契約
携帯打ちしたのでひどく短いです
金属のぶつかり合う音が辺りに鳴り響く。
我は霧咲と常々を両手に持ち、死神の鎌と打ち合う。
死神はその巨体に合わぬ繊細な鎌捌きをみせ、闇の斬撃や鎌を媒介とした火と闇も魔法を使う。
魔法を主体とした戦闘を得意とするミオはその長所を抑えられたも同じ。
そんな中善戦するのは、人の姿のジルドニア。
龍氣と呼ばれる龍族の奥義を使用し、魔法とは一線を置く遠距離攻撃を追おこなう。
しかし彼女も元はけが人。
いくら傷が治ったとはいえ、傷ついていた期間が長く、あの死神に憑りつかれていた期間が長かったため体は万全とはいいがたい。
彼女は息切れを起こしだしたころ、みおを見て何かを決めるように一人頷く。
「ディルキア!5分稼げるか?」
ジルドニアの唐突の申し出。
これにレンジは顔をしかめた。
「構わぬが・・・なにをする気だ?」
「ミオの魔王を覚醒させる!」
「え!?」
ミオは驚いているようだが、予想はできた。
しかし、5分。
これは仮ギリギリの時間だ。
「ふむ・・・五分だな。遅れるなよ『廻れ、・・・」
しかし、レンジは平然とそう言ってみせた。
そして帰って来た二人の視線からは強い信頼がうかがえる。
レンジは今『我』になっている。
そんな中、『我』は『自分』にこう言った。
「信用される。背中を任せてもらえる。戦の先頭に立つ・・・王故にそんな機会には滅多に恵まれなかったが存外悪くはないな」
という言葉を聞き、驚きと自分を認めつつあることが伺え、少し嬉しかった。
すると、『我』が補助しながら転輪の能力を自分に使い、平時で特殊職の聖女や勇者を持つアヤカやミレイに匹敵する身体能力を持つレンジ。
それに加え、魔法的肉体強化に加え、転輪による人知を超えた身体能力を引き出していた。
結果―――――その肉体は、本来ならあり得ない『Eの領域』に足を踏み込んでいた。
※※※
「ミオ、やるぞ!」
そう言い、ジルドニアはミオの元に来た。
一方のミオは転輪を使用し、あの死神を一人で抑えようとしているレンジが気になるのか無効を見ている。
「ミオリレーゼ!、こっちを向きなさい」
突如としてジルドニアから放たれた強い口調にミオは驚きながらも意識をミオに向ける。
「いいか、よく聞きなさい。今から行うのは12の特殊な称号に隠された覚醒を行う儀式。これは本来、我の試練を超えた者の褒美の一つにすぎない。そして、これは貴様が試練を超えたからではなく、貴様の父、母の報酬でもあるから心するように」
「お父さんと、お母さんの?」
「そうだ、かつて我を死神から解き放ったそなたの父に私が報酬内容を聞くと、彼は『次に来た魔王の力になってほしい。』と言われた。ならば、今こそ我が身を賭した特殊な覚醒を行おうではないか!」
ジルドニアがそういうと二人の足元に紫位色の龍のエンブレムが現れる。
「我、『浄化』を司る無の空間の守護者はここに仮初めの眷属の誓いを立てる。契約するは魔王、ミオリレーゼ。かの初代『破壊神』アルトレーゼと同じくレーゼの名を継ぐ継承の一族である。我は今ここに魔王ミオリレーゼを破壊神として新たなる力を与える。新たなる破壊神よ。太古から続く、終焉を破壊せよ!」
そして二人は紫の光に包まれて行った。