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365個の物語  作者: ひなた
如月 インフルエンザ大流行
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如月二十三日

  だれよりも うつしたくない 君なのに


 大好きな人。大切な人。

 お見舞いに来てくれたのは、すごく、それはもう苦しさだって忘れてしまうくらいに、嬉しいことである。こんな嬉しいことが他にあるだろうか。辛さにも、勝る喜びであった。

 とはいえ、そんなことを喜んではいられない。

 嬉しさは消えるはずもないけれど、喜んではいけないと思った。

 だって君はとても大切な人だから。

 この辛さを君に味わってほしくなんてない。

 僕のせいで君が苦しむだなんて、絶対に嫌だ。

「手、握っていてあげるよ。そうしたら、少しは安心するんじゃない?」

 絶対にうつしくない。君にだけはうつしたくない。

 だのに、優しく君がそう言ってくれると、弱い僕の意思は、崩れてしまうのだった。

 あまりに優しくしてくれるものだから、甘えるように、手を伸ばしてしまうのであった。

 君の隣にいると、ひどく甘えん坊になってしまうのかもしれないね。

 顔が赤くなっているのは、病気のせいばかりじゃないような気がした。

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