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スレンダーなのに色々でっかい地味で気弱な中田さんをクズ彼から救った俺は、全力で彼女を可愛くしてあげたい。  作者: ファッション捜査課のスカリー


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第8話 中田さんは誰より可愛くて素敵な女の子だって俺が証明する!

いまだに涙を流し続ける中田さんに、俺は一歩踏み込むことができずにいた。

だからこそ、せめて彼女が紡ぐ言葉だけはひとつひとつ、真剣に受け止めていた——


「ごっ……ごめん……涙とまらないや……私って本当にダメだなぁ……」


涙を浮かべながら苦笑する中田さんの姿は、どこか自分を傷つけているように見えた。


そんなことない……


小さく、でも確かに胸の奥でそんな声が響く。

自分で自分を傷つけて前に進むことを諦めてしまう……俺もそうやって何度も足を止めてきた。


変わるのは怖い。失敗もある。でも、変わらないままでいることの方がずっと怖いって俺は知ってる。


「ただでさえダメダメなのに……こんな重たい女、幸せになんてなれるわけないよね……。次の先輩の彼女は寧々さんかぁ……可愛くて、スタイル良くて、いつも誰かに囲まれて…みんなの中心で笑ってて……もし私があんなふうに生まれてたら……同じようになれたのかな……?」

「中田さん………」


頬を伝った涙を服の袖で拭いながら、中田さんが冗談めいて口にしたその言葉に俺の中で何かが強く反応した。


きっとその言葉は……冗談なんかじゃない。

あんなふうに言えるってことは、まだ心の奥底に願いがあるってことだ。


眩しい人に憧れる気持ちは、誰もが胸に抱える願望だろう。

俺には無理でも彼女ならきっとできる。望んだ景色を見せてあげられる……


俺は……中田さんを誰よりも可愛くして、寧々さんなんか目じゃないくらいの最高に素敵な女の子にして、幸せを掴ませてあげたい!


ふと視線を向けると、彼女は体育座りで目を伏せ、細く綺麗な指を強く握りしめて小さく震わせていた。


きっと彼女は本当は変わりたいのに……幸せになりたいのに……その一歩が踏み出せないんだ。

彼女には変わるきっかけが必要なんだ……



それなら……俺が一緒に……!!



胸に満ちた想いがもう押さえきれなくなっていた。

一度だけ拳を強く握り、自分の弱さを振り払うように息を吐く。

そしてそっとその手を開いたとき、すぐ横には今もなお、涙を浮かべる中田さんの震える手があった。


俺はそっとその手に手の平を重ねて優しく包み込む……彼女の傷ついた心ごと抱きしめるように。


「………!?」


彼女はピクッと肩を震わせ、驚いたようにこちらを振り向く。

そんな彼女に怖じけそうになる心をグッと堪え、俺はしっかりと彼女と視線を交わした。


「中田さんの気持ち……わかる気がするよ。俺さ、両親がファッション関係の仕事してて、その影響か少し変わってる所があって…それで中学でイジメられててほぼボッチだったんだ。それが辛くて、みんなの中心にいる眩しい人を見てるといいなってずっと思って……」


「……雪村くんも……?」


「だから高校に入るときに変わりたいっ思って、思い切って言葉遣いとか、髪型とか変えて高校デビューしたんだけど……まあ、空回って失敗して、こんな感じになったんだけど……。でも、後悔はしてない。前より前向きに物事を考えられるようになったし。なにより昔の俺なら今日みたいな状況で中田さんを助けようなんて考えもしないと思うし、成長してるって思ってる……」


こんなふうに自分の気持ちを誰かに打ち明けたのは、たぶん初めてだった。

照れくささと不思議な安心感が胸に広がっていく。


中田さんは、まるで言葉の一つ一つを受け止めるように潤んだ瞳で俺を見つめ続けていた。

だからこそ……俺は思い切って彼女の本当の気持ちを尋ねた。


「中田さん……中田さんは変わりたいって思ってるんだよね?本当は……寧々さんみたいに可愛くて、みんなに愛される女の子になりたいって……」


「ゆきむら……くん……」


「まだ会ったばかりの俺がこんなことを聞くのは図々しいかもしれないけど……中田さんのことを見てるとなんだか胸が苦しくなるんだ……だから……本当の気持ちを俺に聞かせてほしい……」


「………………」


中田さんの瞳が大きく開いたまま揺れた。

俺から逸らさぬまま、キラリと光を湛えたその視線に思わず息を呑む。

重ねた手から伝わる小さな震えがまるで彼女の心を物語っているようだった。


たぶん今、中田さんは自分の過去と向き合ってるんだ。

かつての俺がそうだったように。


俺はただ、目の前の彼女を信じて見つめていた。

そして……ふたりの間の静けさを彼女のかすかな声がそっと破った。


「………………私も、本当は寧々さんみたいに可愛い女の子になりたいよ……デカ女とか芋女なんて呼ばれない素敵な女の子になりたい……。たくさんお話できる友達がいて、好きになってくれる男の子がいて……そんな普通の幸せがほしくて……でも……私なんかじゃ……」


それ以上の言葉は必要なかった。

だから俺は迷いなく彼女の弱気な言葉にかぶせるように口を開いて、その言葉をかき消した。


「そんなことない!中田さんは……中田さんは芋女なんかじゃない!誰より可愛いくて、素敵な女の子になれる才能があるんだ!寧々さんなんか目じゃないくらい輝ける才能が!!」


「えっ……?」


中田さんは呆然と口を開け、声にならない息を漏らした。

あまりの衝撃に涙を流すことすら忘れて……


「中田さんのその高い身長も、スタイルも、綺麗な肌も、本当に魅力的だし……眼鏡の奥に隠れてた素顔だって、アイドルに負けないくらい可愛いんだよ!……俺、両親の仕事の関係でモデルさんとかと会う機会もあるけど、中田さんより可愛い人なんて見たことない!それくらい君は素敵な女の子になれる才能を持ってるんだ!!今日会ったばかりの変な男の言葉かもしれないけど……これだけは信じてほしい!」


彼女の頬が見る見るうちに朱く染まっていく。

自分でも相当なセリフを言った自覚はある。

だけど……これは嘘じゃない。本気で思ってることだ。


「オシャレが苦手なら俺が全力でサポートする!俺が中田さんを絶対に可愛くしてみせる!昔、中田さんをバカにしてたやつが驚くくらい、中田さんを弄んだ後藤が悔しがるくらい、中田さんに酷く当たってきた連中を見返せるくらいに!」


「………っ!?」


「だから……一歩踏み出してみようよ!俺が全力で手伝うから!中田さんが誰よりも可愛くて素敵な女の子だって証明してみせるから!」


「ゆっ……雪村くん……!?」


「中田さんっ、今はチャンスなんだ!10月の文化祭のミスコンに出てみない!?それまでにみんなが驚くくらい可愛くなって、舞台の上で中田さんが学園の中で一番可愛い女の子だって見せつけてやろうよ!」


俺の熱のこもった声が部屋中に響き渡る。

涙が止まった中田さんは、思わぬ提案に目をパチパチさせながら俺を見つめていた。


それでも、俺は信じて疑わなかった……彼女は誰よりも可愛くなれるって——



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