睦月二十五日
寒さゆえ その言いわけは 有効で
冷たい君の 温もりを知る
今日は本当に寒い。
今日はというか、今週は本当に寒い。
今週はというか、今月は、というか今年は。
というか、冬は本当に寒い。とても寒い。
「寒いからさ、一緒にいたいな。傍にいると温かいでしょ?」
顔を赤くして俯きながらそう言ってきたのは、俺の彼女かつ超絶美少女である。
いつもは付き合っているとは思えないほど、俺の扱いは最悪。恋人だなんて名前だけで、このクールビューティーは、可愛らしい外見にそぐわない暴言を吐く。
だから、こんなことを言ってくるとは思わなかったのだ。
動揺したら彼女の思うつぼだと思うのに、自分に嘘は吐けなかった。
「寒いから。そうよ、寒いからよ。あたしが特別にあんたを温めてあげるから、あんたもあたしを温めること、許可するわよ」
せっかく優しいと思ったのに、すぐにこうしていつもの上から目線だ。
今日の上から目線は随分と可愛い上から目線だから、苦しいくらいに幸せなのだけれどね。
「あぁ、温かい。お前も温かいか?」
「えぇ、そうね、温かいわ。とても、とっても」
彼女から彼。短歌に関しては、連歌だと思ってもらえると、文章とも合うんじゃないかと思います。文章の方は普通に、終始彼目線ですよ?
そして最後、二人は何をなさっているのでしょうね。うふふふふふふ。




