第9話 終戦
ケシモモの実をなんとか倒れている仲間たちに渡し終えた男。戦いもようやく終戦を迎え、騒然とした戦場は生き残った生者と敵にやられ散っていった死者だけとなる。
結果、この戦いを制したのは金髪の男が率いた軍であった。
「お仲間さんたちは大丈夫そうですか?」
「あぁ、お前の能力のおかげで助かった」
「私のちから……??」
「お前、まさか……自分の種族のことなのに何も知らないのか?」
「え、えーっと……」
男の質問に目をそっと反らした蕾。そんな様子を見て男は呆れたような溜息をこぼす。
「はぁ……詳しいことは国に帰ったら、話してやる」
「エッ」
「ついてくるよな?」
差し伸べられたゴツゴツとした大きな手。また『ゴゴゴォ……!』っと、男性の背中から迫力のあるオーラが流れてくる。
『こ、ここでもし断ったら私食べられちゃうかもっ!?』
そんなことを考えると、ガクガクと体の震えるが止まらなくなった。
「は、ハイッ……!ヨロコンデ」
顔色を真っ青にし、若干涙目になりながらも皮膚が厚く、ゴツゴツとした男の人の手に大人しく乗った蕾。
「よ、よろしくお願いします……!」
「あぁ」
ぷるぷると小動物みたいに震える蕾。そんな蕾の様子を見た金髪の男性は……。
キュン。
「ん?」
『今、変な胸の動悸がしたような……』
蕾の姿を見て、変に疼いた胸の鼓動に、胸を押さえた男。
「??ど、どうかしましたか……?」
「いや、何でもない……」
何故か赤くなった顔が恥ずかしく、男は蕾に見られぬよう顔を反らした。
次、金髪の男が率いる軍が目指すは男の故郷である、古都『ベレストル』であった……。