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365個の物語  作者: ひなた
如月 君の素直なところが見たくて
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45/365

如月十四日

  チョコレート どこかにないか 探すけど

       どこも空っぽ 妄想消ゆる


 今日はバレンタイン。

 今まで誰にもバレずに、上手く隠していたけれど、本当は僕のことが好きなんだという人が、勇気を出して想いを伝えてくれるかもしれない。

 今日は告白されるチャンスなんだ。

 まず登校して、下駄箱を確認。

 チョコレートらしきものはない。食べ物を入れる場所として、下駄箱を選びたくなかったのだろう、きっとそうだ。

 次に確認したのは、机の中。

 ここにもチョコレートらしきものはない。気付かずに教科書類を入れてしまい、チョコレートが潰れてしまうのを、防ぐためだろうか。

 それじゃあ、ロッカーは? もしかしたら、僕のバッグの中に忍ばせてあるのかもしれない。

 ここにもない。ここにもない。ここにもない。ここにもない……。

 でもそうなると、どこにあるというんだろう?

 気持ちを隠すのが上手な人だから、チョコレートを隠すのも上手ってことなの?

 この隠れた気持ちを知りたいなら、どこかに隠されたチョコレートを、見つけてみせてなさいってことなの?

 ああ、僕には無理だよ。

 なんの手掛かりもなしに、チョコレートを見つけ出すことなんて。

 もうちょっと素直になっておくれよ。

 え、わかっているよ? 僕宛のチョコレート、なかったんだろう?

 認めたくなかったのさ……。消えて行く妄想に縋りたかったんだ、それくらい良いじゃないか。

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