84/102
3
「ダルス!この俺がわからないのか」
「死ね。兄上。お前が死ねば、時期王は我となる」
「ダルス。俺の目を見ろ」
切っ先と切っ先がぶつかりあいながら二人の攻防は続く。
「ダルス。お前ダルスではないのか。お前いったい誰なんだ?」
「黙れ。我が名はダルス。王都コウリア国において王となる男」
剣と剣がぶつかり合って、一旦二人とも後方に下がった。
「死ぬがよい。我が野望を邪魔するものよ。その名聞いておこう」
「俺の名はリオン。王都コウリア国第一王子にして、第二王子ダルスの兄なるぞ!」
「小賢しい」
再び二人の切っ先と切っ先がぶつかりあって火花が散った。