SP2:新入生歓迎会の内容を話し合ったある日
「それじゃあ、来月の新入生歓迎会について話し合いを始めようか。」
新入生歓迎会は定期テストの翌週に控えており、テスト前は学校から部活動の停止が求められる。正確に言えば停止されるのは学校内での部活動であり、校外やオンラインでの会議までは学校も干渉できないが、新入生歓迎会のような大きなイベントは早めに準備を始めておいた方が失敗も少ないからだ。
高校二年生の部員たちにとって、自分たちだけでこのような大規模なイベントを主催するのは初めてだ。昨年自分たちが参加した、先輩たちが開催したゲーム内容をある程度参考にできるとはいえ、完全にそのまま真似するのでは意味がない。毎回開催されるイベントには、その年のメンバー独自のアイデアを取り入れ、昨年の参加経験をもとに改良を加えるべきである。そして、細かいゲーム内容や全体的なルールにおいて、何を残し、何を変えるかについて議論するにはかなりの時間を要するため、この会議は少なくとも一ヶ月前には始める必要があった。
「とにかく、新入生歓迎会について何かアイデアがある人は、ゲームのことでも全体のルールでもいいから、まずは意見を出してみて。」マスコミュニケーション部の部長が部室で高二の幹部たちと机を囲み、今回の会議を進行していた。
「ルールって変える必要があるのかな?それとも今まで通りでいいの?」
「他にいいアイデアがなければそのままでもいいけど、やっぱり自分たちのオリジナリティも少しは入れた方がいいんじゃない?」ある部員が何気なく手を挙げて発言したことで、この会議の最初の議論の幕が開けた。
これまでのルールは、新入生歓迎会において最も一般的なものだった。各関所の担当者が守るブース、各チームが回る順番、そして各ブースで対決するチームの組み合わせが事前に決められており、引率のリーダーは順番通りにメンバーを指定のブースへ連れて行くだけでいい。チームはゲームの成績に応じてポイントを獲得し、イベント終了時にポイントで順位を決定するというものだ。
「例えば、みんながネットで見たゲームの動画とか、バラエティ番組とか、ああいう番組で企画されてるゲーム方式も参考になるよね。」
「先週の『夜八時一番』でやってた大食い対決みたいな……」
「うーん……大食い対決はちょっと現実的じゃないかもね。」
「そうだ、先月すごく視聴率が高かったバラエティ番組の回があったんだけど……湖を一周するリレーとかそんな感じの。」
「うちの学校のどこに湖があるわけ?」
「じゃあ、グラウンド一周リレー?」
「ヤダ。それだと引率リーダーの私たちも走らなきゃいけないじゃん。疲れるのは嫌だ。」
「それ、あんたの個人的な問題でしょ。」
「なら、前にニュースで見た大会なんだけど、あんたにピッタリのがあるわよ。」
「何の大会?」
「ぼーっとする大会。」
部員たちの議論は徐々に白熱していったが、残念ながらどれも建設的とは言えない提案ばかりだった。
「じゃあ邱艾晶、あんたも引率リーダーの一人として何か考えはある?」邱艾晶がずっと席に座ったまま一言も発さず、それでいて何か考え込んでいるような様子だったため、会議を進行していた部長が彼女に意見を求めた。
「あるにはあるんだけど、実現できるかどうかがちょっと分からなくて……」
「じゃあ、とりあえず言ってみる?どう転んでもぼーっとする大会よりはマシでしょ。」
「各ブースの担当者は定位置にいて、各チームが自分たちでどこを回るか決めて、誰が一番早く全部のブースをクリアできるか競うとか、そういうのはどう?」
「うん、それ結構いいかも。細かい部分をしっかり決めればいけそう。」
「それに、これなら早く終わりそうな気がする。早めに帰れるね。」
「それが目的なら、最後まで残らせて会場の片付けやらせるからね。」
「一つ質問なんだけど、そうなると、ゲームの内容はすべて指定された目標の達成をメインに設計しなきゃいけないってこと?」
従来のウォークラリーは二つのチームが互いに競い合う形式で設計されており、両チームの対戦成績に応じてポイントがもらえる仕組みだった。もしルールを邱艾晶の提案した形式に変えるとなれば、一定のスコアや目標を達成した時点でクリアという形になる。この方式を採用する場合の最大の欠点は、ゲームのクリア基準を検証するためにかなりの時間を要することだ。各チームがブースを回る際、一つのブースに滞在する時間が長すぎず短すぎず、同じくらいになるように調整するためには、何度も試行錯誤を繰り返す必要がある。とはいえ、それはゲームの内容が確定した後、別の日の放課後にテストプレイの時間を設ければ済むことだ。
ルールについて大まかな方向性が決まった後、今日はあとは部外からの助っ人の手配について合意に達すれば、本日の会議の目標達成となり、解散できる。
「もしブースの関所役が全部で五人必要なら、私のほうで二人か三人は手伝える人を呼べると思う。でも一応先に聞いてみないとだけど。」
「やった!邱艾晶、すごく頼りになる!」
「じゃあ私も友達何人かに聞いてみるね……でも邱艾晶、そっちで何人呼べるか確定してから、こっちで何人声かけるか決めるよ!」邱艾晶と別の部員がすぐに友達を助っ人として呼ぶと申し出たおかげで、今日の会議は予想外に早く終わりそうだった。
「いいじゃん!そんなに友達が多いなら、いっそみんなで一緒にゲームのテストプレイしてみるのはどう?会議に参加してない人の立場でやってもらえば、実際のプレイ時間がより正確に測れるかもしれないし。」
「そこまでしなくてもいい気はするけど……」解散する直前、また別の部員が最後の提案を出し、早く帰りたかった邱艾晶が適当に答えると——
「そっか、私も友達何人か連れてきて一緒にぼーっとする大会やれるかと思ったんだけどな。」
「あんたの友達になる人って本当に可哀想。」




