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遠い記憶の中で~second memory~:04

夏休み終盤。塾が忙しくて時間が空いてなくて…。

次は明後日のには更新します!

 



「なぜ、狙う?・・・これはおかしなこというな」


「・・・」


 ゼウスの神格を持つ初老の男は自らのひげを撫でながら愉快そうに笑う。


「その星の真価に気づいておらぬわけではあるまい?」


「・・・!なぜ、あなたが?そのことは管理者のみが原初の亡霊より教えられるものなはず!」


「理由、か。・・・儂に勝てたら教えてやろうかな?」


 ―――シュン


 互いに雷を放ち戦闘態勢となっているところに神速で槍が通過する。


「あなた、落ち着いて」


「・・・すまない、トキ。ありがとう」


「いいのよ、その分夜はしっかりいただくから」


「はは、頑張らないとな・・・」


 その槍はシヴァとなっているトキの放った槍だった。

 彼女は残っていたわずかな天使を殲滅したようで、ゆっくりとタケミカヅチの横に寄り添う。


「・・・フフ、いい夫婦愛ね」


 ゼウスの隣の空間が裂け、そこか妖艶な女性が一人出てくる。


「ッ、ヘラ様・・・」


 そう言ってゼウスの隣に寄り添うのは、彼の妻でありゼウスの隣にいるためにヘラの神格を勝ち取った伝説を持つ女性。

 そして、トキの武術の師匠でもある。


「・・・ほかの方もいるようですか?」


「安心して、彼らは観戦者。いい?神界最強夫婦に挑むのは、私たち。不足はないでしょう?・・・いい戦いをしましょうね?」


 タケミカヅチはこちらを覗く者の存在を感じていた。

 それに対し、ヘラは妖艶に微笑み、彼らには介入しないようくぎを刺してきたことを暗に示す。


「・・・タケミカヅチ。一対一、で構わないな?」


 ゼウスは少しばかりヘラを見てタケミカヅチにそう提案する。

 タケミカヅチは頷きその場から離れていこうとするが、その腕をトキが掴み止める。


「そんな!?あな―――」


 タケミカヅチは心配そうな顔をするトキの口を自らの唇で塞ぐ。


「・・・信じて」


 タケミカヅチはトキの目をまっすぐ見てそういう。

 そこには彼の明確な意思と決意が見て取れた。


 そしてその目は、トキが彼に惚れた時の眼でもある。


 鼓動が早まり、顔を真っ赤にしたトキは俯きながら小さく頷くとタケミカヅチはゼウスに「ついてきてください」といって彼女から離れてゆく。


 夫二人が離れて行き残された妻たち。


 未だタケミカヅチが心配なのか、トキはヘラには目もくれず彼の飛んでいった方を眺めている。

 その様子に、ヘラはため息を吐く。


「もう、まったくこの色ボケ弟子が・・・結界」


 そう言って結界を張ったのは・・・ヘラ。

 戦闘を始めるのかと身構えるトキにヘラは真剣な表情であることを告げる。


「・・・!」


「・・・さあ、私たちもはじめましょう?」


「待ってください、師匠!」


 膨大なエネルギーがぶつかり、結界は内部から壊れる。

 トキはひとまずエデンを背後に行う戦闘は不利なため、彼女の注意をひきつけながらタケミカヅチと反対側に飛んで行った。





 ※※※





 エデンの星から離れた宇宙空間。

 そこでは2つの雷がぶつかり合い、輝いていた。


「どういうつもりですか?」


「どういういうつもりとは?」


「なぜ侵略と言いながら、稽古のように手加減をするのかと聞いているのです!」


 タケミカヅチはいまの状態で最大に近い雷をゼウスのもとにおろすと同時にさらに追撃で12の雷の槍を扇型に展開して打ち込む。

 上位神や戦闘系でない最高神にあら即死か瀕死になるであろう攻撃。

 その攻撃が当たる直前、ゼウスは嬉しそうに笑って見せた。

 そしてタケミカヅチは、急いてその身を雷へ変え神力で神速の5倍が出るようにしーーー急いでゼウスから距離をとった。


















「ゼウス・ノヴァ」
















 ーーーそれは全能なる神の名を冠する神の一撃。


 ーーーそれは星の終わりに似たその閃光。


 ーーー周囲に浮いていた星屑などはまるで存在しなかったかの様に消え去る。


 ーーーそしてそこに現れるのは光さえ消える、超重力。





 その表面に神力の結界を張り、仮初めの地面に見立てた老人は満足そうに降り立つと御仁の前に一人の青年が雷をを纏い、神速で降り立つ。


 その衝撃で結界にヒビが入るもののすぐに修復されてしまう。

 最高神となったタケミカヅチはよりはっきり力量差がわかる。

 足元に目をやっているとゼウスの方が声をかけてきた。


「タケミカヅチ、私は君のなんだね?」


「基礎すべてを教えていただいた先生です」


 そう、彼はタケミカヅチにとって無名(神名を持っていない時)からの師匠である。


「…そうか。まだそう思ってくれていて嬉しく思う。では、師匠超えである『恩返し』をしてもらおう。タケミカヅチ!私を、倒せ!」


 そういったゼウスは体内から雷を発する。

 するとその姿は、初老の老人から歴戦の戦士を彷彿させる渋い中年男性へと姿を変える。


 背中には2本の剣。


 片手に上下に刃を持つ槍。


 服装はかつて伝え聞いたあらゆる攻撃に耐性を持つとされる白き神装。


 黄金の冠はギリシャ神話最強、全能神の証。


「…ゼウスの神名を受け継ぎし我が身をも持って今ここにゼウスの力を今解き放つ。こい、和の国の雷神にして最強の戦神なを継ぐ我が弟子よ」


 ゼウスは槍をタケミカヅチに向けそう宣言する。


「わかりました。…いいや、わかった。すまない、タケミカヅチ様。あなたの力、初めて私のわがままのために使わせていただきます」


 タケミカヅチは自らの胸に手を当て、謝るとまっすぐとゼウスをその瞳に捕らえる。


 ゼウスと同じく内側から放たれる雷がタケミカヅチの外装を変えて行く。


 江戸時代の武士の様な和服の神装。


 腰にかけし神刀は空中に浮き、自ら鞘から刃を見せるや否やタケミカヅチ本人と同等の雷を放つ。


 かの名はタケミカヅチ、

 雷神にして

 刀神にして

 戦神にしてーーー












 ーーー日本神話最強の神である。

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