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僕らはいつも一緒  作者: きゃっくん【小奏潤】
第1章 友だち
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第02話 はじまり2~多奈川さんと日辻~

 公立高校と私立高校の行事の共同開催。これは過去に全国48都道府県……を見ても前例がないだろう。


 ――あれ? 全国47都道府県だっけ?


 そのために生徒会長を筆頭に何人もの生徒がお互いの学校を行き来してる。チラッと見た感じでは西馬の生徒会長はマジメな優等生を絵に表わしたような雰囲気だった。

 対して、こちらの宝賀の生徒会長の校内評価は『恋愛において一途だけどその他は優柔不断』『副会長たちがいないと無能』『転校生』だ。


 宝賀の生徒会長、ろくな評価がないな。事実なのは転校生だけだろう。……それも1年の頃の話なのになぁ。


 僕は特別、生徒会長と面識があるわけではない。一方的に認知してるだけだ。生徒会で面識があるのは会計の多奈川(タナガワ)さんだけだ。


 多奈川 夏美(ナツミ)


 彼女とは1年の学校主催の夏期講習で席が近くてよく話した。


 とある夏期講習の昼休憩の事だ。なぜか味來の話をした。そう、生まれてから保育園卒園までは友だちだった話をした。なお、味來は小学校に関しては私立の女子校に行った。そこが合わなさ過ぎて中学校から公立に戻ってきた。


「えー、沢村くんにもそんな友だちがいたんだー!」

「『にも』ってことは、多奈川さんにもそういう友だちいたの?」

「そうそう、私は生まれてから5歳くらいまでの男の子の友だちがいたなぁ。カッコよかったなぁ、あの子」

「よく覚えてるね」

「えー、あれは私がいい子でいようって思うようになった出会いだもん」

「いや、早いな!!」


 この多奈川さんの幼少期の友だちこそが現生徒会長だ。


 ……そんな生徒会長が恋愛的にマジメなのか? 幼少期からの友だちと再会しても好きになることもなく、中等部の後輩と付き合うのだから。


 僕なら後輩よりも昔から付き合いがあった多奈川さんを選ぶけどなぁ。


 なお、多奈川さんの『いい子』でいようと思ったのはサンタの存在を4歳の広瀬(ヒロセ)生徒会長が力説しているのを聞いて強く思ったらしい。今も会長にはその名残はあるらしい。



 

 ふらふらと放課後の校内を去ろうとしてるところに女子の声がしてきた。


「ちょっと」

  

 ん? どこかから僕を呼ぶ声がしたような……。


「ちょっと、沢村くん、ちょっと手伝って!!」

「ちょっ、多奈川さん? 彼氏はいいの?」

日辻(ヒツジ)くんの許可はもらってるー」


 僕を見るなり問答無用にグイグイ腕を引っ張って西馬高校に向かう。そうだよなぁ、多奈川さんの彼氏って日辻だもんなぁ。


 日辻 健司(ケンジ)

 

 僕の他クラスの友だちで元野球部だ。野球部ではレフトを担当していたらしい。1年の2学期になった頃から野球部をサボりがちになり多奈川さんと付き合うことになり『彼女との時間が欲しいです』ということで退部したと聞いている。

 

 それはそうと、日辻はBLマンガが大好きな中学生だったらしい。それをこじらせて現実の距離感がバグってる男子同士をよくカップリングしていた。結果、男子からキモがられ、女子とは距離感がバグった友達となった。そして、普通ならば女たらしとウワサが流れるところだ。しかし、中学生の日辻がしたのは男子同士のBLの妄想だ。そのせいで同性愛者とウワサされた。

 宝賀に入学した日辻は陰キャでオタクな僕と友だちになった。理由は()()()()と同じ匂いがするからだったと最近聞いた。

 

 確かに、日辻と知り合ったのは当時2年の野球部の先輩が痴漢ごっこをしていたところを『うわ〜、こんな高校生になりたくねぇ』と見ていた時だ。なぜ、それを見た日辻が『BLの妄想』をしてそうと思ったかというと、先輩が他の先輩のおしりを触っていた瞬間に『うわっ』と僕が縦に首を振っていたからだ。そう、他者から見れば『うんうん』『いいぞ、もっとやれ』と肯定的に捉えられるだろう。ただ、それだけで勘違いされそうになった。


 ――それだけで僕と日辻はよく友だちになったな。


 噂をすれば影。西馬高校に向けて早歩きで向かうため、袖をつままれた状態で早歩きしている僕と多奈川さんを日辻が見つけた。


「多奈川さん、行ってら」


 何かが引っかかる。このカップル何か変。


 校門を出てすぐに気づいた。

 

「そういえば付き合ってからけっこう経ってるのにまだ苗字呼び……?」


 それを言うと多奈川さんは止まった。つまんでいる袖の力を強くしてなんとも言えない笑顔を俺に向けた。僕はその笑顔も怖かったが、たゆんと揺れた胸に目がいった。


「そうなんだよ!! 沢村くん、ひどくない!? かれこれ季節は1つ終わる以上は付き合ってるのに、まだ苗字呼びなんだよ!! 付き合ってから何回も名前呼びにしようって話したのに、私を()()みたいに見てるんだよ!?」

「日辻の過去のことはちょっとはわかるけど、きっと『照れ』とか、俺の彼女『マジ神』と思ってるのかもしれないよ」

「そうかな? それも大事だけど、今はそれじゃないや。後にでもカフェで沢村くんの知ってる日辻くんの過去の話聞かせて!! 早く西馬高校に行かなきゃ。(ジン)くん、ボケーとしてたせいで西馬高校との体育祭の打ち合わせで使う大事な書類を英単語の小テストと間違えて持って行っちゃった」

第03話 はじまり3~生徒会長と多奈川さん~

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