光の表と闇の裏
初めての投稿です。小説はかなり前から書いていましたが、大学生となったので自分の作品を広い世界で評価してもらおうと思い、投稿を始めることにしました。
まだ未熟ですので温かい目で読んでください。
私は中途半端な存在のままここにいる。
誰も、私の事を「善の存在」と認識してくれない。
私のことを、みんなは「いつか闇に墜ちるかもしれない存在」という分類でしか認識しない。
「おーい、手空いてるか」
「はい」
それでも、私は「天使」として生きていかなければいけない。
いや、「天使」として生きるしかないのだ。
「この書類を人事課へ持って行ってくれないか」
「了解です。・・・・・・これ、もしかして」
「ああ、『試験』の結果だよ。そういえば、君の知り合いも今年度の試験を受けたようだと聞いているが」
「・・・・・・確かに数人聞いていますが」
「その中にはその知り合いの結果も含まれている。だから、くれぐれも結果を漏洩しようなどとは絶対に思うなよ」
「はい」
一歩私の部署を出ると、廊下にいる人々の視線が一斉に私に突き刺さる。
やはり、私はここでは「異分子」なんだろう。
ここのトップの娘であるのと同時に、「本来存在しない存在」なのだから。
(ここに、あいつらやリミエルの進路が書かれている・・・・・・)
見たい衝動に駆られてしまう。
(うう・・・・・・。ちょっとだけなら問題ないかな。結果は絶対に伝えないし)
結局私は衝動に負けてしまった。
ファイルの中をちらりと見る。
『リミエル・ファトラ、甲種合格』
『ゴモラ・ウォルスルト、乙種合格』
『ソドム・トーリファン、乙種合格』
『パリザイ・ヴェード、乙種合格』
(あいつら全員甲種落ちたのかい・・・・・・)
前々からあいつらがバカだということはよく分かっていたが、まさか本当に甲種に落ちるとは思ってもいなかった。
(まあ、乙種に受かっただけまだましか)
そう独白していると、人事課の前にいつの間にか着いていた。
担当者に書類を渡し、部屋を出た。
カランカランと大鐘が鳴った。
「もうそんな時刻なんだ」
終了時刻の鐘が鳴り、私は家へ向かった。黒い翼を広げながら。
家の壁に反射する黒い翼を見るたび、私は自分の存在に苛立つ。
「どうして私はみんなと違うの」
「どうして私の翼は黒いの」
「どうして私はみんなから避けられるの」
小さい頃は、たくさん浮かび上がる「どうして」を両親にいつもぶつけていた。
その度に両親は苦笑いを浮かべながらこう言うのだった。
「大丈夫。リナエルは何も心配しなくていい。いずれみんな分かってくれる」
だけどみんなは大人になっても避け続けた。
そして私は大人になってようやく分かった。
「両親は、結婚してはいけなかった」
「両親は、異種族同士なのに私を生んだ」
「私は、みんなから避けられて当然だった。私は誰とも同じじゃないから」
それからは、他の純粋な天使に負けないように必死になって「エリート」になった。
普通の人以上に努力すれば、みんな私の事を避けず、受け入れてくれると信じて。
でも現実は違った。
子供は私の事をますます憎み、嫉妬し、避け、いじめた。
大人は私の方を全然見てくれなかった。
いつしか私は、そんな世間に諦念を抱いていた。
そんな私を救ってくれたのは、あいつらとリミエルだった。
そんなあの四人が、形は違えど一緒に働くことになった。
試験の結果を知ったら四人はどんな顔をするかな、と思いながら短い夢の世界へと落ちていった。




