別れ
「結局ね。私は、時雨のことが気になっていたの。だから、今まで成仏する事ができてなかったの。でもね?こうして今再会出来た。それが良かったのか、悪かったのか、私には分からないけど。もう私は死んでしまった。もう私は現世に思い残すことはないの。だから、ありがとね時雨。私には時雨と出会えたあの日が。あの日がね。私には人生で最高の日だったよ。時雨と出会えてよかった。ありがとう。だからね・・」
彼女はそういってすこし考えている。
「これからはね。誰かのために命をかけるという事は、すごいこと。でもこれは、時雨の命。もっと大切にして欲しいんだ。時雨が死んじゃったら家族が悲しい思いをする。だから・・・」
彼女はそこまでいって、微笑んだ。
「じゃあ、私はもういくね。時雨とまた話せて、私。楽しかった。ありがとう。」
彼女はそういって、僕の頬にキスをした。
僕は驚いた。
彼女のキスがあまりにもいきなりだったから。
でも。
彼女の姿はそこにはもう無かった。
短くて、いきなりな再会だった。
うれしくて、切なくて。
あれ・・
めまいがする。
彼女と同じように僕も成仏できるのか・・・
最後に、睦月に会えてよかった・・・・。
睦月。
お礼をいいたいいのは僕の方だよ。
ありがとう。
あの日、僕を助けてくれて。