魔女の拠点巡り③尾張の魔女の家
【彩桜、次は?】
【キューヤ母ちゃん。
だから邦和全国行脚なるかも。
最後がキューヤが逃げた尾張なの。
逆行して隠してるモノ探すつもり。
住所……此処だねぇ】
立入禁止と門扉に貼られていてガッチリ閉ざされていようが忍者には無意味だ。
すんなり入って道路からは見えない庭へ。
【大きな家だね。
あ、さっきのは拾知? 使えるの?】
【無関係情報どんどん増えてるけどぉ、ギリギリできてる~。
さっきも理俱師匠に整理した情報あげたの。
カケルさんに話す用。
サーロンにも~♪】握手♪
【ありがと♪ 神様と地星って……そうなんだ。
これを知るって……お兄、間に合うの?
今日も ずっと遊んでたみたいだけど……】
【仲間外れしなかったら大丈夫♪ たぶんね~】
【ボク……お兄と相棒する約束したけど、やっぱり彩桜がいいな。
響もショウも一緒がいいけど】
【カケルさんも入れてあげてぇ】
【仲間、だよね】苦笑。
【これから狐儀師匠と理俱師匠がお話するし、響お姉ちゃんもショウ達も一緒だから大丈夫♪】
話しながら彩桜とサーロンは庭を探っていた。
漢中国の3代魔女もナディアールも地下に埋めていたからだ。
【家の下に不穏を感じるんだけど?】
【家自体にトラップ? また変な結界だねぇ?
魔女の結界、独特なんだよね~】
頑張って探る。
【ターゲット獣神力。サーロン待っててね~】
【入るの!? ドラグーナ様は!?】
【昇華闇障、闇化浄治癒シールド♪
行ってきま~す♪】壁抜けして入った。
【ホント器用だよね♪
彩桜って忍者ピッタリ♪】
【忍者ぽいコトいろいろ練習したの~♪
ん~~~、歴代父ちゃんが埋まってるとかナイと思うけどぉ~】
【そうだね。保険金の為には必要だよね】
【にゃ~んかオトナのドロドロ漂ってるぅ~】
【チビッ子達を残して来たのは予想してたから?】
【うん。次の父ちゃん候補さん達とも進行形。
いっぱい並行してたみたい~】
【そんなの拾知したらダメだよ】
【オフしても入ってきちゃうのぉ。
この毒……】
【家の中の物、全部 押収されてないの?】
【壁ナカにあったの。藤慈兄トコ行かなきゃ】
【キツネの里だよね? 出て来てよ】【ん】
封珠に込めたらしく、お手玉ジャグリング状態で出て来た。
【連れてって~】【うん】術移。
――里。【藤慈兄~♪】ハグ♪
【マーズしていたのですか?】
【ず~っと調べたり浄霊したりなの~。
コレ分析お願いなの~。
コッチ、キューヤ母ちゃん。
コッチ、ナディアールさん】
【久香さんの方から】【ん】
藤慈は複数の封珠を浮かせて、触れるか触れないかの位置で包むように両手で挟んで目を閉じた。
【彩桜、ナディアールさんも毒薬?】
【ううん。毒じゃない思うのぉ】
【ソッチもチビッ子達が居たから話さなかった?】
【かも~】←確定。
藤慈が目を開けた。
【彩桜、これは漢中国の魔女と同様の神世由来植物からの毒薬です。
これを使って連続で、なのですね?】
【だと思うのぉ】
【では次を】【うん】
今度は直ぐに目を開けた。
【これは……毒ではありませんが……】
【軽~く呪も込めてるよねぇ】
【そうですね。
つまり博士達に飲ませようとしていたのですね?】
【大富豪さん誰でもなのぉ。
い~っぱいドロボーさんもしてたのぉ。
使用人なろぉとしたけど断られてドロボーさん。
雇われたら結婚して財産ぜ~んぶ貰うつもり~。
結婚してから毒薬かにゃ?】
【そうですか】【そんな簡単に結婚できるの?】
〖神の惚れ薬は絶対だ〗
【フレブラン様ぁ、子供に言わないでくださいよ】
【白久兄様、彩桜は気づいていましたし、サーロンは大人ですよ】
【あ~、まぁな~】
【兄さん、魔女達は繋がっていた、という点が重要ではありませんか?】
【青生兄~♪
ナディアールさん、あの時が漢中国 行くの初めてじゃなかったの。
何度も双子オバサンから薬 貰ってたの。
キューヤ母ちゃんもなのぉ。
キューヤ母ちゃん、フレブラン様持ちのヒト連れてったりしてたのぉ】
【なら、ロシアの魔女も、ペルーの魔女も同じ毒薬を使ったんだろうね。
連携していないと見せかけて、全てが繋がっていた。
巧妙だよね、悪巧みに関してのみだけど】
【そぉ思うのぉ】〖私の知識を悪用するとは……〗
【フレブラン様、欠落してないの?】
〖私は猫の里で修行をした。
故に幻尾を得ている〗
【そっか~♪ 写し持ってたんだ~♪】
〖黒き女王は私を浄魂刑に処した時点より既に、薬草に関する知識に目を付けていたのだろう。
腹は立つが、今ピュアリラ様に滅して頂けたのだから未来に目を向けねばな。
悪用された数倍、生きとし生ける者達を薬にて救うと誓う〗
【私も! どうか弟子にしてください!】
〖新たな知識は藤慈の方が高い。
共に、良き世にしようぞ〗【はいっ!】
―・―*―・―
狐儀が稲荷堂の作業部屋に行くと理俱が待っていた。
【まだスタジオで響が話している。
軽いイントロダクションだな。
迎えに行く前に彩桜からだ】握手。
【また、こんなにも……】
【勝手に入ってしまうらしい。
苦労しているようだな】
【そうですか】【入っていいですか?】
【入れよ力丸。ショウとモグも】【【うんっ♪】】
瞬移して来たソックリ犬達が並ぶ。
カケルが来る迄と、瞑想を始めた。
【紅火がスタジオの機材調整しに戻ったな。
カケルを迎えに行こう】
スタジオへと瞬移すると、紅火が狐神兄弟の尾に触れた。
【魔女達は連携してやがったのか】
【理子と鳳子は?
接触していなかったように思いますが?】
【あの保護だ。
隠し護る為に接触を避けていたのだろう】
【納得だな。
アイツらに毒が渡らなくて良かったよ】
【そうですね】
【鍵を頼む】
【そうですね】【だな】溜め息×2。
響に叱られているカケルをチラリと見、やれやれと、二人を連れて瞬移した。
叱っていた響は狐儀と理俱に気付いていたが、カケルが姿を見るのは運ばれた後になる。
―・―*―・―
忍装束のままの彩桜とサーロンは、尾張の久香の家に戻っていた。
トラップとして呪を込めていた魔女の結界は、アフェアンとサマルータに相談して少しずつ解いたので、夜が更けた今はサーロンも家の中に入っている。
【この広いリビング……】
調べつつ廊下を進んでいたが立ち止まった。
【下に大っき禍ある~。不穏い~っぱい】
纏っている浄破邪を強め、ドアを少しだけ開けて廊下に座り込んだ。
【どうするの? 滅禍浄破邪?】
【闇呼玉に吸い込んでもらうの~】探り中~。
【いろいろ建物に隠してたね】
【地下に禍あるでしょ】コロコロコロロピタッ。
【押入れの天井に装飾品でしょ】コロロロピタ。
【現金も壁ナカ貯金してたし~】コロコロピタ。
【で、アッチの壁には惚れ薬~】あ~あ~あぁ。
フローリングに闇呼玉を転がしては最適な場所に止めて、不穏から禍までを微塵も残さず吸い込ませている。
【全部 持って引っ越してたのかな?】
【そぉみたいだねぇ。
あ~、噛みつき玉もある~】や~ん。
床下の大きな禍を闇呼玉に吸着すると、玉が見えたので逃げた。
【もう禍は無い?】【ないの~】
【だったらボクが取って来るよ】
具現化を解いて地下に入った。
浮上。フローリングから頭を出した後、サーロンは玉で膨らんだ魂納袋を先に出してから全身を床の上へ。
【全部カラだったよ】身体を具現化。
【入ってるの双子オバサンにあげた思うの~。
薬と交換だと思うのぉ】まだ遠い。
【そっか。そうだろうね。
トドメの浄化したら帰らない?
彩桜、ずっと不自由な拾知して疲れてない?】
【帰って寝るぅ~】へろへろ~んと現れた。
【でも噛みつき玉、キツネの里だよねぇ?
俺も行く~♪】
【一緒に行こうね♪】【うんっ♪】
サーロンもリーロンに今日のいろいろを話したかった。
彩桜は もっとだろうと思ったのだった。
―・―*―・―
【マトモに瞑想すら出来ずに寝ちまったな】
【どちらの『鍵』も困ったものですね……】
狐神兄弟が呆れきった視線を向けている先では、犬達がカケルをゆさゆさしている。
【力丸 ショウ モグ、休んでいいぞ。
眠るのも大事だからな】
【はいっ!】【【は~い♪】】一緒に瞬移。
響にも、生き人は眠らなければならないと言って帰しているので、作業部屋に残ったのはカケルと狐神兄弟のみ。
【アパートに運ぶか?】
【このままにしておきましょう。
アパートで目覚めれば寝落ちた事に気付かないやも知れませんので】
【確かになぁ。コイツなら有り得るな】
紅火が戻った。
【また作るのか?】
弟子達が作っていた部品が入っている箱を見た。
【まだまだ足りぬ】
道具箱を持って来て座った。
【そんなら俺も作るよ】【では私も】
狐神兄弟も人姿になって座った。
【頼む。大量に必要だからな】
日付けが変わる頃には祓い屋ユーレイ達も次々と来て作業に加わっていった。
【カケルじゃねぇか♪】【遅いぞナンジョウ】
【見回りしてただけだっ!】【寄り道もか?】
【タカシの修行の進み具合を見てたんだよ!】
【ナンジョウよぉ、叫ぶならカケルの耳元でやってくんなぁよ】
【はいっ! けどカケルじゃあ作れませんよ?】
【叫ぶなら、ってぇ話だぁよ。
ナンジョウも早く作れぇよぉ】【はいっ!】
―◦―
サーロンは眠ってしまった彩桜を連れて部屋に戻った。
するとドラグーナが追って来た。
彩桜からも桜ドラグーナが抜け出て合わさる。
稲荷堂の方から赤ドラグーナも来て合わさる。
【どうかしたんですか? まさか彩桜に何か?】
【心配しないでね。俺が試しているだけだから。
今、兄弟は漢中国に2人、此処に2人。
アメリカとロシアとドイツに1人ずつなんだよ。
だから試しに離れてみて、オフォクスに預けている身体に入ってみようと思ってね】
【完全に出ているんですか?】
【そうではないけど、別行動が出来るかと思ったんだ。
スタリーナの神力を貰って随分と高まったからね】
【輝竜さん達はマーズとして動いて、ドラグーナ様はお社の神様と一緒に動くんですね?】
【それが出来ればと思ってね。
それじゃあサーロンも休んでね。
彩桜の世話をありがとう】
なんだか嬉しそうなドラグーナは飛んで行った。
「本当に離れる準備……なのかな?」
呟いて、喜ぶべき事なのだろうかと複雑な心境で彩桜の寝顔を見詰めるサーロンだった。
キューヤこと池倉 久矢は母親から逃げていたのを家出少年としてマーズに保護されて、輝竜家で暮らすようになった中学1年生です。
母親・久香は連続保険金殺人犯です。
魔女オーガンディオーネの大きな魂塊の保護魂な理子と鳳子には接触していなかったようですが、他の魔女達は繋がっていたと判明しました。
さて、次は?




