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森勝蔵長可 転生者は家族を守りたいが為、狂い笑う。  作者: 確かな嘘
第7章 騒乱の信長包囲網
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柴田の乱③

佐々さんを・・・

「それで、柴田様は?」

「うむ、その手助けをして、北条三郎こと上杉景虎に手を貸して、服部半蔵を上杉景虎と引き合わせた。そして景虎と半蔵は謙信を殺した。」


あぁ。御館の乱だ。

これは上杉謙信死亡後に引き起こされた後継者争いで、上杉謙信に子がいないため、謙信の姉の子景勝と北条から人質としてきて、養子になった北条三郎こと上杉景虎が争った。謙信は血の正当性がある景勝を後継者として考えていたのだが。まぁ、この時、武田が力を貸し、景勝が勝利し、当主となったのだ。これが御館の乱だ。数年にも及ぶので、北陸は混乱し、上杉は国力を落としたんだよな。景勝が当主になった後に、織田も本能寺の乱があったから色々と攻められない時だ。


それをあのバカが引き起こした。はぁ頭がいたい。武田が厳しい状況でこんな事を惹き起こせば、状況は最悪で長引く。北陸は大騒動だ。その隙を狙って武田と北条を狙うもしくは北条と組み武田上杉を狙う。これが服部の狙いだろう。


これは大体、なんの大義もない。うちが美濃を攻めたのは濃姫の親を殺した義龍とその息子に後継者としての資格なしだ。伊勢は長島に協力した北畠や長野を、こっちに戦争を仕掛けて来たというのが大義、近江や伊賀とかは将軍の上洛のためだ。


理由もなく攻めていいはずがない。そんなことすれば大方が見限る。

それに簡単にに落ちない。民もついてこない。

バカの考えは本当にゲームみたいだ。


「はぁ、佐々様はこれからどうするので?」

「ふむ、私は利家と違い、秀吉の猿とはあまり仲が良くない。それに柴田様の腹心として多くの者に見られておる。ここは柴田様と共にと思う。どうしようもない。それに恩もある。」


はぁ変なところが義理堅いし、真面目なんだよな。佐々さんて。

そんなの利家さんはもう見切りをつけ、距離置いただけだよ。あの人も腹心として皆に見られてたけど、ダメだと気づいたから秀吉様に近づいた。


「佐々様、私はあなたが、年老いて耄碌した愚か者と共に消えゆくのは織田家のためにならないと思います。あなたは指揮の力が素晴らしい。命を簡単にお捨てにならぬよう進言いたします。」

「う、治部卿」


佐々は涙を流した。

口が悪く武骨な人だが、評価されるべき人なのだ。

しかし、その口の悪さと付いた人が悪く佐々様はダメになった。

元々、この人は救うと決めていたから。ここで、うちの家臣とはいかなくても腹心にしておきたい。そうすれば救える。この人はまだ織田に必要だ。


「困った時はいつでも当家を頼ってください。」

「すまぬ。わしのような嫌われ者を」

「私も嫌われ者ですよ。重鎮たちには若いくせにと、若い者にはあいつだけと言われています。それにうちの隊は最初妖怪隊とか言われてました。」

「ふっ、そうですな。」

佐々は笑った。生まれ変わるかのように。


悩んでたんだろうな。このまま行けば、自分も家も滅亡する。それはまずいと。せめて家だけでも。そしてうちに密告に来た。武士としては良くないことだが、もうどうしようもない。そんなところか。


「では。これで失礼する。」

「ええ、情報ありがとうございました。」



それからは家臣で会議だ。

俺、各務、半兵衛さん、但馬爺、マッシュ、京から報告のために来ていた村井貞勝。


「うむ、佐々殿はいい情報をくれた。」

但馬爺が言う。

「ええ、遅きに逸したでは、話にならなかったでしょう。信長様に話して、柴田の追放と景勝の支援をしましょう。景勝が勝てば、北陸は安定して武田と徳川を潰す。大義は、管領の謙信を殺して、幕府を混乱させた。でいいでしょう。」

と答えた。

「その際は、柴田は追放だけでいいにでしょうか?」

各務が言う。珍しく反論した。

「処刑した方がいいでしょう」

半兵衛さんが言った。

そうか、信長様もああ言ってたしな。

それに、将軍にも朝廷にも説明がつく。


ちょっと待て、何か足りてない気がする。

「各務、百地に言って、将軍のそばのものを調べてくれ。間者も頼む。」

「はっ。ですが」

「そうですね、明智ですか?」

半兵衛さんが聞いて来た。本当によく気づく。

「うむ、それはあるかものぉ。村井殿も朝廷を調べろ。何かあるかもしれん。」

「はっ、秀貞様」

「村井殿、わしは南部但馬じゃ」


そう、明智だよ。

明智は朝倉攻めで殺せなかった。

その明智を放っておくのはと、探したんだ。でも見つからなかった。


「うーん、明智は徳川じゃないか?」

マッシュが聞いて来た。それもありえる。

「いや、徳川が謙信暗殺をした場合、それを将軍や朝廷に納得させる手立てが必要だ。そうなるとどっちかに明智だ。もしかしたら近衛あたりが関わっていそうだ。」

「うむ、近衛前久だろうな。朝廷側は。」

但馬爺が同意した。


そして急いで信長様にお会いする。

「信長様、以上が報告です。今、将軍家と朝廷に密偵を出して、探らせております。」

「柴田は殺す。」

信長様は本気だ。重鎮の柴田の処刑は衝撃になる。

ここに来るまでに、堀より、最近、柴田は信忠様に近づこうとしているとも聞いた。


「ええ。ただ将軍家を探ってからが良いかと。とりあえずは景勝様を支援するため、景勝様に伊勢守様を送り、支援する旨を伝え協力するのがよいと思います。」

「うむ。久、他の者も徳川家に取り込まれてないかを調べよ。」

「はっ」

「治部、近衛と明智が関わっている場合は。」

「はっ、近衛は島流し、明智は重罪人として処刑、将軍は騙されているだけなら、幼子の子に地位を譲らせ、蟄居とするのが良いかと。それでいかがでしょう。」

「うむ、近衛と義助も殺したいがの。それが限界か」


こうして御館の乱を始まりに、第二次信長包囲網は始まった。

敵は徳川家と服部と明智と柴田と上杉景虎。他に北条や毛利、長曾我部らが虎視眈々と織田家を狙う。一大戦争が幕をあげた。これで日の本は決まる。天下分け目の大戦。



救えた。

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