10/11
真実
僕はそこで目を覚ました。
しかし、そこはいつもの僕の部屋ではなかった。
真っ白な壁と天井に囲まれた殺風景な部屋。
ここはどうやら病院らしい。
「あれっ?僕は死んだんじゃなかったっけ?」
すると、タイミング良く医者が来た。
「おかしなこともあるものだ。君は銀行強盗から少女を守るために、大怪我をおった。普通は死んでもおかしくない怪我だった。しかし、君は生きている。本当に不思議だ。でも、あの世とこの世の境をさまよったのでは?」
医者は少し笑いながら僕に言った。
僕は苦笑いした。
でも、僕はそんな冗談よりも自分が生きていることに疑問を抱いた。
睦月は僕が死んだといった。
確かに、彼女は僕にそう言った。
でも僕は生きている。
呼吸をしてる。
話が出来ている。
だとすると。
彼女は僕に嘘をついたのか?
あれは嘘だったのか。
睦月・・・酷い。
せっかく僕にも「死」を受け入れる覚悟が出来てたというのに・・
すると、母さんが病室に入ってきた。
「良かった・・生きてたのね。時雨・・・」涙ぐみながら母さんは言った。
仕方ない。
あんなに大怪我をおったのだから。
心配にもなるか。
「ごめんね。母さん。でも、もう大丈夫だから。生きてるから。」
僕は母さんにそう言った。




