家族はなんておめでたい 酔っ払い家族だ・・・・
観念したセンバティは ガッチリ春に抱きしめられて 頬ずりされている
「モパもセンティも イケメンそろいだな~ 妖精ってみんなそうなのかぁ?
うらやましいな~」
旦那の褒め殺し発言も 炸裂している
「ママは この二人から 告白されたらどうする?」
「えぇ!? なに言ってるのよーパパったらー」
・・・・・・・本当何言ってるんだか こいつら・・・・・・・
センバティは頭を抱えて苦悩している
酔っ払い達が寝静まった頃 モパのテリトリーで ようやく 解放され2人になった
「春に殺される危険はないけど ある意味これが毎日続いたら 拷問だな」
深いため息をつくと
「そういうなよ センティ! みんな歓迎してるんだから」
「そのセンティってやめろよな!」
笑いをこらえてるモパに
「この家族は 大人まで妖精と接触出来るし いやにおめでたいし能天気で
・・・・・・・正直 驚くことばかりだよ・・・・
でも こんな調子なのに パワーはついてる気がするから不思議だな」
自分の大きな両手をかざしながら センバティは言った
「私も 同感だよ パワーについても 見てる限り 格段にレベルアップしてると
思うよ」
寝転びながら 答えた
男同士の同居は 気の合う2人には にぎやかで 心地よいものだった
春の家族も穏やかで あっという間に センバティも馴染んでしまった
「あのさぁ・・・聞いても良いか?」
センバティは 気になっていたことを尋ねることにした
こんなときじゃないと なかなか聞けないことだと思っていた
断る素振りもないので 話を続ける
「居なくなった彼女・・・・どうしていなくなったか理由は分からないのか?
ずっと 探してるんだろう?手掛かりもないのか?」
仰向けになってる モパを横目で見ながら尋ねる
大きな瞳を 伏せると
「理由は分からない 手がかりもようやくこの間得た情報くらいだ・・・・・」
「もう10年も経つんだよな・・・・」
「あぁ」
「・・・・・・彼女のこと 愛してるんだな?」
その質問が 聞こえなかったのか しばらく沈黙が続いた
気になって モパを じっと見てると
「今でも大事な人だが 愛しているかは わからないかな?」
ようやく 言った言葉に
「なんで!? だって 2人は・・・・・・・」
言いかけて センバティはやめた
居なくなった彼女のことで 一番真剣に考えているのはモパだ
長い年月で 気持ちの変化があっても不思議じゃない
「俺には 分からないことだな・・・・・・」
やみくもに 自分の思いを言い放つだけではない センバティの優しさが
モパには ありがたかった
自分でも 彼女に会うまでどういう感情がのこっているか わからないのだ
でも 誰かに捕らわれているなら 全力で助けるつもりだ
そのために モパも できるだけパワーをためこむことにしたのだ
「明日は クリスマスツリーの飾り付けだな・・・・・
きっと ツリーの上の部分は 俺たちの仕事になるぜ・・・・・」
センバティの 言葉に モパは軽くほほ笑みながら 頷いた
明日も 賑やかな日になりそうだなと思いながら 2人も いつのまにか眠りについていた




