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スレンダーなのに色々でっかい地味で気弱な中田さんをクズ彼から救った俺は、全力で彼女を可愛くしてあげたい。  作者: ファッション捜査課のスカリー


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第13話 初めての○○

気まずかった空気は、いつの間にかカフェのBGMと共に消え、中田さんと隣り合わせで座る俺は気付けば自然と笑顔で彼女と話し込んでいた——


彼女の口からデートなんて言葉が出た時は正直焦ったが、あれは言葉のあやだろう。

それ以降は、異性の友達同士みたいな軽い話題で楽しく会話が続いているし、なんだかとても心地良い。

このくらいの距離感が今の俺にはちょうどいいのかもしれない。


そんな折、俺のポケットの中でスマホがブルッと震え、俺たちの間の空気を少し変ええた。


「ん?」

「どしたの?雪村くん?」

「中田さん、ちょっとごめん……」


彼女に一言添えてポケットに手を差し込みスマホを取り出す。

画面に映った通知は親からの1件。そして時間は……思ったよりずいぶん経っていた。


そもそも俺のスマホはまず鳴らない。

連絡してくるのは両親とたまに幼馴染み。それ以外はyo○tubeの通知が一人で鳴ってるだけだ。


俺は内容は確認はせずそっとスマホをポケットに戻して中田さんに視線を戻すが、なんか急に現実に引き戻された気がして残念な気持ちになる。


「けっこう俺たち話し込んじゃったね、もうこんな時間だよ」

「えっ、そんなに!?………あっ!?ほんとだっ、もう6時過ぎっ!?」


「そろそろ、帰らないといけないよね……?」

「うん……そうだけど、もっとお話してたかったなぁ……」


しゅんとした顔で肩を落とす中田さん。

眉を下げたその表情がやたらと胸に刺さる。


もちろん俺だって出来ればまだ帰りたくなんかない。

だけど、流石にこれ以上遅くまで女の子を引っ張り回すのはちょっと気が引ける。


そう考えた俺は今が絶好のタイミングだと感じて鞄に手を伸ばし、中から小さく小綺麗な袋を取り出すと、彼女にそっと差し出した。


「そうだ、ねぇ中田さん……これ、貰ってくれる?」


急な俺の行動に中田さんは目をぱちくりさせながらそれを受け取り、丁寧に袋の中を覗き込む。


「ん……?コレ……なに?」

「開けてみて?」


彼女は恐る恐る袋の中に手を伸ばし小さなラッピングを取り出した。それは筆箱サイズのふわっと可愛い包み。


そのラッピングを丁寧にほどく指先はなんだか少し緊張しているみたいだ。


中から出てきた白い眼鏡ケースを、彼女がゆっくりと開くと……そこには、あのゴールドフレームの丸眼鏡が誇らしげに収まっていた。


「えっ!?……雪村くんこれって!?」


「中田さんはコンタクトが一番いいけど、その眼鏡も凄く似合ってたから……これは俺からのプレゼント。まだレンズが入ってないから伊達めがねになっちゃうけど、レンズを入れて貰えば普段使い出来るよ」


「えっ!?……えっ!?……これいつ買ったの?」

「それは……中田さんが視力検査してるときに……ちょっと……」


最初は違う目的だったが、結果オーライってやつだ。

目の前では、まだ現実を処理しきれていない中田さんが、ぽかーんとした表情のまま眼鏡から俺へとゆっくり視線を向けてくる。


「雪村くんっ……すごい嬉しいよ?嬉しいけど……なんでこんなこと……?」

「それは、ほらっ……そもそも中田さんの眼鏡壊しちゃったの俺の責任もあるし……可愛くするって約束したし……」


「……………ほんとにこの眼鏡、もらっていいの……?コレすっごい高かったよ?」

「いいのいいの!俺バイトしてるし……だから気にしないで貰ってほしいな」


まだどこか遠慮がちな中田さん。

だけど俺の言葉がちゃんと届いたのか、ようやく彼女はそれを受け取ってくれたようだ。


一度、眼鏡をケースごと慎重にテーブルに置いた彼女は、震える唇のままゆっくりと俺に向き直り、まっすぐ視線が重なった。


次の瞬間——


「…………雪村くんっ!ありがとうっ!」



     むにゅん………♡



「なっ!?なかたさっ……!?」


突然、真正面から抱きついてきた中田さんに俺は思わず驚きの声を上げてしまった。

人生初のハグ。これが……ハグ!?……ヤバい。


彼女の髪から漂う暴力的ないい匂い。そして胸元に押し寄せる柔らかな……中田さんのでっかいおっぱいの感触。


頭に一気に血が上り、顔面が火照り始めてしまう。


そんな俺を包み込むように抱きしめながら、彼女は薄手のTシャツ越しにその爆乳をグイグイと押し当てて、嬉しそうに俺の耳元で囁いてきた。


「私すっごく嬉しい!この眼鏡ずっと、ず〜〜〜〜っと大事にするね!ありがとう雪村くんっ♡」


「うんうん!わかった!喜んでくれて俺も嬉しいよ!ああっ!?」


………やばいやばいやばい!今日いちヤバい!?中田さんのおおおおっおっぱいが、ダイレクトに!ふわふわでマシュマロみたいで気持ちぃ〜………


限界を超えた刺激に、体が固まってしまって動けない。

かといってこの状況はマズイ。


俺は理性を振り絞り、抱きしめてくれている中田さんにかすれた声をなんとか届けた。


「ななっ……中田さん!?一旦……一旦その……抱きつくのを……そのっ……」

「……抱きつく……?………はっ!?………ごごごごめんっ雪村くん!」


胸に感じていた、ぷるぷるふわふわの感触がふっと離れていく。

どうやら俺の言葉に気づき、中田さんは慌てて腕を外し少しだけ距離を取ってくれた。


安堵と名残惜しさとまだ暴走気味の心臓の音に、俺は思わず苦笑いを漏らしてしまった。


「ごめん、急に抱きついたりして……ちょっと嬉しすぎて……私、初めてプレゼントなんて貰ったから……嫌だったよね?」


「全然嫌じゃないよ!嫌じゃない!ちょっとびっくりしただけ!中田さんに喜んでもらえて俺も嬉しいよ」


「ほんとに……?」

「マジで!」


こんなにも喜んでくれるなんて思ってもみなかった。

その笑顔を見てるだけで胸がぎゅっとなって、なんだかこっちまで嬉しくなる。


とはいえ、彼女のおっぱいの感触まで思い出してしまって、つい顔が熱を帯びてしまった俺は、この空気を一度リセットしようと喜びオーラ全開の中田さんにそっと声をかけた。


「じゃ……じゃあ……遅くなるのもあれだから、そろそろお店出ようか?」

「……うんっ!」


目の前に咲いた中田さんの笑顔。それはあまりにも可愛すぎた。

思わず口元が緩みそうになった俺は、その顔を悟られまいと席を立ち、中田さんと一緒にカフェを後にする。


こうして、俺の人生初の女の子へのプレゼントは大成功を収めたのだった——



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