またお預け!?だったら蒸し風呂だ!
大木倒して、どうするのかと思ったら放置された。
理由。疲れたから。
「なにそれ!?」
そんな理由がまかり通るの!?
私の木靴作りは、後日へと持ち越し!
ガガーン⋯⋯。
ここ最近、このパターン多すぎない!?
まあ、良い。
「じゃあ、今日は時間をかけてアンタたちのフケどうにかするわよー!」
一人拳を天に突き上げて、空に誓った。
「なんか、今日も順調にイカれてんな」
私を見た二郎がポツリとそう言った。
さて、順調に蒸し風呂である。汗腺は開いた。汗も出た。
きっと皮脂も汗で押し出されているはず。
「二郎!まず、あんたの皮脂の具合見るわよ!最悪、ダニの温床になってるかもしれないし!」
ちなみに二郎は、ブラを外していた。
レースで装飾したからだろうか。
まずは、二郎がよく掻くここ!後頭部!
頭をグイ、と手前に押さえて後頭部が見えやすくする。
髪を分け、皮膚を検分する。
脂臭いとか言ってらんない!
ダニなんて許さないんだから!
「なんだよ⋯⋯だにって⋯⋯」
「うう、可哀想に、そうよねダニ知らないわよね。虫よ虫。小ちゃな虫がアンタのクッサイ頭に住み着いてるんじゃないか、てことよ!」
⋯⋯⋯⋯そういえば、ダニが住み着いた頭ってどんなのだっけ?
とりあえず、変なフケの塊がないか、頭皮を櫛でこそいだ。
(ううう、よく分からん)
頭皮マッサージもして、毛穴に詰まった脂を出すのよ!
(ああ⋯⋯シャンプーが恋しい⋯⋯。しっかし、コイツの頭重いな⋯⋯)
と、思っていたら寝ていた。
(寝てる!?いや、気絶!?どっち!?)
蒸し風呂に再入場してきた一郎に、「コイツ、死んでんの?」
て、聞いたらおもむろに石にかける水を二郎目掛けてぶっかけた。
「つめてぇ!!!」
「あ、生きてた」
「生きてらぁ!!んだよ、つめてぇな。人が気持ちよく寝てたってのによぉ⋯⋯ふぁああ⋯⋯ん?終わった?」
「ん?終わった?じゃないわよ。蒸されてる最中に寝てんじゃないわよ!蒸し死にするわよ」
「んあああ〜、仕方ねぇだろ。疲れてる上に、なんかちょうど良い感じに頭揉まれたり搔かれたら、寝るっての」
と、二郎はあくびしながら伸びをしながら、そんな事を言う。
「ならば、寝ないように私が揉もう。蒸し風呂で居眠りは危険だ」
と、言うと二郎の頭を掴み揉みだす。
「アダダダダ!!痛い!兄貴!頭割れる!」
二郎は、あまりにも痛いのか、ぶんぶん腕を振った後に、兄一郎の腕をがしり、と掴んで静止させようとする。
しかし、一郎は、容赦がない。
「まあ、一郎ったら見かけによらず力持ちなのね。でも、頭皮マッサージってそんなに力任せにするもんじゃないわよ」
と、座って抵抗する二郎の頭を、力任せに揉み続ける一郎の頭を後ろから揉み込んであげた。
「ああ⋯⋯」と、うっとりとした声を出す一郎。
「なるほど⋯⋯、たしかにタロタロのいう“湯シャン”というものは、大変気持ちが良かったな」
と、思い出したかのように言う一郎。
「え〜、そう?えへ、ありがとう」
そう言われると気分が良い。サービスして、凝りをほぐしてやる。
「いや、兄貴⋯⋯、あんま変わらず、いてぇんだけど⋯⋯」
二郎の訴えが聞こえてきた。
「一郎、私の指の感覚を真似してみてよ、こうよ、こう」
一郎の頭を揉み込む。
「こうか?」
一郎が二郎の頭を揉み込む。
「いや、いて、いって!兄貴、痛い!変わってねぇ!」
「む。すまん」
「⋯⋯まあ、どうしてかしら?針仕事はあんなに器用なのに」
一郎に変わって、二郎の頭皮を見る。可哀想なほど赤くなっていた。
(⋯⋯⋯⋯禿げませんように)
私は、そっと、二郎の頭を撫でた。
「二郎、湯冷ましついでに、溜めてる雨水持ってきてよ。ここ冷める前に一郎の頭キレイにするからさ」
と、二郎に言うと「いや、水ぶっかけられて、さみぃぐらいなんだが」
と、言いつつも言うことを聞いて、水を取りに出ていってくれた。
私は振り向くと木製の長椅子に座っている一郎の正面に立ち、髪に触る。
「ついでにもう一回ぐらい温まりたいなぁ〜。まだ身体キレイにしてないし。ねぇ、一郎温め直してもらって良い?」
と、一郎の頭を揉み込みながら、聞いてみた。
「む、まあ、良いだろう」
「うれしい!優しい!ありがとう一郎!」
「⋯⋯⋯⋯」
サービスで、もう一度凝ったところを揉んであげた。
いやあ、揉みで蒸し風呂温め直してくれるなら安いもんだわ!
温め直した蒸し風呂で三人仲良くきれいになった。
サッパリ、サッパリ。
ところで、君たち二人、
あの大木から、木靴作りはいつから開始するのかね?




