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365個の物語  作者: ひなた
如月 チョコレートは恋の味
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如月十五日

  「ごめんね」と 微笑む君が 手に持った

        箱には淡い 夢が詰まって


「あ、あのっ」

 後ろから声を掛けられて、振り返ってみると、そこにはクラスメートの女の子がいた。

 仲の良い方だとは思うけれど、こうして彼女から声を掛けてくれることは少ない。話し掛けられただけで、これだけどぎまぎしているのだから、仲良しというのも独り善がりなのかもしれない。

 僕の憧れの人であり、願わくば一生をともに……なんて考えると恥ずかしくなるからやっぱやめた!

 とにかく、僕は彼女のことが好きなのである。

「ごめんね。今日、もう二月十五日……」

 いつもは自然に話せていると思うのだが、今日は彼女も、どこか緊張しているようだった。

 突然謝って、今日の日付を言って、どうしたのだろうか?

 不思議に思っていると、彼女は僕に、可愛らしい包装に包まれた小さな箱を差し出してきた。

「本当は昨日あげるつもりだったんだけど、一日遅れちゃって、本当にごめんね。受け取ってくれないかな……?」

 それって、もしかして、もしかするのかもしれない。

 僕は彼女からその箱を受け取ると、お礼を言って、逃げるようにその場を走り去ってしまっていた。

 だって、あのまま彼女と一緒にいたら、おかしくなってしまいそうだったから。

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