表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
365個の物語  作者: ひなた
卯月 嘘と本当
96/365

卯月六日

  大雨で 桜が散りゆく 哀しさや


 この季節に、大雨というのは止めてもらいたい。

 せっかく咲いた桜が、散っていってしまうから。

 一年を掛けて輝くばかりに咲き誇るその花を、自ら望むときに散らせずして、雨の力により散らせてしまうというのは、あまりに哀しいではないか。

 家の中でそれを眺めている僕は、そうしたら、一体何になるのだろう。

 救うこともできず、ただその哀しくも美しいさまを、観賞している僕は何になるのだろう。

 哀しさを美と繋げている僕は、咲き誇る花たちにとって、何になっているのだろうか?

 これを美しさと詠んでしまったら、僕は、桜を裏切ることになっている。

 散らされる花たちの虚しい夢こそを、望んでしまっているのだから。

 どの桜をも、慈しんでいるくせして、散り際こそを美としてしまっているのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ