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空席の玉座の前で、王を待つ者達

少し短いです

 


 ミオは消え、レンジも消えた魔王城玉座の間。

 圧倒的実力者を相手にアヤカ、エリーゼは奮闘するもレンジが消えたことと、ミレイが倒れたことに気を取られ、倒されてしまう。


 戦いを終えた双帝の呼吸は上がっている。

 彼女たちに与えた最後の一撃。

 その一撃は手加減など考えぬ本気に近い一撃だった。

 二人は老いが始まっているとはいえ、若い物に負けることなどないと思っていた。


 運動会とは若手の大会。真の強者はあのような大会には出てこない。

 それは暗黙のルール。あそこ華々しくデビューを狙う者たちの希望の芽を摘み取らないためだ。

 事実、二人が双帝に着いてからこの幹部を狙うのをやめてしまった心の弱い若者は多く、それを非難する声が無いわけではない。


 それは過去にあやつを見殺しにしたゆえの罪悪感か。

 声をだして答えるやつはいない。

 ただその分、いまだ幹部狙うのをやめない若者はかなり骨のあるやつだ。みな育てがいがあるという。


 しかし、ミオほどの才を秘めたやつはおらなかった。


 しかし、こやつらは違う。ここまで来た娘たち3人は温厚なライファーには珍しい好戦的な人物だ。

 そして、圧倒的戦闘センスと運動神経、スキルにジョブまたは種族特性を組みこんだ戦い方。双帝として彼女は称賛に値する人物だった。


 そして何より持っている称号がその戦闘能力の高さを証明いている。

 人間にはジョブと言う名の称号・・・と言うかあれは元々人間の能力特化の手段でしかなかったはずなのだが、今では成人と共にジョブを選ぶのが通例となってしまっている。


 ・・・すべてをこなす、故に器用貧乏と言われ、最弱種と言われた過去を持つ人間には何か一つでも能力を伸ばせるほうが嬉しいのかもしれない。


 そんな中でも聖女と勇者は特別だ。どちらも人種しか就けないのだが、勇者は異世界の救世主が聖女は人種の特殊個体の女性が着くものだ。

 異世界の勇者は世界渡航の際に強大な負荷がかかり、生きて召喚された者はその反動で肉体などさまざまな能力が強化される。そして、世界に終焉が訪れる予言でもある。


 そしてもう一人の少女、獣王。


 彼女は進化しかけている。

 獣王とは獣人最強の者が継ぐ称号であるが、その称号は魔王と同じく試練を持つ神聖を持つ。

 この世界には12の覚醒試練と言うものがあり、その場所は力の終着する12の龍脈天にある。

 その一つがこの魔王城であり、称号:魔王の覚醒に必要な試練を受けられる場所でもある。

 そしてこの試練は約10年おこなわれていない。


 以前試練を突破した時はのはおおよそ100年ぶりに国を挙げて盛大に祝った。


 ・・・そして、覚醒した魔王は奥方と共に復活した暗黒龍を倒したが、そのからだは黒死病にその身をむしばまれ、若君とお嬢を残し死んでしまった。


 魔王の覚醒は同時に終焉の開放を意味する。

 その終焉の討滅こそ試練であり、終焉を殺すことにより神殺しを得ることができる。

 双帝の二人は空席となった玉座のそばにより、座り込む。


「・・・双帝のお二方、何を?」


 全身がぼろぼろのトールが二人にそう聞く。


「待ってるのだ」


「孫の帰還をな・・・」


 そんな二人を習い、四天王の古老が同じく玉座前に座る。


「せっかくじゃ、わしも付き合おうか」


 すると、あの戦いで意識を持っていた者は全員が座った。


 ミオは孤独と言うが彼女は気づいていないだけであり、歴代の魔王ではこんなことはありえなかっただろう。


 そう・・・これが、今の魔王の人望である。



 ※※※



 真っ黒な世界にて紫紺色の火の玉が浮かぶ。


『・・・おお、此度の魔王は少女か。そしてそちらの仮面とマント、剣。覚えがある。以前我が試練を超えた魔王の剣か・・・』


 そして火の玉は少し明るく輝くとその身を人型へと変える。

 黒の古びたローブに紫紺色の長い髪。背丈は少女と言ったところで、その手には背丈を超える杖。そして何より・・・


「君、けがしているじゃないか!」


 その身は多くの傷を持ち、血が出ている。


「それがどうしたという?主らにとって良きことであろう?」


 彼女はそういうも、少し足元がよろめく。


 ・・・立っているのも精いっぱいと言う事か。


「ディルキア・・・彼女はもしかして」


「たぶんそうだろう。君の両親に殺した・・・暗黒龍 ジルドニア」


「ほう、我名を知っているか・・・しかし、そうか。貴様はあのときの魔王ではないのだな。そして、君は彼の娘と・・・」


 ジルドニアの表情はどこか悲しみを含み、罪悪感を感じているようでもあった。


「そうか・・・今代の魔王よ、名を何と言う?」


「ミオリレーゼ」


「!・・・あやつらめ、やってくれたな」


 ジルドニアはそう言って涙を流し始めた・・・



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