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15.実は誰よりも可哀想なオスカーさま……

平日は2~3日で更新出来れば、なんて……やっぱり無理だった。しょん(´・ω・`)

どんだけ文章入力遅いねん。


後、感想下さった方、この通り亀入力なので返信に時間は割けませんが、励みになります。

ありがとうございます。


前半はオスカー(ユーキ父)視点になります。

 


 ◇◇◇ 

 



 ーーコンコン



 「入れ」


 「オスカー様、失礼致します」


 「ガートルードか、どうした」


 「は。先程魔導研究所からの報告で、先日探魔石に一瞬ではありましたが反応があったとの事。

 誤作動の可能性も考えられますが、念のためご報告を。」


 「ふむ、それ以後の反応は無いのか?」


 「はい。その一度だけの様です」


 「そうか……」


 「また同日、普人族の神殿に派遣している者より、天命石の儀で気になる者達がいた、と報告がありました。」


 「普人族?」


 「はい。見た感じは普通の祖父母と孫娘の様だったらいいのですが、三人共に色合いが普人族には余り出ない髪色で蘇芳、紫苑、銀だったと。

 また、メタルピースが【銅】に見えたらしいとの事。

 そして遠目からでしたがその内の祖母らしき人物が、確かに見た目は歳を召されていた様ですが……ナディア様に似ていた、との事でした。」


 「ナディア殿か……」


 「如何なさいますか?」


 「確かに普人族では珍しい髪色や魔力の高さだろうが……わたしが捜しているのは、彼女(ナッキリーヌ)の他には天人族か魔人族の五十歳前後の者だからな……ナディア殿に似ていた者がいたと言うのは気にはなるが、年齢が合わないし他人の空似とも考えられる。取り敢えず、普人族の方は良い。

 探魔石の方は引き続き魔力探査を行ってくれ」


 「は、畏まりました。それでは失礼致します」




 ……ナッキリーヌ……君がいなくなって早五十年、か……

 わたしは、君が亡くなったとは未だに信じられぬ。


 あの日、わたしは公務のため王都を離れ、馬車で約二週間程の所にあるカッシーナの神殿を訪れていた。

 私用であれば転移陣で一瞬なのだが、公務となるとそう言う訳にはいかぬ。

 街道沿いにある街や村などに寄り、視察や観光消費による経済効果をもたらすのも公務の一環なのだ。


 普段ならナッキリーヌも同行するのだが、彼女(ナッキリーヌ)のお腹の中には待望の我が子が宿っており、わたしも長期不在になることから、大事を取って彼女の生家に戻ってもらうことにした。

 あちらにはルーファス殿もナディア殿もいるので安心出来るし、いつも彼女の身の回りの世話をしている女官も付けた。

 また、彼女も慣れた家にいる事で心穏やかに過ごせると思ったからだ。



 あの当時、わたしが第二、第三の妻を娶った辺りから彼女の笑顔に翳りが見え始めた。

 それは分かっていたが……わたしも好き好んで他の妻を娶った訳では無い。


 彼女(ナッキリーヌ)を娶る際、天人族、また魔人族の貴族の間で揉め事が起きた。

 紆余曲折を経て彼女と一緒になる事は出来たが、その際の条件として、第二夫人のガートルード(魔人族の問題児)と第三夫人のソフィア(天人族の問題児)を娶る事となった。

 しかし、流石にわたしも愛するナッキリーヌと暫くは二人で過ごしたかったので、数年は待ってもらったがな。



 正直、問題児を押し付けられたと言っても過言ではない。

 実際に彼女達の破天荒ぶりと言ったら……ま、まぁ、仕事に関しては有能なので今は腹心の部下として重宝しているのだが。

 そう、彼女達は名目上「妻」となっているが実際は部下として働いて貰っている。

 わたしがナッキリーヌ以外に愛せないと言うのもあるが、実はあの二人は同性だが恋人同士だ。


 色々……そう、本当に色々な事があったらしい……そのことは関係者各位においては心中察するが、くっ、人の弱みに付け込んで面倒を丸投げしおって。


 この件は正式に魔法契約書を取り交わしているので内容を口外するわけにはいかなかった、そう、ナッキリーヌにさえも。

 だが、本当の妻は彼女だけだと態度にも表していたし、事実そうだった。





 ーー思い出すのも忌まわしいあの日。

 あの日は数日前からの雨で川が増水し、橋を渡るのが危険と判断され、カッシーナの手前の村で足止めをくっていた。

 漸くカッシーナの神殿に着いたのは予定より一日半遅れだった。

 そこに緊急通信が入っており、彼女(ナッキリーヌ)の乗った馬車が魔物に襲われて行方不明となっているとの事だった。


 眼前暗黒感を覚えた。

 何故、馬車に?何故、魔物が出るような場所に?何故、わたしが居ない間に?何故?何故?

 

 勿論直ぐにでも彼女の元に駆け付けたかったが、其れで無くとも一日半遅れ、況してや公務で訪れているわたしが出席しない訳にもいかず……


 「聖女なのだし、彼女ほどの魔法の使い手なら大丈夫だ」と自分の心に言い聞かし、何とか式典は遣り過ごした。

 関係者もこちらの事情を察してくれ、式典以外の参加は考慮してくれた。


 連絡のあった日より二日遅れて神殿の転移陣で戻ったのだが……



 わたしの目の前には馬車の残骸と、当日彼女が身に付けていたという、元は上着だったであろう汚れた布切れだけがあった。


 「っーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

 馬車が崖から転落し、彼女は川に投げ出されたと言う。

 その際、気を失っていた為に魔法が使えなかったのではないかと助け出された者が言っていた。


 そんなの嘘だ、そんな筈など無い。

 彼女はああ見えて大層活発な面もあったのだ。

 彼女なら転落の前に何かしらの対策をする筈だ、お腹の子諸共そのまま無防備に落ちることなど有り得ない。


 しかしそれから一ヶ月、自ら近辺を探したが彼女の痕跡すら見つからなかったーーー


 合わせて、魔導研究所に彼女の魔力に反応する探魔石も作らせ、探させているが反応は無かった。

 彼女に似た者を見たとの情報には、出来うる限りその地に赴き探したが……別人だった。

 そんなことを何度も何度も繰り返したーーー



 あれから五十年、今でも君を探している、が……

 わたしは君がいないと認めたくないだけなのかもしれないな……


 




 ◇◇◇

  


 


 姿を戻した爺さまと婆さまを見て驚愕したよ。


 まず爺さま。

 髪は黒味を帯びた赤色で、蘇芳色って言うんですかね、んで、瞳はダイアモ……違う違うそりゃあ歌のタイトルだよ。

 えーっと、瞳はエメラルドグリーンだね。

 

 姿を変えてたときも色合いは同じだけど、髪は白髪混じりのくすんだ赤だったし、瞳の色だってもっとグレー掛かってたもん。

 年相応に見えていたというか、うん。芸が細かいね。

 

 背も伸びたと言うか、背筋伸ばしてシャンとした感じで、180㎝はありそう。

 そして何よりも、キリッとした感じのイッケメーン!!

 どこの乙女ゲームキャラですかぁ


 そして婆さま。

 髪は少し青味のある薄い紫色、紫苑色だね。瞳はサファイアブルー。

 ……てっきり髪の色はあの、白髪を綺麗に見せる為に紫色を入れるご年輩様特有のアレ、かと思ってたよ。ハハ。

 

 顔はクールビューティー系の美人さんでー……

 んで、“ぼんきゅっぼん”。そう、まさしく見本のような“ぼんきゅっぼん”ですよ。

 サイズ的にはマスクメロンですかねー、重力無視。うん、無重力と言っても過言では無い!



 でも、まー見事に色合いが華やかだね。もうね瞳の色がガラス玉みたい、キラキラだよ。

 よく小説や乙女ゲームのキャラでこんな色合いのヤツいないよ(笑)と思ってたけど、いたわ。


 えーっと、たしかお父さんが銀髪に紫の瞳で、お母さんが髪がローズピンクで瞳がエメラルドグリーンかぁ……まんま乙女ゲームのヒロイン色だね。


 因みに、この世界の全員こんな色合いなのかと思って聞いたら、普人族はもう少し地味(?)な色で、灰系、茶系、紺系、深緑系が多いんだって。

 

 わたしは銀髪に瞳はエメラルドグリーン。二人の色を受け継いでちょっと嬉しいかな。エへ。

 うーん、今のままじゃちょっと鮮やか過ぎるけど、もう少し色味を抑えればこのまま普人族でも違和感無いかなぁ、灰系や深緑系に寄せてね。

 



 それじゃーこれから色々相談して擬装工作でもしますかぁ

 来年から基礎学校だし、モブに徹するのだ。


 この世界では六歳から二年間、基礎学校に通わなくちゃならない、向こうで言う義務教育だ。

 これは内人族、獣人族、外人族全て同じシステム。


 この二年間で常識や基本的な魔法の使い方などを学ぶ。

 その後、貴族や魔法の才能のある者、また専門知識を身につけたい者は任意で高等学校に進む。

 向こうでの高校や大学みたいな感じ。


 あ、モブに徹するならステータスだけじゃ無く、力加減を抑えた練習もしなくちゃだね。

 今の自分の最大値も知った上で加減を覚えなければ。うんうん。


 これから忙しくなるけど、ワクワクもしてる!取り敢えず頑張るぞー

 あ、ブラン未だ寝てる、これから一緒にいるんだから君も話に混じってよ。


 

オスカー様は嫁に誤解され、逃げられ、挙げ句周りから死んだと聞かされています。

一番可哀想なのは間違いなくこの人(涙)


取りあえず、第一章は終了となります。

人物紹介をはさみ第二章となりますので、宜しければまたお付き合い下さい。


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