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365個の物語  作者: ひなた
弥生 迷いと別れ
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弥生三十一日

  今日きりで 二人の道は ばらばらに


 本当に最後の日だね。

 卒業式も悲しかったけれど、なんだかんだいって、まだ学校で会える日が残っていたから。泣いてはしまったけれど、あれはあくまでも、あのムードに別れを感じてしまっただけだし。

 それでも今日は本当の本当に最後なのだ。

 今日きりで同じ学校に通っているという、その肩書さえも失ってしまい、僕と君との接点はないものになってしまう。

 完全に二人の道はばらばらになってしまうのだ。

 僕は僕で、君は君で、自分自身で選んだ道なのだから、選択を後悔するつもりはない。

 けれども別れというものは大きくて、どれほどまでに、僕にとって君という人が大きなものになっていたかを知る。

 大切だから悲しくて、悲しいからこそ大切さを知る。

 こんなのはあまりにも哀しいと思う。

「またね」

「うん、またね」

 いつものように手を振って、笑顔で別れるけれど、これが最後だと思うと、君に背を向けた途端に涙が溢れてきた。

 この状態じゃ、名残惜しさに振り向くこともできないや。

 振り向かない僕のこと、どう思っているのかな?

 情けない? 冷たい? 男らしい?

 正解は情けなさなのだけれど、潔いとか思ってくれたら嬉しいかな、なんて。

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