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365個の物語  作者: ひなた
弥生 ホワイトデーの涙
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弥生十五日

  遅いよと 一日遅れと 笑う君

    お互い様だと 笑う幸せ


 彼女を探していて、やっと会うことができた。

 昨日手にした答えを持って、彼女に会うことができた。

「遅いよ」

 僕がお返しだと渡したなら、彼女はそう言った。

 笑顔で、けれども不安そうな顔で、そう言った。

「一日遅れなのは、お互い様でしょ?」

 僕たちのバレンタインデーは二月十五日で、僕たちのホワイトデーは三月十五日なんだ、きっと。

 二人の書いた手紙は、お互いの中に暖かく広がっている。

 こうして笑い合うことの幸せを、僕はなんとせんか。

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