表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この万年筆で、私の人生を取り戻す ―父が見捨てた工房から始まる領地再建記―  作者: しぃ太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/12

プロローグ

※本作は全14話で完結予定です。

よろしくお願いします。


「どうしてお姉様が!結婚も決まっていたのに……」


 私は、姉の袖口を握りしめた。それを優しく、引き剥がしていく。


「ねぇ、マレッタ。私は都合がいいから利用された。それだけよ」

「……納得出来ないわ。誰かに相談してみる」


 そう決意して、家を飛び出した。

 行き先は決まっていた。


「サミュエル!」


 彼は幼馴染で、私が一番に信頼を置く人物だった。


「マレッタ。……君の姉上の話は聞いたよ」

「私、どうすればいいかわからないの」


 溜め込んだ感情を彼にぶつけた。

 どこにもやり場のない怒りが胸に渦巻いて、言葉が溢れてくる。


「……諦めるしかないんじゃないかな。そこまで不幸な話でもないと思う」


 彼は私から視線を逸らした。

 そして、貴族として正しいことを告げた。


「きみの姉だって……富豪に嫁ぐんだろう」

「でも! 二十も上の、後妻としてよ!」

「政略結婚なんて珍しくない。世の中の女性のほとんどがそうだ」

「でも……婚約してたのよ。幸せそうだったのよ……」

「……俺は、君が同じ目に遭わなくてよかったと思ってる」

「……!」


「あなたも……同じ事を言うのね……」


 そして、姉は実質売られるように、嫁いで行った。

 元婚約者と私に、得意だった刺繍を残して。


 私は、その刺繍入りのハンカチを握り締めて誓った。


「男に人生を左右されない生き方をする」と。


 ――それが、十九歳の夜だった。


 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

もし物語を楽しんでいただけましたら、

評価やブックマークで応援していただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ