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メーイッパイ生きる



 マーズは漢中国での歌手達とのコラボを終えると、邦和に戻ってキリュウ兄弟とのクラシック。

これぞ癒しな優しい曲を奏でている。


 その間は休憩なユーレイ探偵団の控室に力丸とショウが来た。

【今日はA班お休みだって~♪】

【どんどん音楽を届けてくれと大勢に言われたよ。

 で、カケルは?】


【キツネの里に預けてるんだ。

 休憩させないと不慣れだからね】

話しているソラの方が分身。

本人は空マーズで演奏中。


【だから急に音が良くなったのか】


【ボク達もダメッ子なフリをヤメたから、きっとソレもあるよ】


【ふ~ん】

【兄様てば、その反応~♪

 あ、僕達 今日はお城で執務じゃなくて人世での公務なんだ♪

 だから一緒に行こ~♪

 あ♪ この曲、楽し~い♪】


【『世界一周みんなで踊ろう』だね♪

 年末にキリュウ兄弟が初単独ライブで『とっかえひっかえ』演奏したんだよ♪】


【コレ聴いてから行こ~♪】【だなっ♪】

大きい方のモニター前に集まった。



 今回は大所帯も大所帯なので、どうしても縦方向の動きが多くなり、更にアクロバティックな『とっかえひっかえ』になっていた。

キリュウ兄弟も忍装束で、動きも まるで忍者。

顔を出しているか、いないかだけの違いしかなかった。


忍装束は固定ではなく、フレーズの国に合わせて民族衣装を採り入れたデザインに都度 変えているので、それもまた楽しめる要素になっていた。



 どんどん移り変わる賑やかな曲が終わると、子供忍者達とキリュウ兄弟のサクラが前に並んだ。

『桜マーズです♪

 よい子の みんなにお願いです♪

 忍者の真似っこは安全な範囲でしてください。

 忍者は た~くさん修行したから高い所から飛んだりできるんです』


『橙マーズです。

 どんな修行をしているのか、って質問がマーズ事務所に山のように届いています。

 詳しい事は入門しないと話せませんが、走る・瞑想・勉強が三本柱です』


『キリュウ兄弟の末っ子、サクラです♪

 でも走るのは準備運動て感じだよね?

 瞑想メイン、勉強大事て感じ♪

 忍者、何でも頂上 目指すから~♪』


『白マーズです。

 サクラは一緒に走ってるし瞑想もしています。

 勉強は中学生なのに大学にも通うくらい頑張っています。

 音楽もしているから僕達よりも大変かもです。

 だから忍者と同じに動けるんです』

『忍者の みんなが忍法修行してる間に音楽修行してるだけなの~。

 忍者のが大変なの~』


『空マーズです♪

 入門は いつでも受け付けていますが、遊んだりできなくなりますので、よく考えてくださいね。

 入門しなくても忍者ごっこで楽しめますから♪

 でも1つだけ。

 オトナの人がダメと言う事はしないでください』


『うんうん。

 これは忍者も同じなの。正しい忍者の道なの。

 忍者もお師匠様や兄貴達の言葉は絶対なの。

 ケガしたら忍者できなくなっちゃうもん。

 ケガならいいけど、生きるの終わっちゃうかもなんだもん』


『命懸けだからな。

 何と戦っているのか、って質問も多く届いてます。

 簡単に答えるなら常識の外に存在する悪意を持ったモノです。

 もっと言うとオバケ、バケモノです。

 魔物、悪魔、悪霊、そんなモノです』


『地震は防げずに起こされてしまいました。

 後になってしまったけど、原因になったモノは退治しました。

 ここからはオトナの皆さんへのお願いです。

 邦和の皆さん、手を取り合って前に進みましょう』


『もう余震は起こらないから安心して、普通を、平穏を、取り戻しましょう』


『マーズを好きとか嫌いとか関係なく、忍者は協力します。

 1日も早く、元の邦和に戻しましょう』


『俺達も邦和に帰りたいんです。

 邦和で音楽したいんです。

 避難してる人達も帰りたいハズです。

 だから手を取り合ってください。

 どうか『『『『お願いいたします!』』』』』

手を繋いだまま一緒にピシッと礼!


『あ♪』真ん中のサクラが顔を上げた。

『邦和に帰れたら忍者教室しよ~♪』


子供忍者達が驚いて顔を上げた。

『あ♪』とか『ん?』とか『は?』とか、後ろで静かにしていた大人忍者達からも聞こえた。


『み~んなで楽しく忍者ごっこ♪

 マーズがサポートして安全に♪

 忍者の瞑想体験とか勉強体験もするの~♪

 馬ぬい、自分アレンジの作るの~♪』


『お~いサクラ、マーズのを勝手に決めるな~』

銀マーズが前に出て来た。


『邦和に帰れたらだよ? 帰れたお祝い♪

 だったらいいでしょ?♪』


『そっか、帰れた祝いか……そんなら企画すっか♪』


『うんっ♪』


『か・え・れ・た・ら、だぞ?』『うんうんっ♪』


『そんじゃあ次はアメリカだ♪

 キリュウも一緒に行くぞ!』


『承知!』一斉。

またまた楽器ごと一斉に忍者移動した。



【じゃあユーレイ探偵団も出発しよ~♪】

【ちょうどモグも来たしな♪】【うん♪】

ソラと彩桜も分身を頼んで来たので出発した。



―◦―



「ね、ママ♪ ニンジャきょーしつ、いこっ♪」

「いきた~い! でもパパおこる? ダメ?」

留置室の子供達も目覚めてテレビを視ていた。


「パパは……遠くに行ってしまったから、ママが連れて行ってあげるね」


「「やった~♪」」ベッドでピョンピョン♪


「そんなに跳ばないで」「「はいっ」」座った。


「あら?」ぱちくり。

「言うこと聞いてくれるのね?」


「ニンジャのミチ♪」「ニンジャだも~ん♪」


「そう……」

姉が言っていた通りだと、無性に会いたくなってしまった。


「ね、パパはシュッチョー?」


「そうなのよね。あ、あの箱。

 マーズからのプレゼントよ♪」努めて明るく。


大喜びな子供達と一緒にテーブルに寄って、ラグの場所に運び、蓋を開けた。


「え……忍者の、服?」「「きた~い♪」」


マーズの忍装束に似せた帷子(かたびら)風デザインでバックプリントの昇龍が煌めくTシャツと腿部が膨らんだパンツ。

脚絆&足袋デザインのハイソックス。

「スカーフ? と、鉢巻き?

 とにかく頭用よね? 青と赤……」


「ブルーがいい♪」「ぼくレッド♪」


「そんな言葉――あ、チャ★レンジャーね?

 そうよね、戦隊ヒーローものも真似たら危険なのは同じよね」

それはママ友たちも見せているのにと笑ってしまった。



―◦―



 映像ライブ会場では、涙ぐんでいる者が増えていた。

それは弱禍が浄滅されているからに他ならないのだが、感動だけでなく嘆きやらの負の感情も含んでいるので、これだけ集まれば再び闇禍を呼びかねない危険極まりない状況だった。


その負の感情を弾き飛ばし、吹き飛ばすようなハードロックサウンドが響き渡る。

フリューゲルではないが、アメリカの超有名バンドとマーズ&キリュウがコラボしているのだった。



 MCに入ると、ほぼタイムラグ無しに和訳が表示された。生中継なのに、だ。

機械的翻訳あるあるな誤訳も見当たらない。

ボーカルの語調、雰囲気ピッタリな少し荒い言葉が流れていく。


ボーカルが何かに気付いて後ろを向いた。

『おい、忍者達。何やってるんだ?』

返事が無いのでドラムの後ろへ。

カメラも追って入る。


ドラムは1段高くなっていて、その両側にはアンプやスピーカーの『壁』がある。

忍者達は其処に隠れていて、入ったボーカルの方を向いていた。


『何してるんだ?』


一斉に、宙に浮いている板に指を走らせた。


ドラマーも上から覗き込んでいる。

『キーボード? パソコンの?』


頷きつつ、また静かに指を走らせている。

動きは同じではなさそうだった。

似たような動きをしている者と、そうでない者が居るのは確かだった。


『だから何だよ?』『訳してるの~♪』

『は?』『世界中に中継してるから♪』

『まさか……って何語だ? 和語か?』


『和語アッチ♪』灰マーズが挙手。

『俺、アラビア語♪

 空、漢語だよね♪』『はい♪』

『忍者、いっぱい勉強するから~♪』


『あ~、さっきも走ってメイソーして勉強するとか言ってたな?』


『うんっ♪

 いっぱい修行♪ いっぱい頑張る♪

 メーイッパイ生きてるの~♪』

と、英語で話している桜マーズの言葉も和訳されていて、画面下方に字幕が流れている。



「目一杯、生きる、か……」

誰かの呟きが、何故だか皆に聞こえていた。

心に突き刺さっていた。



―◦―



 マーズ&キリュウが東邦テレビのスタジオに戻ると、邦和ボーイズの各ユニットリーダー達が待っていた。

『打ち合わせ、いいですか?』

『メドレーにしたいんで』


忍者達が頷いたのでカメラが横に振り、見田井が『では、その間に』と話し始めた。


『視聴者の皆様から沢山のコメントを頂いていますので ご紹介と、ご質問にお答えしたいと思います。

 各国マーズタウンの皆様からは

『早くマーズと一緒に邦和に帰りたい』が最も多いですね。

『帰れると信じています。

 思いがけない海外旅行をありがとう』ですとか

『今日、マーズファンになりました!

 でもユーレイ探偵団もガンバレ!』同様のコメントも多くあります。

 他には

『途中から見たのでメーアが何を言ったのか教えてください』

 そうですか。ではVTRをどうぞ』




 ユーレイ探偵団の演奏でメーアが歌い終え、曲間のMCに移った。

『邦和も俺のルーツだが、だからって理由で来てるんじゃない。

 マーズと音楽したいから来てるんだ。

 だからマーズを追い出した邦和には来る理由が無い。来たくもない。

 今日は それを言いたくて来たんだ。

 それだけだから、これで終わりだ。

 邦和には二度と来ない。つまり秋のドームツアーも、フリューゲルだけってのもナシだ。

 邦和に残ってるヤツらには音楽なんか要らないんだろ?

 だから文句なんか無い筈だ。

 コイツら(ユーレイ探偵団)もマーズの弟子だしカワイイヤツラだから連れてくからな!

 撤収だ!』

怒りも露にフレームアウトした。




『これに対しての『前言撤回』だったんですよ。

 ですがマーズは帰れていないと――』

『その通りだ。今はコラボしに来て(・・)いるだけだ。

 それも拒絶なら場所を移すだけだからな。

 だからドームツアーに関しては保留のままだ。

 中止と決まったならマーズタウンツアーに変える』

銀マーズが並んでいた。

『で、始めていいか?』


『はいっ!

 では邦和ボーイズ☆オールスターズとマーズ&キリュウのコラボです!』



 邦和ボーイズはユニット毎に色や丈の違う煌びやかなカジュアルまたは王子様風ジャケットの衣装だ。

マーズ&キリュウも それらに合わせたジャケットスタイルで、マーズは黒を基調に各々のマーズカラーを差し色にしており、キリュウ兄弟は白を基調に名前に合わせた差し色を加えていた。


後方にポジションを取り、低い姿勢で顔を伏せていたマーズ&キリュウが動き始めると、顔には差し色と同色の馬メン。

ジャケットのインナーはグッズとしても販売している帷子(かたびら)Tシャツだった。



―◦―



「いっしょ~♪」「おんなじ~♪」


「そうね♪」


 きっと全国の留置室に居る子供達に配ったのね。

 優しい忍者さんなのね。


夫の事を考えると子供達の未来までもが不安しかなくなってしまうが、今は喜んでいる子供達だけを見ていようと無理矢理にだが気持ちを前向きにした母親だった。


「忍者さん達カッコイイね♪」「「うんっ♪」」







音楽祭りが進む裏側でユーレイ探偵団は本来の活動を始めました。

ソラと彩桜が演奏中に他メンバーと話し、探りと拾知も使っていましたので、ほぼ調査不要の状態になっていましたけどね。

それでも証拠集めは必要でしたので。


マーズの『馬メン』は競走馬のメンコ風の上半分覆面です。

カラフルに作っても違和感ありませんし、馬頭(マーズ)雑技団ですからね。


今回の音楽祭りは完全ノーギャラ開催です。

国際文化芸術機構にも申請していますので受賞者だらけですが無問題です。



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