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明日に向かって

映画を観た後は、真奈美は号泣していた。

真奈美にティッシュを渡し真奈美が家を出る頃には夜の七時を過ぎていた。


「ありがとう。じゃあ行くね。」

そう言う真奈美を玄関まで見送る桜庭。


ドアが閉まった後桜庭は色々考える。

友達のお店って男の人では無いだろうか。

夜からって…。

いつ帰るんだろうか。


約二時間余り考え、真奈美にメールを送った。

「家に着いたら、教えて。」

すぐに真奈美からメールが返ってきた。

「もう家だよ〜。」

桜庭はホッと安心しながら次のメールを打つ。

「電話してもいい?」

またすぐに返信。

「良いよ〜。」

真奈美からのメールを確認すると桜庭はすぐに電話をした。


「もしもし、ごめんね…。」

桜庭は緊張していた。

「ううん、今帰ってきたところだけどどうした?」

真奈美はいつもの通りだ。

「実は伝えたいことがあって…。」

「うん?」

「俺…。真奈美のことが好きになっちゃった。」

桜庭は緊張しながら言った。

「あはは〜。それで?」

真奈美がいじらしく聞き返す。

「それで、良かったら付き合ってくれませんか?」

桜庭は自信が無かった。

真奈美はそんな桜庭のいつもとの違いにかなり笑っている。

「お願いします。」

真奈美からのOKが出た瞬間桜庭はガッツポーズを取った。


そうして二人は付き合い始めた。


ある日の夜桜庭は真奈美に尋ねた。

「どうして俺と付き合おうって思ったの?」

真奈美は照れながら、でも桜庭の目を見て答える。

「絶対次に付き合う人は大事にするって言ったから、前の彼女と約束したから大丈夫だろうって思ったの。」


そうして、二人は時に喧嘩をしながら、時に笑い合いながら過ごしていく。

大学を出て就職を決めた桜庭、真奈美も学校を出て仕事をしていた。


そんな幸せの日々を過ごす中で、桜庭は肺の病気で入院してしまう。

由奈が小さい頃に患ったのと同じ病気だった。

毎日真奈美が見舞いに来た。

六時間に及ぶ手術を終え麻酔から目がさめる直前桜庭は夢を見る。

由奈と病室で過ごした日々を俯瞰で見ているような夢だ。

そして目線が由奈に変わった瞬間桜庭は目を覚ます。

自分の親と真奈美が、そこにいた。

真奈美は桜庭の手を握りしめ、苦痛の表情をすると泣き崩れた。


桜庭は真奈美の髪を撫でる。

「もう大丈夫だよ。」

桜庭はそう言うと、朦朧とする意識の中真奈美の髪を撫で続けた。


退院直前に桜庭は決心をする。

その日も桜庭の病室を真奈美が訪れ桜庭のベッドに座っている。

「真奈美。こんな状態で申し訳ないけど、退院したら一緒に暮らそうか。」

真奈美はハッとしたように身を起こした。

「うん!」

そう言うと真奈美は桜庭に優しく抱きついた。


それから二人の家を決め、桜庭も実家で引越しの準備をしていた。


由奈との写真を封筒にしまい、机を開けると由奈の手紙を取り出し封筒に入れた。

由奈とのペアリングも一緒の封筒に入れた。

桜庭はその封筒を鞄に入れると、車に乗り由奈のお墓に向かった。


その封筒を由奈のお墓に乗せると、手を合わせる。

「由奈…。今までありがとうな…。俺はこの人を幸せにする事にしたよ。」

そう言う桜庭の目には涙が溢れていた。

「由奈もそっちでいい男見つけろよ!もう俺の心配はいらないから!」

桜庭はハンカチを取り出し涙を拭いた。


そう言うと桜庭はもう一度手を合わせ、立ちあがり歩きだした。


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