厄介なユリウス
「本当にユーリなのか?」
「え?父さん、息子の顔を忘れたの…」
うわぁ~、ショックだよこれ~
確かにかなり寄り道してアラムスに帰ってきたけどさぁ、そりゃないよ!
「いや、大きくなってるけど見た目は間違いなくユリウスだよ。ただ、そのー、ね?あれ…」
父さんが魔王の亡骸を指さした。
「あー、大人しく退いてくれれば良いのにね
魔神の魔力で急に強くなったもんだからなんか
実力を勘違いしちゃってるんだよね」
「いやいやいや、そこじゃなくて…」
「え?」
どの点について?
「ユリウス、もういい。こういう場合、お前では話が進まん…」
「な、ゼクス失礼なっ!」
「事実だろこの天然が」
「ミリアルドまで!」
「にしし、間違いないよね。論点が噛み合ってないもんね(笑)」
「フミには言われたくない!」
「みんなユーリ君に失礼ですっ!もうっ…」
このやり取り、間違いなくあの5人だ
希望を捨てずにはいたが、どこか諦めていた
でも、みんな帰ってきた…
「お帰り、ユリウス…みんなも…」
「「「「「ただいまっ!」」」」」
王都への帰路を行くアラムス兵と5聖騎士
ラインとユリウスは空白の6年を埋めるように
会話が盛り上がっていた。
「にしてもどこに居たんだ?」
「転移魔法に呑まれたあとはガリア大陸の端に飛ばされて、そこからなんやかんやでベルク大陸を経由してたんだよ」
「なんやかんやって?」
「旅でお世話になった人たちに害を与える魔族の討伐とか復興の手伝いとかだよ」
よかった。ユリウスは変わっていない。
6年で辛いことも沢山あっただろうに
お世話になった人への恩返しをしながら帰ってきたため、時間がかかったと。
優しいユリウスのままだ…
まぁ、害を与える者には容赦ないみたいだけど…
「ライン殿、ユリウスの話はおおまかですが大体はそのような感じです。本来なら私が率先し一刻も早くアラムスに戻って来るべきであったと」
「殿下、確かにだいぶ寄り道をして帰ってこられたようで(笑)
しかし、今こうして5人が揃って戻ってきてくれただけで嬉しいのですよ。」
「そう言って頂けると助かります」
「殿下も立派になられましたね。もう私なんて足元にも及ばないかと」
「いろいろありましたので。主にユーリが招く事態なんですがね…」
「すみません…」
「ライン殿が謝ることでは…」
「ちょっと二人して俺を厄介扱いしないでよ!」
「諦めろユリウス、お前が動くと事態が厄介なことになるのは事実だからな」
「ワタシたち完全に被害者だよねぇ」
「やめてくれー!」
まったく、みんな俺を厄介扱いして‼
まぁ確かに軽率に行動したこともあったけど
殺意を持たない相手を斬ったりしないし
力で解決するつもりだってない!
つまり、厄介なやつではない!
「5聖騎士の噂は耳にしていたがまさかお前達のことだったとは夢にも思わなかったな。ミリアルド、お前の魔法はもう私を超えている」
「ありがとうございますお祖父様。しかし俺とユリウスの魔法は同等です。ユリウスにはゼクスと同等の剣の腕もあります。俺はまだまだです」
「変わったな、ミリアルド。自分の弱さを認めることは容易ではない。そしてライバルの力を認めるのもまた同じくな」
ユリウス、ゼクス、ミリアルド、フミ、ルナ
転移魔法に呑まれた5人は6年を掛けて
無事アラムスに帰還した。




