如月一日
抱き寄せた 腕に温もり 見つからず
徐にただ 雪を掘る日に
どこにいるの。どうして会ってくれないの。
もしかして僕のこと、嫌いになっちゃったの……?
嫌だよ。
僕は貴方のことが大好きなのに、別れるだなんてそんなの嫌だよ。
貴方の影を抱き寄せるけれど、そこに温もりなんて見つけることはできなかった。
そうだ、そうだった、貴方は死んでしまったのだった。
僕を置いて、いなくなったしまったんだ。
ずっと一緒にいようと、永遠を誓ったというのに、貴方はいなくなってしまった。
あっさり僕の腕から抜けて、手の届かないところへ逝ってしまった。
どんなに待っても願っても、貴方に会うことはできない。そんなことはわかっているのに、冬が訪れる度に、貴方のことを思い、貴方のことを待ってしまう。
僕は貴方のことが忘れられない。忘れられなくて、会いたくて……苦しい。
貴方にはこんな思いになってほしくない。
だから貴方が、僕を忘れてくれていると良いな……。
忘れられなくて、苦しい想いをするのなんて、僕だけで良いから。
「あぁあああああああああああああ!!」
降り積もった雪に向かって叫び、貴方がそこにいるのではないかと、本能のままに雪を掘った。
”諦めの悪い。もうあの人はいないのだ。今更、何をしたところで、あの人を取り戻すことはできない。お前に残ったのは、あの人を助けられなかった罪。そして、この先も一人で生き続ける罰だけだ”
心の中で、冷静な僕が毒づくけれど、そう簡単に諦めることも認めることもできなかった。
貴方のことを、愛しているんだ。




